塩哲の色不異空

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ミュージアム巡り 光悦の大宇宙 芦舟蒔絵硯箱

2024-08-04 02:14:28 | ミュージアム巡り_2024
 次は、「芦舟蒔絵硯箱」(江戸時代、木製漆塗、23.6/22/4/4.2cm、
一合、TNM所蔵)。本作は蓋甲に角や段差を持たず、総体的に丸みを
帯びた形状で、江戸期を通じて好まれる形態の一つ。
 飴色を呈する黒漆を用い塗立て技法(塗ったまま研ぎを加えない)で、
蓋表に鉛の薄板で作られた舟を配し、薄肉の金高蒔絵で芦を、平蒔絵
で波と千鳥が描かれ、蓋裏と身の懸子にも平蒔絵で千鳥が表されてい
る。
 主題には芦と舟、千鳥の組み合わせから「三十六人家集」重之集の
料紙下絵に近く、謡曲「善知鳥」との関連も推測される。善知鳥では
舞台となる陸奥国・外浜の景観を描写しており、もの寂しい芦と小舟
の景観に結びつく。
TNM(台東区上野公園13-9)
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