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とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

大当り

2010-09-01 22:59:23 | 日記
大当り



 昨年の十二月二十九日のことである。その日はこの冬初めて雪が積もった。朝十時ごろ妻から職場に電話があった。事故車が家の東のブロック塀にぶつかって、塀が壊れた、という連絡だった。私は不思議と驚かなかった。(またか……)という感じで受け止めた。三年くらい前も同じような事故が起こったからである。
 夕方帰って損壊の程度を確認した。車庫の角の柱が二mくらいの倒れた塀を支えていた。(この前より被害は少なくてすんだ)と思い、ほっとした。前回は十mくらい倒れたから、(ひどいことをやってくれたなあ)と怒りが込み上げてきた記憶がある。
 事故現場である交差点と私の家までの距離は、東側に空き地があるために二十mくらいは離れている。事故の原因のほとんどは一時停止違反である。だから、違反して飛び出した車に、たまたま通りかかった車が接触して、勢いよくあらぬ方角へ飛んでいく。交差点の北側の田んぼに落ちることもあれば、横転したままで転がっていくこともある。二台もろとも田んぼに落ちたこともあった。
 その交差点は県道空港線にあり、年間に十回くらいは事故がおきるが、幸い今までに死者が出たことはない。信号機を設置してくれるように頼んだことは何度もある。しかし、いまだに実現していない。「今に死者が出ますよ。そうならないうちに……」と関係者に何度も言っているが、一向に話が通じない。
 家の塀が壊れるくらいは何とか辛抱できる。壊れれば直せばいい。しかし運転者や歩行者の人命に関わる事態になれば、これは取り返しがつかない。大当りは宝くじやガラポンの世界に留めてもらいたい。そのためにも是非信号機の設置を! (2007年投稿)

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