医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

意外に多い、治療費の未払い

2006年05月30日 | 総合
病院などの医療機関で治療を受けても治療代を払わない。常識的には考えにくいが、そんな患者が増えている。未払いの治療代は病院の経営を揺るがしかねない規模になっているという。今のところ有効な解決策は見当たらず、病院側は焦りを強めつつある。

一般の患者は公的医療保険で治療を受けると、費用の七割は保険から支払われるが、三割は患者が払う。未支払いとなるのはこの患者負担分のほか、出産、差額ベッドなど保険が利かない部分の費用など。

全日本病院協会など四つの病院団体で作る四病院団体協議会はこのほど、未支払い金についての初の調査結果をまとめた。全国約三千三百病院からの回答を集計すると、全体の九割以上の病院で未支払いが発生しており、2004年度一年間の金額は一病院あたり平均716万円だった。2002年度から2004年度の三年間の累計では一病院あたり1,620万円に達する。病院の収入となる診療報酬は政府の医療費抑制政策で抑えられており、ぎりぎりの経営をしている病院が多い。そんな状況の中での未支払い金は想像以上の負担になっている。今後の展望が開けずに閉鎖や身売りする病院も出ている。未支払いが増える直接の原因は患者の経済状態の悪化だ。病院関係者によると、生活保護とまではいかないが、治療代を払うと生活が苦しいというレベルの人が目立つ。患者の意識が変化していることも原因とされる。「治療に納得できなければ代金を支払う必要がない」と考える患者もいる。

一方、病院は患者を選べない。医師法で「治療の求めがあったときは、正当な理由がなければ、拒むことはできない」と定められているためだ。治療費の不払いは「(医療を拒む)正当な理由」には当たらないと解釈される。医療界からは「治療を義務づけておいて、不払いが出たときは知らん顔というのはひどい」と怒りの声があがっている。

多くの医療機関はこれまで費用の内容を患者に丁寧に説明することはなかった。治療費をめぐるトラブルの責任を患者ばかり押しつけるのも問題だ。ただそうはいっても、病院が次々経営難で診療ができない状態になれば患者が困る。行政も交えて本格的な対策の検討が必要になっている。(以上、日本経済新聞より引用)



「多くの医療機関はこれまで費用の内容を患者に丁寧に説明することはなかった」、「治療を義務づけておいて、不払いが出たときは知らん顔というのはひどい」など、この問題は今の病院・患者の現状を如実に表しています。

ブログランキングに参加しています。ご協力よろしくお願いいたします。
他の医学関係ブログもためになりますよ


今は何位かな?
ブログランキング


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 病院・診療所の診察料(画像... | トップ | 病院・診療所の診察料(内視... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

総合」カテゴリの最新記事