医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

認知症の臨床研究の評価方法

2023年05月15日 | 神経
皆さんもよくご存じのパスカルの「パンセ」の250ページ、断章347にこんな一節があります。

「人間は、自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である。これをおしつぶすのに宇宙全体が武装する必要はない。一つの蒸気、一つの水滴もこれを殺すのに十分である。しかし宇宙がこれをおしつぶすとしても、そのとき人間は、人間を殺すこのものよりも、崇高であろう。なぜなら人間は、自分の死ぬことを、それから宇宙の自分よりずっとたちまさっていることを知っているからである。宇宙はなにも知らない。だから我々のあらゆる尊厳は考えるということにある。我々が立ち上がらなければならないのはそこからであって、われわれの満たすことのできない空間や時間からではない。だからよく考えることを努めよう。ここに道徳の原理がある。」


さて、山上容疑者の事件後、政治家たちは恐れおののき本気を出し始め、あっという間に4月からこども家庭庁・こども基本法がスタートされました。やればできるのです。

安倍さんの時は「高齢者」「金持ち」「大人」が優遇され、こういう法案は「全く」成されませんでした。「少子化問題」とか「育児問題」といいながらも、安倍さんの時は完全にスルーでした。

政治家というのは自分の命を賭けてでも国を良くしようとするのが使命ですから、皮肉にも安倍さんは、結果論として政治家冥利に尽きるのではないでしょうか。

さて、新型コロナが5類相当になりました。新型コロナの治療薬として「ゾコーバ」がありますが、症状の期間を8日→7日にするだけで重症化予防のデータはありません。これで1治療あたり5万2千円かかるのは、公的資金(税金)から拠出されている限り、将来の(こども達・若者達)の資金を削ることになり、結果として私たち日本国民の首を絞めることになります。

もう少し、こども達・若者達に資金を残してあげるべきです。

「ゾコーバ」ってどんな薬?効果は?

そういう意味で、高齢者の認知症に対する薬、あるいは少しだけ寿命を延ばすのに何百万~何千万円もかかる抗癌剤や心筋症治療薬にも疑問が残ります。

どうして若者達への国家資源を削って高額な費用を使用し、高齢者が病気に罹患したり死亡したりするのを「忌み嫌う」必要があるのでしょうか。人間にはもともと生物学的寿命というのがあるのですし、「死」=「悪」ではありません。

詳しいことは次回お伝えしますが、上の図はメマリーと呼ばれる認知症に対する薬を評価した臨床研究で使用されたSIB-Jと呼ばれる指標です。メマリーを内服すると6ヶ月間で4点低下しなかったというものです。

この評価指標で4点低下しなかったって、本当に有用でしょうか?という話です。

こども基本法がスタートした今、私はこども達に医療資源が残るような医療を進めたいと思っています。


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