医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

小児に対する心臓移植の成績

2006年12月10日 | 循環器
米国心臓病学会からの報告です。

日本人の子供も心臓移植を受けに渡米しています。日本では心臓移植そのものの数が少ないので、その予後が一体どれくらいかという調査は不可能です。従って、このようなアメリカでの統計の結果を待つ以外にありません。もちろん最新の情報です。

The Use of Mechanical Circulatory Support as a Bridge to Transplantation in Pediatric Patients: Excellent Long-Term Survival with Ventricular Assist Devices

本報告では心臓移植を施行された3,080例(18歳以下)を対象に、後ろ向きにその予後が調査されました。

心移植試行前に機械的循環サポートが必要でなかった2,687例では、術後合併症として、人工透析5.5%、感染症22.4%、脳梗塞2.1%、再手術7.1%でした。一方、Ventricular Assist Device (VAD:要するに人工心臓です)を使用した217例では術後合併症の発症率はそれぞれ7.4%、27.2%、3.2%、11.5%、Extracorporeal Membrane Oxygenation (ECMO:要するに人工肺です)を使用した176例では、それぞれ18.2%、47.7%、5.1%、15.3%と、機械的循環サポートが必要でなかった群およびVADを使用した群に比較して有意に高かったようです。

5年生存率は、機械的循環サポートが必要でなかった群で73.4%、VAD群で68.3%、ECMO群で55.4%であった。

手術までに人工心臓や人工肺によるサポートが必要でなかった小児でも5年生存率が73.4%というのは意外に低いですね。


「今は何位かな?」
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