研究会に行ってきました。研究会といっても、製薬会社が自社の薬を宣伝するための講演を聴く会です。
こういう講演会で講演したり司会をしたりしている医者はだいたい決まっています。
製薬会社は、自社の製品のいいところだけを上手に話し、不都合なことは言わない医者たちを宣伝塔として繰り返し採用しているのです。私などは不器用でそんなことはできませんから、依頼のあった製薬会社の製品の不都合なことも正直に言ってしまうと、それから依頼はなくなっていきます。
こういう講演会にあまり出演しない教授陣は、製薬会社の不都合なことは言わないという方針に賛同できないということであり、決してカリスマ性がないわけではないのです。
今回も、悪玉コレステロールを低下させる薬を売る製薬会社の研究会で、
「私の施設で、急性心筋梗塞になって搬送された患者の悪玉コレステロールの平均値は110 mg/dl*ですから、110 mg/dl*ではまだ下げ足りないということなんです」
と、悪玉コレステロールを低下させる薬を使うように煽っている医者がいました。
*正確な数字を書くと施設が特定できてしまうかもしれないので、実際の値ではありません。
でも、
「心筋梗塞になって搬送された患者の悪玉コレステロールの平均値は110 mg/dl*だ」
↓
「だから、110 mg/dl*ではまだ下げ足りない」
という前提と結論は、小学生でも算数が得意ならすぐに間違いとわかることです。
さっそく、自分の娘に聞いてみました。
(父)「ニンテンドーDSを持っている子のお小遣いの平均は、月3,000円なんだって。お小遣いをたくさんもらっている子しか買えないんだね」
(娘)「そんなこと、ニンテンドーDSを持っていない子のお小遣いと比べないとわからない」
そうですね、前述の医者が言ったことは、心筋梗塞になっていない人の悪玉コレステロールの平均値と比較しないと言えないことです。
実際、心筋梗塞になっていない人の悪玉コレステロールの平均値も、110 mg/dl* なんです。
つまり、悪玉コレステロールを110 mg/dlより高い低いで分けることは、心筋梗塞の発症の予測因子にはならないということです。
こんな論理回路で、よく医者をやっているなぁという感じです しかも製薬会社の都合のいいことだけ言っていれば研究会で講演できるのですから、誰のための研究会なのかよくわかりません。
LDLコレステロール値は140mg/dlでも大丈夫
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こういう講演会で講演したり司会をしたりしている医者はだいたい決まっています。
製薬会社は、自社の製品のいいところだけを上手に話し、不都合なことは言わない医者たちを宣伝塔として繰り返し採用しているのです。私などは不器用でそんなことはできませんから、依頼のあった製薬会社の製品の不都合なことも正直に言ってしまうと、それから依頼はなくなっていきます。
こういう講演会にあまり出演しない教授陣は、製薬会社の不都合なことは言わないという方針に賛同できないということであり、決してカリスマ性がないわけではないのです。
今回も、悪玉コレステロールを低下させる薬を売る製薬会社の研究会で、
「私の施設で、急性心筋梗塞になって搬送された患者の悪玉コレステロールの平均値は110 mg/dl*ですから、110 mg/dl*ではまだ下げ足りないということなんです」
と、悪玉コレステロールを低下させる薬を使うように煽っている医者がいました。
*正確な数字を書くと施設が特定できてしまうかもしれないので、実際の値ではありません。
でも、
「心筋梗塞になって搬送された患者の悪玉コレステロールの平均値は110 mg/dl*だ」
↓
「だから、110 mg/dl*ではまだ下げ足りない」
という前提と結論は、小学生でも算数が得意ならすぐに間違いとわかることです。
さっそく、自分の娘に聞いてみました。
(父)「ニンテンドーDSを持っている子のお小遣いの平均は、月3,000円なんだって。お小遣いをたくさんもらっている子しか買えないんだね」
(娘)「そんなこと、ニンテンドーDSを持っていない子のお小遣いと比べないとわからない」
そうですね、前述の医者が言ったことは、心筋梗塞になっていない人の悪玉コレステロールの平均値と比較しないと言えないことです。
実際、心筋梗塞になっていない人の悪玉コレステロールの平均値も、110 mg/dl* なんです。
つまり、悪玉コレステロールを110 mg/dlより高い低いで分けることは、心筋梗塞の発症の予測因子にはならないということです。
こんな論理回路で、よく医者をやっているなぁという感じです しかも製薬会社の都合のいいことだけ言っていれば研究会で講演できるのですから、誰のための研究会なのかよくわかりません。
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ある統計学者と話をしたのですが、いくつかのスタディでは、どの統計法を用いるかで結果が変わることがあります。最も発表者にとって都合の良い統計法を用いることがあるようで、鵜呑みにするのは危険と思います。大規模スタディ至上主義の方もいますけれどね。
それでも大規模スタディは大切で、一つの判断材料にはなります。例えば、血圧コントロールで脳卒中リスクが減少するというのは、どのスタディでも同じ結果になっています(それでも、血管狭窄が強くて、血圧を上げてなんとか血流を維持している方の血圧を下げすぎるのは逆効果のことがあるので注意が必要です)。鵜呑みにしてはいけないけど、上手く利用したいものです。
ミッシェル・ド・ロルジュリル (著), 浜崎 智仁 (翻訳) 篠原出版新社
上記を読んでみてください。
大規模スタディのいい加減さにあきれます。
それをでっち上げている有名医師、医学者についても書いてあります。