医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

血液凝固阻止剤「プラザキサ」で76人に重い出血、5人死亡

2011年08月13日 | 循環器
以前、プラザキサの有用性についてお伝えしました

厚生労働省は8月12日、血栓をできにくくする血液凝固阻止剤「プラザキサカプセル」を服用した70代以上の患者5人が、消化管出血など因果関係の否定できない重い出血性の副作用で死亡したと発表した。今年3月に販売され、推定で約6万4千人が使っている。

厚労省は、製造販売業者の「日本ベーリンガーインゲルハイム」(東京)に対し、投与に当たって腎機能検査を行うよう使用上の注意の改訂や、医療機関などへの速やかな情報提供を指示した。服用中の患者には、鼻血や歯茎、皮下の出血、血尿、血便などに注意し、出血があったらただちに医師に連絡するよう求めている。

厚労省によると、死亡したのは男女5人で、70代が1人、80歳以上が4人。4人は消化管出血があり、もう1人は多数の皮下出血がみられた。ほかに76例の重い出血の報告があった。
(産経新聞より引用)

これに対して発売元ベーリンガーインゲルハイムは以下のような声明を出しました。

(1) 投与中は出血や貧血等の徴候を十分に観察してください
患者の状態(腎機能、高齢者、消化管出血の既往等)による出血の危険性を考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断してください。本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されておらず、本剤の抗凝固作用を中和する薬剤はないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察し、これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行ってください。特に「慎重投与」の項に掲げられた患者には注意してください。

(2) 患者には、出血があった場合は直ちに医師に連絡するよう指導してください
患者には出血しやすくなることを説明し、鼻出血、歯肉出血、皮下出血、血尿、血便等の異常な出血が認められた場合には、直ちに医師に連絡するよう指導してください。

(3) 必ず腎機能を確認してください
本剤を投与する前に、必ず腎機能を確認してください。また、本剤投与中は適宜、腎機能検査を行い、腎機能の悪化が認められた場合には、投与の中止や減量を考慮してください。

これではプラザキサの「ワーファリンでは必要だった血液検査によるモニターが不要」という利点がなくなり、ただの高価な薬ということになってしまいませんか?なんだかお粗末な話です。

それと、血液さらさら度をモニターできるワーファリンが捨てがたいのでは?

なるほど~と思われた方、こちらもぽちっと「ブログランキング」応援よろしくお願いいたします!

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする