橡の木の下で

俳句と共に

「バレンタイン」令和6年「橡」4月号より

2024-03-28 11:41:11 | 俳句とエッセイ
バレンタイン   亜紀子

信心の鰯の油身にかなひ
雪に濡れ伐採を待つ苑の木々
架線工梯子伸びゆく梅の上
少子化の子供広場の草青む
むら立ちて声なき冬の花わらび
ひそひそとバレンタインの少女たち
ひと仕事長居うららの喫茶店
日々早し梅もせはしく終りたる
よく笑ふ鴉が一羽木の芽時
待ち合はす河津桜の満開に
魚はしる水の底にも春の来て
山茱萸や園を巡れる水のきら
春立つや畑の窪水光りをる
春興や七宝釉の鉢並べ
桟橋に遅き日のあり宴の果
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