橡の木の下で

俳句と共に

「綿虫日和」令和5年「橡」1月号より

2022-12-28 14:21:52 | 俳句とエッセイ
  綿虫日和   亜紀子

インバウンド日和綿虫日和かな
前撮りのふたぐ小春の太鼓橋
照らされてまやかしめける夜の紅葉
鴨増えてをりぬ木椅子にまどろめば
仰山に屈託もなく落葉降る
川伝ひ尾張城下に突如猪
黄落や二両電車に老の旅
黄落の防火防風屋敷林
銀杏は採れとれを即食ふべしと
日本中コンクリ河原末枯るる
ジャズフェスタビルの真上の秋の空
ビルの端を染めて始まる冬一日
ウエッブの網に捕らまる神の留守
高楼を巡る冷たき今朝の水
秋うつろふ檸檬一果の鉢を置き

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