老鴬や葦間の舟のみをひとつ
櫓をつらね青き葦間へ消えゆけり
青葦に風湧き低き安土山
青葦原ときに嘆きの風湧けり
葦の辺にかけつぱなしの鰻罠
青鷺に青葦屏風広かりき
青葦の間の住吉の神小さき
よしきりの葦穂の巣なり軽かりき
歌ふのみならぬ行々子の巣を見たり
梅雨晴れの楊の葉うら輝ける
鷺と人青田に散りて背をかがむ
田草取り畦刈りそろひ日曜日
水無月の近江は緑濃き国ぞ
亜紀子
老鴬や葦間の舟のみをひとつ
櫓をつらね青き葦間へ消えゆけり
青葦に風湧き低き安土山
青葦原ときに嘆きの風湧けり
葦の辺にかけつぱなしの鰻罠
青鷺に青葦屏風広かりき
青葦の間の住吉の神小さき
よしきりの葦穂の巣なり軽かりき
歌ふのみならぬ行々子の巣を見たり
梅雨晴れの楊の葉うら輝ける
鷺と人青田に散りて背をかがむ
田草取り畦刈りそろひ日曜日
水無月の近江は緑濃き国ぞ
亜紀子