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Nonsection Radical

撮影と本の空間

先端企業の出遅れ

2015年01月13日 | Weblog
何か新しい製品を常に出し続ける企業は、逆に”古くなった”ものは簡単に切り捨てていくという一面も持ち合わせているのではないのか。
たとえ自社が先駆けて世に問い、ひとつの世界を創り出したものであっても、その売り上げが伸びなくなった時にはヤメてしまう。
そうなるとその世界を愛好してきた人達は取り残され、その企業に不信感を覚え、新たなものに飛びつくのに躊躇するようになる。
まあ時代がコロコロと変わっていく世の中なので、そんなこともすぐに忘れてしまうかもしれないが、時には「発展型」の製品がブームになり、切り捨ててしまった企業はあとの祭りという事も考えられる。

ハイレゾというのが”密かな”ブームらしい。
密かなというのは、まだそんなに誰もが知っているというわけではないという意味だ。
CDの音よりもずっといい音で音楽が聴けるという。
ソニーなどはウォークマンなどでハイレゾが聴けるように製品ラインナップを揃えている。
一方、携帯音楽プレーヤーの世界を創り出したアップルは、ダウンロード音楽の収益が伸びない事から、iPodなどの音楽プレーヤーに力を入れておらず、新製品も出していない。
”密か”にハイレゾiPodを出すんじゃないかと期待しているんだけど、ソニーに遅れをとっている事は間違いない。
一旦先頭を走る事をヤメてしまった先端企業が、再び先頭を走って世界を作り出していけるだろうか。
iPodの良さは、ハードだけではなくソフトの世界も丸ごとシステム化してひとつの世界を提示したところにあって、そういう点でソニーのウォークマンはあくまでもハードだけの世界であった。
それでもハイレゾの世界では先頭ランナーが入れ替わるのではと思えるほど、アップルは走り出していないのだ。
ジョブズがいたらどうなっていただろうね。
一方で、電子書籍の世界ではアマゾンが一人勝ちして、ソニーは事実上「保守作業」状態だ。
ヤメてしまうのかとの噂も絶えない。
持ちこたえる事で、新たな活路が見出せる可能性はあるのか。
ひとつの企業がすべてにおいて成功するわけではないのだ。

10年一昔で、数々の”新製品”が生み出され、また消えていったのだけど、最大多数の便利さを手に入れる事は出来たかもしれないが、残っていれば役に立つのになぁと思えるものも消えてしまったのも事実で、気がつけば以前よりも不便な世の中になっていたなんてことに気がつく時代なのかもしれない。
それでも時にはニーズが”枯れた”世界を復興させることもあるのだから、先端企業も見極めがむずかしい。
ユーザーも欲しいもの、必要なものを訴え続けていく必要があるのだろう。




浦上天主堂
長崎県長崎市本尾町
撮影 2014年3月21日 金曜日 12時20分
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