Nonsection Radical

撮影と本の空間

この親にして、は同意出来ない

2013年03月12日 | Weblog
「誰も書けなかった石原慎太郎」佐野眞一著 講談社文庫 読み終わった。
この本を読もうと思ったのは、長年の疑問「石原慎太郎ってコンプレックスが言動の源なのではないの?」という疑問に答えてくれるかもと思ったからだ。
おおむねその疑問に解答を得る事が出来、さらに石原慎太郎の”魅力”にも触れる事が出来て有意義な本となった。
ただ、佐野眞一の一連の取り上げ方、親(特に父親)によって子供の資質に大きな影響がある、簡単にいえば「この親にして、この子あり」という考え方にはまったく同意出来ないのである。
最近連載中止になった橋下徹に関する話でも同様な取り上げ方がされており、またその前に話題になった孫正義の「あんぽん」においても、孫正義自身よりその父親に焦点を当て”主人公”の内面に迫るという手法をとり、”東電OL"においても同様であった。
石原慎太郎においても同様な手法であるが、それに裕次郎の影響も加味し、慎太郎という資質を考察している。
一方で、それらの事にはまったく触れずに、後半では魅力の”功罪”を慎太郎自身の心のあり方で述べているのは、父親との”血脈”はどこへ行ったんだぁ?と思わせる部分である。
むしろ佐野自身の父親との関係が、どのように作用して父系血脈理論に行き着いたのか知りたいところだ。
まあ、同意出来ない部分もあるのを承知で、当方の疑問に答えを得ようと読んだのであるから、納得はしないが承知出来たとは思う。

石原慎太郎を支持、あるいは不支持する側の心理という点で、一定の答えを与えているところが読む価値のある本と言えよう。




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