主にオートバイ。時々クルマ。
なんだかんだと永年のブログです。
風に向かう刻
4Riders Interphone-V4
本日は標題の機器についてのお話です。
最初にお断りしておきますが、
中華製品(日本国外の機器)ゆえに、日本国の法律関連の適合が不明瞭であり、
bluetoothの小電力無線局としては免許不要で法定範囲内ではあるものの、
実機に技術基準適合証明の記載がなく、
この素性の機器を使用することは電波法第4条に抵触する恐れがあります。
少なくとも、法律で規制されうる詳細な技術仕様が、
商品情報にて記述されていないことは不誠実であり、
その国内販売代理店や輸入業者などを含めてグレーな印象です。
(電界強度や空中線電力などの表記はありません)
そもそも、BluetoothSIGの認証も取っていないようですし。
また、これは技適とはまた別の話になりますが、
Bluetooth機器はその簡易さから手軽で便利ではあるものの、
正式な免許で法規内運用しているアマチュア無線などに対しては
仮に「おめーら混信すんだから切れよ」といわれたら、
Bluetoothユーザーは「すみませんッシタ!」と通信を切らなくてはなりません。
因みに無線LAN等は序列が同等なので話し合いでお願いします(笑
・・・というわけで、こういう卑怯な言い回しで恐縮ですが、
お約束の ” 自己責任 ” という事で宜しくお願い申し上げます。
また、経済的に余裕のある方は、
4倍からの価格がする国内認可のBluetoothインカムを御利用くださいませ。
但し、本稿で触れるような4人通信をするには、
最低でも16万円、サーバー利用機の場合は20万円ほどの予算が必要です(苦笑
前置きが長くなりました。それでは本文へ。
確か今年の頭頃でしたでしょうか。
【 4Riders interphone-V4 】なる商品が国内販売開始されたのを知り、
今利用しているものの後継機ということもあって、
『どうしようかなあ』などと悩んでいたものです。
ところが先頃、当blogにもよく登場するNSR氏から
(以前ツーリングにご一緒させて頂いた)
「FAZEさんがセットを買って、1個譲ってくれたんだけど君も買おうよ。
4人で話せるらしいし、今度のツーリングで試してみたい。」
「もし買わなくてもFAZEさんが貸してくれるって言ってたよ」
のような電話があり、いよいよ買う時かなあと思い至った次第ございます。
基本的に、ひと様が大切にされている道具を借りるのは性に合わず、
例え快諾されたとしても、自分の責任の範囲で用意できるものは
借りずに自分の負担で準備しておくべきという意識もございました。
そんな理由で、当初は「雨が降らなければこの週末に」と予告されていた
NSR氏主催のツーリングに参加すべく週内に手配。
なんとか間に合うように入手完了です。
今回は納期優先で手配したので、
どこぞの輸入業者さんの平行輸入品という性格のものです。
その為、可読な日本語で記述されたマニュアルなどは付属しておりませんでした。
以前のもののパッケージと比較してみます。
新型は比べるとなにやら素っ気無いパッケージですね。
ぱかっとな。
全体的に”ひとまわり大きくなった”印象です。
それでは新旧実機の比較をしてみましょう。
まず一番気になったのは、ヘッドセット周りの仕様変更。
上が旧型のもの、下が新型のもの。
スピーカー/マイクともに1.5倍程度のサイズに変更されています。
また、スピーカーにはカバーが取り付けられ、
今まではスピーカーからのびていたマイクが別体になり
マイクのアームの全長も延ばされていて、マイクの指向性も上がったようです。
利点としては ”より多種のヘルメットに取り付け易くなった”でしょうか。
大柄なジェットヘルメットなどにも問題なさそうです。
反面、各社の最高級レース対応メットなどの効率重視の品の場合は、
大型化された各部が取り付けの邪魔になる側面もありますね。
続いて、実際にメットに取り付けてみましょう。
ボタン類が増えたのは好印象ですね。
少々見切れておりますが画像の左から順に書くと、
・チャンネルA/B
・FMラジオ
・ボリュームup/down
・通電及びフック
・電源off
と、全部で7つのボタンになりました。因みに最初期の旧式は5つ。
今回、一番の改善点は”電源offボタン”でしょう。
今まではモールドの甘いリセットボタンが筐体前方にありましたが、
今度のものは、グローブ操作でも問題なく押せる形状になりました。
新旧のサイズ比較です。
左が新型ですが、ひと回り大きくなりました。
質量に関しては逆に新型の方が若干軽く感じられます。
取り付けるとこんな感じ。
【 BT Multi-Interphone 】
形状の差はあれど、サイズの差はあまり問題にならない感じです。
見かけ上の多きな違いは” アンテナの向き ”で、
今まで前方に向いていたアンテナが、一般的な”斜め上後方”になりました。
また、ジャックが【 旧:後方 ⇒ 新:下方 】とされました。
雨水などの浸入防止には効果的かと思われる反面、
本体取り付け状態でヘルメットを地面などの平坦な場所におくと、
ジャックが支点として接地するため、強度的な不安があります。
加えて、旧来あったmini-USB端子が排除され、
充電については専用品の【 USB-A⇒4極ミニプラグ 】へと変更されました。
防滴・防塵などについては有利になりましたが、
ケーブル部品だけに、断線などしたときの代替品の入手が心配ですね。
(極性を確認していませんが、デジカメなどものが使えるかも)
因みにヘッドセットについては、
幸いにしてミニプラグの仕様が共通でしたので、
旧型のものに社外スピーカーを付け替えた
改造済みのヘッドセットを従来のまま使う予定です。
ざっとですが、物理的な形状関連は以上の通りでした。
あとは動作関連。
ここは文で細々記述しても伝わり難いかと存じますので箇条書きに。
・4台のペアリングは、
端末をα/β/γ/δとし、各端末のチャンネルをA/Bとした場合
【 αB - βB - βA - γA - γB - δB 】のような接続パターン
・接続待機モードは、通電後各チャンネルボタンを3秒押し
(旧来は電源off状態から都合10秒程度長押し)
・対応プロファイルはA2DP/HSP/HFPか。(マニュアル記載なし)
・用意されているA/Bチャンネルについて1機づつペアリングが出来るが、
チャンネルに因らず、A2DP(FM)のプライオリティは下位
・USB充電端子の排除により、充電しながらの利用は不可
・FMラジオ機能は押すだけで始動、ボリュームキー短押しで選局
概ねこんなところでした。
HSPに関しては、手持ちの旧型のバックアップ端末で確認をしたところ、
確かに3台同時通話が可能となっているようでした。
(先述の例だと αB - βB - βA - γA といった形です)
【 4Riders Interphone-V4 】の動作確認を含めた所感は以上です。
単価は現時点で10,000円/1台程度と、
同等他社製品に比べて 1/4以下の価格は大きなアドバンテージですね。
もちろん、他の高級機と比べるべくもない部分も多いですが、
今モデルに至って音質も改善されて聞こえますし、
まだ試しておりませんがノイズキャンセラーも搭載されたとのことで、
比較的小型で取り回しのいい形状も含めて、
お手軽なプアマンズインカムとしての地位は安泰なようです。
私も含め、ギリギリでバイクライフを送ってはいるものの、
インカムの便利さと愉しさは代え難いという方には最適ではないでしょうか♪
個人的には2系統化による複数ペアリングもいい感じです。
ソロツーでの携帯+ナビなど運用の範囲が広がりそうです♪
(プロファイルの関係で同時利用ではなく、切り替えになりますが)
この夏のツーリングが更に楽しみになりました!