主にオートバイ。時々クルマ。
なんだかんだと永年のブログです。
風に向かう刻
冬の三崎マグロ紀行
はっ!?
このまま放置するとまた『気が付けば土曜日に』となるところでした。
面倒だとかでは決してございませんが、寄る年波というか(笑
ともあれ、思い出の鮮度(記憶)が落ちる前にお届けしたいと思います。
日曜朝。土曜日は生憎の雨模様。
それでもとカブで出掛けはしたものの、
その程度では【 俺の中のアツい何か 】が燻っておりました。
一夜明け、
いまいちすっきりしない曇天に一層冷え込んだ大気が感じられます。
もぞもぞと遅めの起床から、とりあえずシャワーなどを浴びたところでふと、
『もう10時か・・・まだいけるな!』と気合が湧いて参りました。
目的は横須賀ライダーの聖地?こと三浦半島の【 観音崎 】に決定。
戦中は軍事の要衝として、80年代バイクブームでは走り屋(笑)の聖地として。
そして今は、気ままなツーリングライダーが立ち寄る、
海辺のレストハウスが旅の雰囲気を盛り上げてくれるとても素敵な場所です。
少なくとも千葉の高滝ダム(マッ缶公園)よりは景色がいいです(笑
ボート乗り場の方なら負けていないと思いますけれどねっ。
早速、暖まりのいいCBRのエンジンに火を入れ、
湾岸線から国道16号を経由して木更津方面へ大きく南下します。
木更津を前に【アクアライン連絡道】から、絶景の道路アクアラインへ。
海ほたるを通り過ぎ、東京湾の海底を抜けると川崎-横浜の工業地帯へ。
首都高湾岸線を南下し、横浜横須賀道路(横横)から一気に【馬堀海岸IC】へ至ります。
文字にするとあっという間ですが、道程100km弱の丁度良い距離。
馬堀海岸からは、海沿いの道を防衛大学を横目にすぐに観音崎に到着です。
今、まさに「観音崎なう。」ですねヽ(´ー`)ノ
快走の後で気持ちは上機嫌ではありますが、
御覧の通りの冬の曇天ですから寒いこと寒いこと。おおさむっ!
数日前の十数度という温暖さから比べると、一気に真冬に逆戻りという感じ。
一度は海沿いのツーリングライダーが数十台路上駐車している箇所を通るも、
そういうのは主義ではないので(笑
幸いにもすぐ近くに120円で利用できる有料駐車場を知っていたので、
バイク溜まりを華麗にスルーしつつ、おじさんのいる駐車場の管理棟へ。
すると、このおじさん(私より40歳は上かと)が大層嬉しそうなこと。
余程路上駐車に辟易しているのか、最高の笑顔で出迎えてくださいました。
あたりまえの事をして喜ばれる程、ありがたいことはありませんね^^
といっても、ごく普通のライダーの路上駐車を非難しているわけではありません。
ちょっと停車して仲間との意志疎通をはかるのも勿論アリだと思いますし、
夜などの人が居ない時間ならば、私も遠慮なくそちらに停めると思います。
ですが、折しも今は日曜の昼間。
他の善良なるライダーが眉を顰められるような原因になりたくないだけでした。
そういう意味では、隣に停めたXR250のライダーさんとも話してみたかったなあ。
そういえば、レストハウス前を華麗にスルーしたときに
先客のライダーさんらしい方が私が停まると思ったのか、
何人か会釈をして下さったような気が致します。スルーして悪かったかなあ。
おっと、寒い事をすっかり忘れておりました。
(((( ;゜Д゜)))見た目は平静を装っておりますが、
冬の高速を長く走り、少し悴んだ手とともに自動販売機へ急ぎます。
戦中の遺構か、
桟橋の跡などを認めながら、缶コーヒーを片手にぶらっと海辺を散策です。
寒々しくも薄暗い、曇った冬の海というのもいいものです。
流石に缶コーヒー1本では足りなかった暖も、
ライダー装備のまま大人しくしていると、それなりに体温が戻って参ります。
そこで、某閉鎖的SNSで観音崎に来たことを呟くと、
暫くして当blogでもリンクさせて頂いている”まーすけさん”からメールが。
まーすけさんは最近、土日でも御仕事がお忙しいことを存じておりますので、
「お時間を頂くほどの事ではない」と、
午後から時間を割いて下さるという嬉しい申し出を辞退させて頂きました。
『さて、それじゃ風車でもいくか~』
すっかりソロ気分で、海沿いの観光で混雑する道路を大人しく四輪と走りつつ
剱崎を経由して、風力発電の巨大な風車が立ち並ぶ【宮川公園】に到着です。
ん・・・?
駐車場に入ろうとすると、驚きのまーすけさんご登場ですヽ(´ー`)ノ!!
(奥のDRZがまーすけさんのオートバイです)
私が「風車に行く」とお話したことを聞き、
御仕事もあろうにも係わらず時間を取って、先に待っていて下さったのです♪
この宮川公園も、ひっきりなしにライダーが出入りするツーリングの名所ですが、
そんなライダー達を横にまずはご挨拶から始まり、
バイクの話、カメラの話(先日まーすけさんはいいカメラを買われたんですよ)
など色々なお話をしつつ、ここでもまた缶コーヒータイムです。
実はお互いのカメラがNikon同士だったりするので、
私の安物レンズをお貸しして試して頂いたりと、楽しい時間を過ごしたのですが、
暫くして『そろそろ時間がまずいのでは』と思い至り出発を申し出ました。
出掛け際、地元のまーすけさんに
「三崎ってどうやって行くんでしたっけ?」とお伺いすると、
なんと恐縮なことに「じゃあ行きましょう!」って(笑
悪いなあとは思いつつも、ここは御厚意に甘えさせて頂くことに致しました。
ベテランライダーでもあり、
三浦半島エリアを熟知したまーすけさんの安心のナビで程なく三崎漁港に到着。
ここ【 三崎漁港 】は首都圏のテレビ番組でもお馴染みの、
マグロの水揚げでとても有名な漁港です。
奥に見える建物が、マグロを水揚げする設備だそう。
流石は有名な漁港だけあって、
日曜の夕方だというのにまだまだ観光客で賑わっています。
まずはメインの水産市場を流し見つつ、
【 にじいろさかな号(遊覧船) 】に遭遇したり。
実は今回、この後とても貴重な体験をさせて頂きました。
それというのも、観光ガイドには載っていないような昔ながらの三崎の街を
地元のまーすけさんの御案内で散策するという素敵な街巡り。
こればっかりは、マスツーでイベント的に走りに行った先では出来ないことです。
『まーすけさんのお時間大丈夫かな???』と思いつつも、
水産市場から離れ、どこか昭和の香り漂う旧市街地へと歩を進めます。
裏路地からは、遠くに架かる城ヶ島大橋が望めました。
まーすけさんの後に続き、気ままに散策していると・・・
魂が震える光景に出会いました。
昔、子供の頃に誰しも心ときめいたであろう、
駄菓子屋さん。そしておもちゃ屋さん。
駄菓子屋さんには、おばあちゃんがかならずいらっしゃるはず。
そんな淡い期待は裏切られず。
とても柔らかい笑顔のおばあちゃんが迎えてくれました。
ようござんしょ。
もう、嬉しすぎて何から買ってよいものやら(笑
それでも結局、手提げのカゴいっぱいに買わせていただきました♪
「まーすけさん!グライダーありますよっ!!ヽ(´ー`)ノ」
お店で買った竹串の酢イカを、二人で囓りながら再び海辺へ。
海沿いを進むと、なにやら香ばしくとてもいい匂いがして参りました。
とれたての魚介類を干物にし、小売りしているお店がありました。
店頭では、おばあちゃん達が七輪で魚を炙り、お客さんに振る舞っています。
「ぼく!おかあちゃんに干物買っていってやりな!喜ぶよ~!!」
このおばあちゃん、とても朗らかでいい感じの人でした。
blogの読者様は薄々感づいておいでかもしれませんが、
私、良くしてくれる人(他人の善意)にとっても弱い性分でして(笑
おばあちゃんの言われるまま、パックいっぱいの干物を買わせて頂くことに。
「写真撮ってもいいですか?」の問にも、とても快く応じてくださいました。
こぢんまりとした上に判りにくい場所にありますが、このお店オススメです♪
駄菓子も買って、おみやげの干物も買って。
ホクホク気分のまま再び裏路地へ。
『なんだろうこの機械。』
まーすけさんには「子供の頃ラーメン屋で見たキャベツ脱水機に似てます」と(笑
本当は全然違う形状なのですが、道具の素性が似ている気がしました。
ここまでで小一時間。
朝から食事を摂っていない事を思い出し、
まーすけさんに「お食事はお済みですか?」と伺うと、流石に食べておいででした。
それでも、食事につきあって下さるという事なのでご一緒させて頂くことに。
道中、沢山の食事処を見掛けましたが
何故か気になった、商店街の奥にあるこちらのお店に決めました。
こちらのお店もまた、元気のいい感じのおばちゃんのお店。
ようやく決めたメニューを注文し、
ここから結構長く待たされることになるのですが、
とても落ち着いた雰囲気のお店の中、話して居ると気になりません。
途中、おばちゃんが歩み寄ってきて
「あのさ、前の県知事の○○さん(お名前は伏せます)って知ってる?
あの人が今奥に来てるんだよ♪」と自慢げ。
おばちゃん・・・それ言っちゃって大丈夫なの?(笑
そうこうしているうちに、出来たての食事が運ばれて参りました。
【 三色丼 】
マグロの漬けとネギトロ、ヒラメと鮭だった気がします。
【 マグロの頬肉竜田揚げ 】
言わずと知れた稀少部位。漁港ならではのゼイタクですね♪
場所柄、お値段こそちょっぴり高価ではありますが、お味はとてもいい感じ。
小鉢も付いて手抜きのない調理には好感を持ちました。
なにより店の雰囲気がいいですね。
おばちゃんも「ゆっくりしていきな!9時までやってるからさ(笑」って。
となればお言葉に甘え、実にゆっくりさせて頂きました。
普段(特に1人では)食後すぐにでも店を出ることが多いのですが
気にしている次のお客さんの事が無かったとはいえ、じつにのんびりと。
お腹も膨れ、日が伸び始めた冬の終わりの空を歩いてゆきます。
唐突に、木造家屋の壁に【 3 】のネオン菅が。
『ここがサンロードだからかな。』
とぼとぼと、少しうらぶれた感も漂う昭和の街並みを抜けて表通りへ。
さて、そろそろ帰るとするか。
たっぷり付き合っていただいたまーすけさんに申し訳なく思いながらも、
自分の翌日の仕事も少々気になり始める時間帯でもあり。
駐輪場で軽くお話した後、
これまた途中まで御案内下さるというお言葉に甘えて
地元ならではの裏道から、横横途中のインター手前まで御案内下さいました。
何度か「どこで別れても帰れますから(笑」とはお伝えしたものの、
結局ほとんど最後まで。ありがたいことです。
締めはやっぱりHOT缶コーヒーで(笑
子供時代に、レストア屋を営む叔父のガレージでよく飲んだダイドーのコーヒー。
なんとも味のあるパッケージが今も変わらず好きです。
三浦半島最後の休憩の後は、
まーすけさんに見送られながら楽しかった旅先を後にします。
途中、ガソリンを満タンにしつつ再び【横浜横須賀道路】へ。
ここからは一気にアクアラインまで。
途中、横浜の夜景を見下ろしながらベイブリッジを通過してゆきます。
東京湾の底、海面下57mの風の塔を通過し、最後に海ほたるでひと休憩。
今日も一日お疲れさま。
機械に”生命感”を投影するタイプではありませんが、
”相棒”という表現ならばしっくり来る気がいたします。
自宅に戻り、オートバイを仕舞うと白いご飯を炊きました。
お目当ては旅先で買ってきた干物。
これがまた・・・
人生でこんなに美味い干物を食べたことは無いかもしれません。
口にしている間中、笑みがこぼれると申しましょうか。
食べ終わった時の充足感はなんともいえない幸せでした。
もちろん、おばあちゃんの人柄も込み。旅の思い出も込みというところでしょうが。
走行距離【 219km 】
普段は下道で軽く走りきるような短距離でしたが、
なんとも表現しがたい、良い冬のツーリングとなりました。
御仕事の時間を割いてまで、
お付き合い頂いたまーすけさんにはとっても感謝です。ありがとうございました!