ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




文豪屋敷。板橋区板橋3-6。1990(平成2)年1月14日

まったくの逆光でなにが写っているのかよく分からないが、手前が「文豪屋敷かに屋敷駐車場」。駐車場にはイチョウの木があって、コンクリート塀の奥が「文豪屋敷」という料亭。駐車場は文豪屋敷が、隣の家だったところを借りていたのかもしれない。写真右が道路で、道路沿いに板塀をめぐらし、画面右端が門。場所は国道17号(中山道)の板橋区役所前駅のすぐ北で、旧中山道の南の裏手になる。
文豪屋敷の前の道路は、国道17号から斜めに入ってカーブするとすぐまた国道に出てしまう。国道が引かれたために切り取られてしまった道路だと判る。千川上水が流れていた道である。千川上水は西から流れてきて、この辺りで南東に向きを変えたのだが、そのカーブする部分が新旧中山道の間に残っているということだ。

文豪屋敷は『板橋区の近代建築―住宅編』(板橋区近代建築調査団編集、平成7年、板橋区教育委員会発行)から引用すると「木造2階建て、外壁はモルタル・下見板張り、寄棟屋根、明治30年頃の建築」で「現当主が個人の住宅を35年前(昭和35年頃)に購入し、平成3年飲食店として改装、増築した」「購入当時、現在中山道が通っている場所には、千川上水が流れており、そこには資材置場や水車等が点在していた。街道沿いの商店街以外はほとんど野菜やトウモロコシを栽培する畑だった。収穫物は、神田市場へ出荷していたようである」。

『東京ダウンタウンストリート1980's>板橋一丁目~千川上水と谷端川、下板橋駅~その二』に文豪屋敷が取り上げられている。「今は〈文豪屋敷の跡が〉大きな駐車場になっていて、大木が残されているのだが、かつてはここに喜奈古屋という料亭があった。そして、上水に水車が設けられていて名物になっていたという」とある。

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