ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




都南ビル。神奈川県横浜市吉田町10
左:1988(昭和63)年8月6日
右:2010(平成13)年7月8日

吉田橋側のイセザキモール入口からすぐ北が吉田町(よしだまち)で、都橋へ向かう通りに、タイル張りの外壁の風格のあるビルが建っている。都南(となん)ビルという元銀行だった建物だ。写真の側が表とすると、裏側の方が広い大通りに面しているのだが、1・2階の外装を改修しているので、こちらを正面と決める。
『日本近代建築総覧』では「都南ビル、中区吉田町1-10、建築年=昭和3年(1928)、構造=RC5階建、設計=西口為蔵、施工=山口組(長野県松本)」。昭和5年(1930)竣工が正しいらしい(『 YOKOHAMA xy通信>No.352』)。「都南貯蓄銀行本店」として建てられたもの。
既サイトによれば、都南貯金銀行は貯金銀行法により、神奈川県下の23の貯蓄銀行と4の普通銀行が合併して1921(大正10)年12月に弁天通に設立された。吉田町に本店を移したのが1928(昭和3)年。
1945(昭和20)年、大都市に残る9貯蓄銀行が合同し日本貯蓄銀行(協和銀行の前身)が設立されるが、都南貯蓄銀行は日本貯蓄銀行にはいかず、横浜興信銀行(後の横浜銀行)と合同して消滅した(横浜銀行>会社情報>歴史>創立90周年記念誌「地域とともに141年 横浜銀行の歩み」)。
写真の「静岡相互銀行」が都南ビルに横浜支店を出したのは1954(昭和29)年。1989(平成元)年8月 に普通銀行に転換、「株式会社静岡中央銀行」に商号変更した。静岡県沼津市に本店を置く第二地方銀行である。2005(平成17)年4月26日に磯子区丸山に移転した。

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