ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





イセビル(伊勢ビル)
神奈川県横浜市中区伊勢佐木町1-3
上:2002(平成14)年1月14日
左:2010(平成22)年4月10日

イセビルはJR関内駅のほうから吉田橋を渡って「イセザキモール」の商店街に入る入口に建つ古いビル。地図では「第一イセビル」とあるのは、第二・第三イセビルがあるため。『日本近代建築総覧』では「伊勢ビル、建築年=昭和3(1928)年、構造=RC5階建(地下1)、設計=復興建築助成㈱、施工=三引建設」。5階が増築のように見えるが、竣工時にはキリンビヤホールだった。
『ウィキペディア』に項目があって、わりと詳しいことが判る。施主は横浜市会議員の上保慶三郎という人。横浜では復興建築助成株式会社の助成を受けて建てた建物は75件あり、その最初の建物。施工は東京・銀座の「三ツ引商事」で、耐震に留意して基礎に404本のアカマツの杭を打たせた。完成は1926(大正15)年としていて、『総覧』より2年繰り上がる。
近年の原状回復工事において、昭和初期に営業していた「カフェー・オリエント」の壁画と思われるもの、および1955年当時にダンスホール「白馬車」だったときと思われる壁画が発見された、という記述が興味深い。今頃はその壁画を生かした店が開店しているのだろうか?
屋上の「求心」の広告は1980年12月に現れ、2013年11月に撤去されたという。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )