ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




第一鉄鋼ビル。千代田区丸の内1-8。2005(平成17)年12月17日

第一・第二鉄鋼ビルはすでに解体が終わって、4月24日には新鉄鋼ビルの起工式が行われたそうだ。このビルが建っている場所は江戸城の外堀になる。戦後、周囲の瓦礫を放り込んで埋め立てたのが1948(昭和23)で、第一鉄鋼ビルは1949(昭和24)年11月に起工、1951(S26)年7月 に竣工した。戦後初の本格的な高層ビルと言われた。周囲はまだ焼け跡が目立っていたらしい。1954年には第二鉄鋼ビル、国際観光会館、鉄道会館(大丸デパート)といった東京駅八重洲口の主要なビルが完成する。今、そのままで残っているビルはない。
第一鉄鋼ビルは完成後2度の増築工事があった。1969(昭和44)年1月に西側にフロアを広げ、1969(昭和44)年1月に9階部分を増築している。
ビルを運営管理している『株式会社鉄鋼ビルディング』は、広島県呉市を本拠とする建設会社の『増岡組』の同族会社で、鉄鋼ビルを建設・運営するために設立されたものだろう。おそらく鉄鋼ビルの土地も取得していると思う。どういう経緯があったのか気になる。創業者は吉田茂や池田勇人と付き合いがあったようだが、なにか関係があるだろうか。




上:1986(昭和61)年1月
左:1986(昭和61)年6月22日

ビルの名称に「鉄鋼」とあるからには、最初からそういった関係の会社が入居を予定していたのだろうか、とネットで調べてみた。『東京駅周辺』に、「元々、このビルには八幡製鉄の本社や鉄鋼関連の諸団体などが多数入居しておりました。その後、八幡製鉄と富士製鉄の合併による新日本製鉄の誕生により、すぐ近くの新日本製鐵ビルに移りました。……神戸製鋼の東京本社(2枚目の写真に看板が出ている)は、このビルの2階-4階と6階の4フロアーを使っていましたので、……」とあった。竣工時は「鉄鋼ビル」の名前にふさわしいものだったのだろう。

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