ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




角の看板建築。墨田区京島1-8。2004(平成16)年1月24日(4枚とも)

京成曳舟駅の西側の改札を出たところから東南方向にくねくねと左右に曲がりながら続いている道路がある。この辺りでは割と広い道で、川、あるいは用水路の跡だと言われる昔からある道らしい。写真の家は、その道路が四ツ目通りを横切って京島3丁目に入って少し進んだところ。現在、UR都市機構の施工で5階建て36戸のマンションの工事を進めている場所で、写真の建物は、工事が始まるまでは残っていたようだ。ストリートビューで、並びの長屋とともにまだ見ることができる。
京島には看板建築にした商店長屋はあるが、1戸建ての看板建築は少ない。写真の家は、その珍しい洋風看板建築である。どんな商売をしていたのか判らないが、1985年の住宅地図には「渡部染部」とあり、染色関係だったのかもしれない。写真では「ワタベパーキング」の看板が出ている。建物の背後がその駐車場である。



山田内装店は平屋の五軒長屋の1戸。下の写真が長屋のほぼ全景で、3戸はすでに空き家らしい。




平屋の四軒長屋と接して、二階建て四軒長屋である。右端の家がガラス戸に「伊東プレス」の字を入れている。1985年の住宅地図には「高橋製作所、寺島ゴム工業所、伊東製作所」の記載があって、長屋が家内工業の団地みたいだったのだろうか。
作業着と作業帽に黒い袖カバーのおじさん、カシャンカシャンというプレス機の音、横では手ぬぐいをかぶったおばさんがグラインダーでの面取り。ぼくのイメージは古すぎるかもしれない。今、そういう仕事はどこでだれがやっているのだろう。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )