ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




ストロングビル。神奈川県横浜市中区山下町204。1988(昭和63)年8月6日

大桟橋通りの横浜公園の向かいにあった。2007年に解体されて現在はビジネスホテルの「ダイワロイネットホテル」の高層ビルに建て替わった。このビルの前面にストロングビルの外観が復元されている。
矢部又吉の設計で1938(昭和13)年に完成したオフィスビルである。ウィキペディアによると、矢部は横浜市元町の生まれで、川崎財閥との縁で川崎銀行などの建物を多く設計している。横浜では「日本火災横浜ビル(旧川崎銀行横浜支店)」(1918(大正7)年)や「三菱銀行横浜支店(旧第百銀行横浜支店)」(1934(昭和9)年)があった。東京日本橋にあった「日本信託銀行本店(旧川崎銀行本店)」(1927(昭和2)年)も彼の設計。
ストロングビルは重厚な銀行建築と違って、ぐっと簡素になっているがやはりルネサンス様式が感じられる。装飾は建物中央の玄関周りに集中させているが、全体のプロポーションが見ていて快い。



1988(昭和63)年8月6日

玄関上の筆記体の英字は「Storong & Co.( Far-East) Ltd.」。ビルのオーナー会社である。ストロング極東株式会社の前身は、明治4年に横浜居留地に支店を開設した英国のG・ストラウス商会だという。
下の2002年に撮った写真では玄関の左の窓は「APOLLO PLACE」の文字の日除けがあって、店の出入り口に改修されている。そうすると、右側の出入り口も改修されたものだろう。
玄関の外燈と下に置かれた石の球体は現在の復元された建物にもそのまま使われていると思う。



2002(平成14)年1月19日

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