六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

落ちていた手紙の謎?????

2006-10-11 16:47:13 | 社会評論
 以下の手紙は、最近東京に出張で出かけていた私の友人が、永田町付近で拾ったというものです。
 浅学な私は、友人から相談されても、これが誰から誰へあてたものか判別しかねるのです。従って、どこへ返済すべきかも全く分からないのですが、たぶんこれはコピーではないかとも思われますので、当事者はさほど困ってはいないのではないでしょうか。
 
 しかし、念のため、各位に披露させていただき、その処置につきましては諸賢姉、諸賢兄の判断にお任せしようと思う次第です。 


     

 
 親愛なる指導者にして偉大なる将軍 *正*閣下 御許へ

 この度は、国際世論を向こうに回し、堂々たる自己主張のご英断、立場上、表だっては表明致しかねますが、密かに敬服いたしおる者でございます。
 一般的に申しましても、指導者たる者、強い決断力と権力の行使がその必須条件であり、私も閣下のごとく完全な権力を掌握すべく、今回の人事では、各大臣とは別個に、私個人の補佐官など任命いたした次第でございます。

 思い起こせば、私めが今日の地位を得ましたのも、閣下並びのそのお父君が、わが国の臣民を拉致するといういささか乱暴な、ぁ、失礼、勇気ある行為を実行なさいましたことに関し、私めが、その臣民たちを帰国させるというポーズを一貫してとり続けた結果でございます。この件につきましては、今後ともお世話になると存じますし、然るべき時期に、全員をお返しいただければ私の立場は盤石と存じますが、それは高望みと申すものでございましょう。

 今般、こうしてお手紙差し上げますのは、他でもありません。冒頭に申し述べました核実験の件でございます。もちろん、私めも、この国際情勢下におきましてはて、閣下を非難する一員たることを免れ難いのでありますが、しかし、その心底におきましては、密かに感謝の念をもつ者であること申し上げたく存ずる次第です。

 私めの就任に際しまして、わが国の一部臣民から、私めが右寄りで、嫌中・嫌韓ではないかという危惧が表明され、それが外交面でマイナスをもたらすことが懸念されておりました。そしてなおかつ、その中国や韓国からも幾分警戒の念をもたれていたことは閣下もご存知のことと存じます。
 私どもの身内の中からも、これらをもって、私の政権は来年の参議院選挙までだと賢しらに申す者もおります。まあ、これは私の後釜を狙う連中の主観的願望だろうと存じおりますが。
 
 もっともこれは過去におきまして、私めが、例えば、「私は祖父のDNAを継ぐ」とか、貴国への「先制攻撃」を口走るなど、幾分、軽率な発言を致した結果ではありますが・・。

 従いまして、私めは、就任後、「靖国」に関しては口をつぐみ、国会答弁におきましても、無難な役人どもの作文を朗読いたしますことで、私めの真意を悟られませぬよう心がけて参りました次第であります。
 そして今回の、訪中、訪韓はそうした就任後の、いわば一次試験の最終問題のようなものでございました。要するに、中・韓の首脳の前で、私の腹が探られ、試されるという事態が予想されたのでございます。

 閣下が、核実験を実施すると高らかに宣言されましたのは、そうした矢先でございました。そして、これにより、極東の情勢は一変いたしました。
 すぐる中国との首脳会談におきましても、もっぱらそれにどう処するかが議題となした。
 そして、私めが韓国に至りました折り、閣下はそのご英断を実行へと移されました。
 それにより、東アジアに関する私めの見解、あるいは歴史認識の問題などは完全に吹っ飛んだのでございます。

 要するに私めは、閣下のご英断を境に、対中国、対韓国という図式から免れ、「対貴国の核実験」という図式のうちで、するりと中国や韓国の側に回り込むことが出来たのであります。
 いってみればこれは、先に述べました私めに課せられました第一次試験の最後のハードルが幸いにも低くなり、無事クリアーできたことを意味いたします。

 閣下のご決断は、私めにとりまして、この上ないタイミングで順風として作用いたしたのであります。本当に私は幸せ者でございます。この地位に就けましたのも、また、その第一の関門を無事通過できましたのも、全て閣下のおかげといわねばなりません。
 あまつさえ、わが臣民どもを私の支配下に結束せしめ(おかげをもちまして、私めへの支持率は70~65%といわれます)、批判的な臣民どもをしばし沈黙させることに多大な効果がございました。

 この度の閣下の適切なるご決断に深く感謝いたしますとともに、今後とも、私めの地位が危うくなりましたような折りなど、またまたその蛮行、ぁ、失礼、そのご英断により、何ごとかを画策され、私めをお救いいただきますよう、伏してお願い申し上げる次第です。

 なお、末尾にあたり、二つほどお許しを頂きたいことがございます。

 ひとつは、国際世論に従い、今後、閣下並びに貴国に対し、様々な声明や制裁措置がなされ、不本意ながら、私めやわが国も、それに名を連ねるだろうと存じますが、しかしながらそれらは、世界の現状におきまして、私めが果たすべき不可避のものとして、なにとぞご寛大にご容認いただきたいと存じます。
 わが国の臣民どもが、貴国の松茸(例えそれが中国経由であれ)を喰らい、パチンコで身ぐるみはがされて闇金融の餌食になってまで、貴国経済をを支え続けてきたことを是非ともご想起下さい。

 いまひとつは、この書状を署名なく閣下のお手元にお届けする非礼に関してです。
 現今の情勢に鑑み、これを正式な外交文書として閣下に差し上げることの困難を、必ずやご理解いただけるものと信じております。
 しかしながら、閣下への私めの謝意は十分お伝えできたものと存じます。
 
 時節柄、閣下のご健勝をお祈り申し上げます。

               
         2006年10月吉日   閣下への変わらぬ愛を


<追伸>貴国労働党創立61周年を、心よりお祝い申し上げます。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする