ベルリン最終日を迎える前に、ちょっと寄り道をしてみたい。といいうのは、私はとても中途半端ながらいわゆる鉄ちゃんの端くれであることを自認しているからだ。鉄ちゃんにも、乗り鉄、撮り鉄 などいろいろあるが、私はどの面でも中途半端で人に披露できるようなうんちくもない。だからただ出会った鉄道関連についてこれはと思うことを話すこと、あるいはめたらやったら撮った写真を披露すること、そんな芸しかない。
今回のそれは、ベルリン中央駅をめぐる話とそこへと出入りする列車の写真だ。ただし、ベルリン中央駅は、ある種の特殊性を持っている。
ヨーロッパの大都市の駅と言えば、地図上で見るとまるでほうきや熊手のように 各地から集中する路線が広がっているものが多い。日本ではあまりない駅の形状であるが、強いて日本で似た形状の駅を探すなら東京の上野駅が関東各地、東北信越などの線を集めてそんな形状をしている。
ここに載せたのはパリ北駅の地図であるが(かつてロンドンのセントパンクラス駅からドーバー海峡をくぐってここへ着いたことがある)、ヨーロッパ大都市の駅は大抵こんな様相をしている。
で、ベルリン中央駅の特色はというと、こうしたほうき状の広がりを全くもっていないとうことである。では、各都市のそれのように多数の路線が入り込んではいないのかというとそんなことはない。私がよく利用した近郊線のほか、ドイツ各都市との路線、ヨーロッパ各地とのインターシティ路線など多くの線がここに集中している。
私がホテルから市の中心部へ出るためによく利用した近郊線は最上階であったが、その階の別のホームからは他国の都市への列車が発着していた。後日、私は この駅からライプツィヒへ向かうのだが、その列車は最も下の階からの発着であった。また逆にライプチヒからこのベルリン中央駅に戻り、ポーランドのワルシャワへ向かったときには、一番下の階へ到着した 列車から、エレベーターやエスカレーターを使い、最上階へ向かい、そこからワルシャワ行きに乗ったのであった。
この立体的な様相こそがベルリン中央駅を特徴づけるものである。なお地下鉄は 一番下の階からではなく、5層ほどに分かれた駅の中間位に位置していた。
列車の写真はとランダムに撮したものだが、特色といえば自転車専用車両があり、その関係か駅構内に自転車を数多く見かけたことである。
なお、黄色いトラムが写っているが、これらトラムは旧東地域に見られるもので、いわゆる西ベルリンでは見かけることはない。