六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

『魔笛』は素敵か? 期待と予習。

2006-06-30 16:29:01 | よしなしごと






  明日、7月1日、岐阜サラマンカホールで、モーツアルト晩年のオペラ『魔笛』の公演がある。苦労して手に入れたチケットだが、最前列の端と、あまり場所は良くない。

 レオシュ・スワロフスキー指揮、マルティン・オタヴァ演出、プラハ室内歌劇場管弦楽団、並びに、プラハ室内歌劇場合唱団によるものだ。

 この歌劇、イングマル・ベルイマンの映画や、TVなどでは数回観ているが、ライブでは初めてである。
 ストーリーもどこにどんなアリアがあるかもだいたい掌握しているし、公演に際しては字幕も出るとのことであるが、音楽に集中したいため、今一度予習をと思い、手元にあった、サー・コリン・デイヴィス指揮によるものを、海老沢敏対訳の台本を見ながら聴いてみた(この録音、面白くて、アリアの場面と語りの場面のキャストが異なっている)。

 貴族や上流階級向けではなく、庶民をも対象とし、従って、イタリア語ではなくドイツ語で書かれた台詞入りの歌劇(シングシュピール)の台本は、初演の折りにパパゲーノ役をも演じたシカネーダーによるものだが、対訳を観て驚いたのは、アリアの詩の部分も、そして台詞の部分も、ヨーロッパ詩の伝統にのっとり、ちゃんと脚韻を踏んでいるということである。

 ドイツ語に堪能な方からいえば、そんなこと当たり前だということであろうが、私にとっては新鮮な驚きであった。そう思って聴くと、脚韻を踏んだ歌は、それぞれ収まりが良いと思った。明日の本番でさらに確認してみよう。

 ところで、魔笛の内容であるが、様々な解釈が成立する。
 それは、この脚本が最初のモチーフから途中で変化しているからであるが、同時に、様々な対立軸ザラストロと夜の女王、タミーナとパミーナのカップルに、パパゲーノとパパゲーナのカップルなどのそれぞれの位置づけが絡んでくるからだ。

 一番大きな対立軸は、ザラストロと夜の女王にあるのかも知れないが、それを、その勝敗だけで観ると、単なる勧善懲悪に終わってしまう。
 また、タミーノとパパゲーノは、同じ陣営の差異であるかに思われがちだが、彼らの生に対する構えは明らかに異なる。それはまた、パミーナとパパゲーナという二人の女性のの違いでもあり、この二人の男性への関わり方は対極的ですらある。

 私としては、抹香臭い「道」を説いたり信じたりする側よりも、夜の女王やパパゲーノの奔放さと逸脱の方に魅力を感じる。
 ひょっとして、モーツアルトもそうではなかったかと思うのは、夜の女王やパパゲーノ(パパゲーナ)に当てられたアリアの方が、独創的で面白いからである。

 思いっきりそちらへ傾斜した演出を観たいと思うのだが、やはり無理であろうか。
 さて、明日の演奏は、そして演出はどうであろうか?楽しみである。

なお、写真はこれまでの公演のものから拾ったイメージですから、今回のものとは関係ありません。
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いとおしい(?)風景と六の時事川柳 06.6.25

2006-06-25 17:31:10 | 川柳日記






 
 取り立ててなんと言うこともない景観に、なぜかいとおしさを感じることがあります。
 それは、対象がことさらに珍しいとか、綺麗であるとか言うレベルとはちがったもので、時としては平凡きわまりないものですらあります。

 そこで感じるいとおしさとは、ある意味では、一期一会のようなものであったり、あるいは、既視感(デジャヴ)のようなものであったりします。
 言ってみれば、その景観との出会いは種々の偶然の重なりによって生じたものにすぎないのですが、それが私にとっては大いなる命運がもたらした必然のように思えてしまうのです。

 ここに掲げた写真も、どこにでもあるもので、私自身がこれらの特異性を語る術を持ち合わせてはいません。にもかかわらず、これらは私が出合うべくして出合ったもののように思えてしまうのです。
 その瞬間、私はこれらの景観のうちに(外部から眺めるものとしてではなく)あるのです。

 死期が近づいているのでしょうか?


<今週の川柳もどき>
 06.6.25
 
 卒論は米牛買うでまとめ上げ
 米牛の輸入がポチの総仕上げ
 買いますと言いに修学旅行です
  (小泉政権の末期)

 殺人という前線が停滞
 被害者と加害者ひとつ屋根の下
  (殺人、しかも家族間で)

 身びいきが終わりこれから本番
 決定力なさは民主にさも似たり
 総裁は去らず監督すぐ変わる
  (W杯)

 戦争を「恥ずかしながら」伝えます
  (横井庄一さんの記念館開館)

 ダーウィン竜宮城で待っている
  (1830年頃ダーウィンが
     連れてきた亀大往生)

 獲る前に盗られてしまうサクランボ
  (またもや・・)                                                
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ムクドリと<今週の川柳もどき> 06.6.18

2006-06-18 18:05:19 | 川柳日記
 
 

 この時期、あちこちで椋鳥の集団を見かけます。
 
 こうして草原や畑などで餌をついばんでいます。
 耕耘機などが田起こしをすると、その後に集団で群がりついて歩きます。起こされた土の中にいる虫を食べるのでしょう。ときにはその行列にカラスや雀も加わります。

 そういえばこの写真にも、左下に雀が一羽いますね。でも、仲間はずれのようです。

<今週の川柳もどき> 06.6.18
 
 総裁は拘置所に足向けられぬ
 低金利進める人の高金利
  (福井日銀総裁村上ファンドで大儲け)

 社保庁は手抜きお手盛り無駄遣い
  (今度は身内の未納隠し。早く解体を

 人命は計算にないプログラム
  (シンドラーのエレベータ)

 触れぬ局あってよさそなW杯
  (どこの局も!いささか食傷)

 健全な賭博をうたうカジノ法
  (自民、次国会提案とか)

 とんでもない福祉手話での詐欺話
  (東京の福祉機器販売会社)

 今日以外みんな母の日子供の日
 父の日はお情けのよう扱われ
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オバケ煙突と六の時事川柳 06.6.11

2006-06-11 16:55:20 | 川柳日記



 赤煉瓦造りの旧工場は、陶磁器やセラミックのミュージアムになっています。

 これがかつてのオバケ煙突の根本部分です。カメラの背後にもう一本あり、合計6本です。

 
名古屋にもかつてオバケ煙突がありました。旧日本陶器(現ノリタケカンパニー)のそれです。
 
 写真がその現状です。現在は十数メートルで切断されていますが、かつては50メートル近い高さを誇っていました。全部で6本なのですが、それが見る角度によって1本から6本まで何本かに見えました。
 
 その秘密は、おそらくこの煙突群が直線上にはあるものの、その間隔が一定ではなかったことによるものと思われます。そのせいで、少し角度が違うと、あるものがあるものを隠し、見える本数が変化したようです。
 
 ちょうど、岐阜方面から名古屋駅に到着するすぐ手前にあるため、学生時代から六はよくこれを眺め、降車の準備をしたものです。懐かしいものに再会しました。
 この日本陶器跡地は、今は「ノリタケの森」と称して、陶器に関するミュージアムになっています。

<今週の川柳もどき> 06.6.11

 一兆と四千億を食い尽くす
  (天下り先への年間の随意契約)

 バレにくい地球の裏へ棄民する
  (嘘で固めたドミニカへの移民)

 次期総理気取りで歩く歌舞伎町
  (安倍官房長官の視察)

 乗り降りに命を託す鉄の箱
 乗り降りは生命保険確かめて
  (シンドラーだけか?

 売りつけた後は野となれ山となれ
  (マイクロソフト98のサポート打ち切り)

 W杯尻目にtotoの大赤字
  (やはり天下りが巣くってる
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二つの検査と怪人!

2006-06-07 17:26:37 | よしなしごと
 ひとつにはわが肉体に関する検査である。
 
 岐阜市と岐阜大学が成人病(主として糖尿病)のデータを取るための無作為抽出の対象となったのだ。
 無作為抽出などといっているが、本当は、わが高貴な肉体美をサンプルとして必要としたに違いないのだ。それに、無償で検査をしてくれるというのが魅力なので、出かけた。

 結果の詳細は一週間後であるが、美人の検査医が、「やはり数値が高いようですよ」と耳元でささやいてくれた。同じささやくのなら、もっと他の言葉が聞きたいものだ。

 帰りに車を車検に出した。これが二つ目の検査である。

 2、3日、車のない生活もいいだろうと思って(本当はそれで2,000円が助かるのだ)代車を断り、徒歩で帰った。

 久しぶりに通る道なのだが、私が出た中学校があるところなので懐かしい一帯なのだ。かつて、振動、いや新道(ちがうって、ATOKよ、なぜ素直に出さない!)ではなくて神童(フ~ッ、やっと出た)といわれ、女生徒のあこがれの的であった頃の甘美な回想に浸りながら歩いていると、いきなり怪人に出くわした。

 写真がそれであるが、長年この世に棲息しているが、このようなものには出くわしたことがない。
 正直言って、ここにこうして書いていてもなんだかさっぱり分からない。

 下腹部にある操作盤のようなところの下方には「SLAM MAN」と書いてある。辞書で調べると「slam」とは、「ぴしゃり」とか」「どたん」の意味らしい。
 全体像の左下の突き出た部分からは、なにやら液体を注入するような具合なのだ。

 どうやら、どこかに設置してあったものを今は案山子代わりに使っているようだが、雀よりも私が驚いている始末だ。

 世の中にはつまらないことを知ってる、ぁ、失礼、いろんなことを知ってる人がいるはずだから、これが何なのか知ってる人がいたら是非教えてほしい。

 いきなり出くわしてびっくりしたが、よく見ると埴輪のようで、でどこか哀愁を感じさせるではないか。

 ≪追記≫車検で車の鍵を渡す時に、家の鍵をつけたまま渡してしまって、自分の家に入ることができなかった。幸い、程なくして家人が戻ってきたので、やっと入ることが出来た。
 些細なことにこだわらない私のおおらかな性格が現れた微笑ましいエピソードである。(なぜか人は、それをボケというが・・。)





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子供の水遊びと六の時事川柳

2006-06-04 13:44:52 | 川柳日記



  写真は、岐阜県立図書館とその中庭の浅い池で遊ぶ子供です。

 子供「こんな良い陽気なのに、どうしてみんなうちんなかでむっつりしているの?」
 彫像「大きくなるとね、いろんなことがあるんだよ」
 子供「ふ~ん、じゃあ僕、大きくなるのをや~めたっと」


<今週の川柳もどき> 06.6.04

 出る杭は打たれ捕らわるヒルズ族
  (旧資本の総反撃か)

 法案は鵜飼のように扱われ
  (丸呑み、吐き出し)

 院政を気取ってはしゃぐ前総理
  (森前総理のみ目立って・・)

 通知表が決めつけている非国民
  (既に愛国心項目導入の学校も)

 盗作はしておりませんコピーです
  (盗作よりよく似ている)

 ステテコの方が涼しいクールビズ
  (かつての植木等のスタイル)
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