六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

私の争奪をめぐる朝の闘争 布団vs外部

2023-01-31 11:28:13 | よしなしごと
 ここしばらくの毎朝、わが家では、他ならぬこの私の争奪をめぐって激しい闘いが展開されている。私を奪い合うこの闘争の当事者たちというのは、布団とその外部である。
 目覚ましが鳴るやいなや、それがゴングであったかのようにその闘争は開始される。
 
 まず、外部が闘いの火蓋を切る。外部は私に告げる。
「オイ、早く布団から出ろ! ただださえもう遅いのに、まだ布団のなかに居つづけるなんて許されない。」
 布団が反論する。
「誰が許さないんだ。この男は、昨夜からず~っと俺が温め、必要な睡眠時間を快適に過ごさせてやって来たのだ」

       
 
外部「それをもう切り上げるときだと言ってるんだ。世間では、もう多くの人達が働いている時間だ」
布団「世間がなんだっていうんだ。どうせ、もうこの男は働いたりはしない。この歳で肉体を酷使するより、俺のなかで快楽をむさぼっていたほうがいいのだ。なあ、そうだろうお前」

 急に振られて私は戸惑う。確かに、ここから抜け出して寒気にさらされながら世間とやらに交わるのは億劫だし、このまま留まることのほうが快適なのは間違いない。
 が、一方、このまま留まることへの罪悪感のようなものもある。布団のなかに留まるという単純な快楽に身を任せてしまってもいいのだろうか。

       

外部「そのまま布団にとどまりたいというのはこの厳しい寒さのなか、わからぬでもない。しかし、お前にはそうした単純な快楽の他にも、まだまだ、さまざまな欲求があるはずだ。食欲、情報に接したいという欲求、何らかの仕方で自己表出をしたいという欲求。それらを通じた他者からの承認を得たいという欲求・・・・」

布団「くだらぬまやかしに乗ってはいけない。〈他者からの承認〉?冗談じゃない。そのためにお前はどれだけ自分を誤魔化してきたのかを考えてみろ。それはお前をお前ではなくする。そんなモノに耳を貸すことなく、その折々の自分の欲求に忠実であることがお前がお前であるということだ。今のお前の欲求は何だ。このまま温かいままで居たいということだろう。だったらそれに忠実に従うことこそがお前がお前であることだ」

外部「寝たっきりでいることが〈お前がお前であること〉だって。笑わせるんじゃないよ。起きて他者と接触し、それと向き合うことによってはじめて〈お前〉があるんだよ。今のお前は、その暖かさから離れがたく、そこから起き出すことが面倒なだけの怠惰に支配されているだけだろう。さあ、四の五のいってないで早く起きるんだ」

         

 私はやはり起きることとする。布団から出るのは辛い。ましてや着替えのために薄着になることは辛い。でも仕方がない。今日、しようとしていることを念頭に浮かべながら着替える。
 布団は慌てて、そんな私を非難する。

布団「この裏切り者! お前が暖かくその必要な睡眠を確保できたのは誰のおかげなんだ。なんでそれを振り切ってまで世間とやらに迎合するのだ。この恩知らず!」
自分「ごめん、許せ。私もお前のなかでぬくぬくして居たい。でもそうはいかぬのだ。食事の支度や洗濯、などなど、日常生活維持のための行為はお前のなかに居たままでは出来ないのだよ」

 でも布団は、まだブツブツいって私を責め立てる。外部の方は、もうここまで来たら私が布団に戻ることがないのを知って、ただ布団の方を冷ややかに見やるのみだ。

 ところで、布団から抜け出て世間とやらに交わる私は本当に〈お前〉、つまり〈私〉になったのだろうか。それ自身、世間体を気にしたたんなる惰性に過ぎないのではないだろうか。
 いずれにしても、今夜、私はまた布団へと戻るであろう。そして翌朝、またあのバトルが繰り返されるであろう。とくに、これだけ寒い朝が続く限り、私はその争奪戦のなかで翻弄されざるをえないのだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【今日の昼食 五目うどん】

2023-01-30 16:01:45 | 写真とおしゃべり

 具は揚げ、白菜、ねぎ、舞茸、生わかめ。ひと手間は揚げを予め別途煮たこと。出汁が濁ったり油が浮くのを避けるため。出汁は関西風白出汁。暖かくて美味しかった。

 発想は冷蔵庫の残り物の活用。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めて読んだムスリムについての小説『帰りたい』カミーラ・シャムジー

2023-01-28 13:37:15 | フォトエッセイ
 ムスリムに関する小説で、私には初体験になる。
 作家、カミーラ・シャムジーはパキスタン出身でアメリカの大学で学び、2013年にイギリスの国籍を取得した女性で、この小説にも彼女自身のパキスタン系のイギリス人としての体験が盛り込まれている。ただし、彼女自体がムスリム(イスラム教徒)であるかどうかはわからないが、その出自からみて、ムスリムへの理解やシンパシーをもっていることは確実だろう。

          

 物語は、作者と同じように、パキスタンからイギリスに渡ったムスリム二家族の話に集約される。
 そのうちの一家で登場するのは3人姉弟。その父は一家を顧みず、ジハードの戦士として駆け巡り、アメリカ軍によって捕獲された後、拷問を伴う取り調べを受け、グアンタナモ米軍基地へ連行される過程で亡くなったとされるが、その死の真相は明らかではない。
 その後、その一家の母が病死したため、年の離れた姉が双子の妹と弟を養育し、その任を果たしたところでこの小説は始まる。

 この一家と対象的だが、やはりパキスタン出身のイスラム一家が登場する。
 こちらの方はいわばイスラム穏健派の英国体制維持派で、それが受け入れられたのか政治家として出世し、今や内務大臣となってる。この一家の、つまり内務大臣の息子が、先に見た三人姉弟と関わるところで2つの家族は交わり、話は進む。

 ムスリムは、何かにつけて監視の対象となる。ましてやジハード戦士の父を持つ三姉弟には厳しいものがある。しかし、そんななか、末の弟がISの一本釣りの対象になり、姉たちに嘘を付き、ISの基地のある場所へと出国する。

      
 
 先回りして結論を言ってしまうと、この末の弟は、IS の残虐さがそこへオルグされた折の美しい未来社会とは全くちがうものだ気付き、そこから脱出しようとする。
 『帰りたい』という書名は、そこから付けられたものだろうが、同時に、登場人物たちが自分の着地点をしかと見通せないままに希求してやまないことをも暗示しているのではないだろうか。

 弟の挙動を巡って一挙に物語は緊迫する。そして、そのラストシーンは、既にみたパキスタン出身のイギリス人二家族を巻き込んだ壮絶なものとなる。しかしそれは、つくられた壮絶さというより、こんにちのイスラム社会、そしてそれを取り巻く世界の状況のなかでは当然あり得るものとして私たちの前に投げ出されてある。

 そこには、大した信仰心もなく生活習慣としてのみ神仏を崇める私たちの曖昧さと違って、モラルや生活の規律を隈取るムスリムと、それに対する監視や管理が高度化した社会の排外性との厳しい相克が現存する世界がある。
 また、ムスリムのなかにもさまざまな多様性があり、それがムスリム対非ムスリムに加えて、もうひとつの葛藤が重ねられることとなり、事態を一層複雑にしていることが示される。

 世界は、私たちが日常的に勝手に了解しているほど明瞭ではなく、複雑かつ頑固に不明瞭な闇の存在によって彩られていることを改めて知る思いでこれを読み終えた。

 物語の叙述は、主な登場人物五人の語りで展開し、各人の叙述の進展によってさままざまなパーツとしての事実が次第に明らかになり、ラストシーンがその帰結となる。

 

 カミーラ・シャムジー『帰りたい』訳:金原瑞人・安納玲奈  白水社

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

極寒の中の涙のエアコン騒動記 

2023-01-27 16:43:26 | よしなしごと

 10年ぶりの大寒波が叫ばれた24日の午後20時頃から、居間&ダイニングキッチン共用のエアコンがまったく効かなくなった。本体も室外機も動いてはいるが、マイナス何度かの空気が送られてくるのみ。

 これは寒さに弱い私を凍死させようとする筋からの陰謀にほかならない。ディーラーを通じて依頼したメーカーからの修理は、27日とのこと。3日間、外界とほぼ変わらぬ室温のなかで耐え抜かなければ・・・・。マイナス40度の極寒のシベリアで生き抜いた亡父を思う。父よ!わが耐寒力になにとぞ加護を! う〜っ、ブルブルッ・・・・

                                       

 というわけで、4日目の27日、4日目にしてやっとメーカーの修理人登場。しばらくいじっていたら温風が。えっ、なんで、これじゃボケ老人が壊れてもいないのに、やたら騒ぎ立てたみたいじゃない。この何日間、寒さに耐えてきたのは何だったの?

 「ハイ、では伝票を書きますから」修理人が言ってる間に、暖風が寒風に転じる。

 で、改めて再点検。コンプレッサーの作動不全とのこと。部品の取り寄せなどで最短で日曜日(29日)とのこと。かくて、極寒の日はまだ続く。嗚呼!

 ♪  が〜ま〜んだ 待って〜ろ 嵐が過ぎりゃ〜
  帰〜る 日〜も来〜る 春〜が来〜る
                  (「異国の丘」より)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

木曽川渡し場遊歩道(かぐや姫の散歩道)へ行く

2023-01-25 01:47:19 | 旅行

 もう二週間ほど前になる雨の日、近所のサークルの人たちと一緒に岐阜県は可児市の木曽川沿いにある「木曽川渡し場遊歩道」、別名、「かぐや姫の散歩道」へ行った。
 渡し場遊歩道というのは、かつて、この近くに木曽川の両岸を結ぶ渡し船の発着場があったからだ。別名のかぐや姫云々は、鬱蒼としていた竹林を地元の人たちが整備し、快適な遊歩道にしたことによる。

 あいにくの雨とあって、私たちの他には歩く人はいなかったが、600メートル続く竹林と、そこを行き交う小路は、川霧に煙る木曽川と相まって、なかなかの風情を醸し出していた。

 なお、途中の一群の竹に、120年に一回といわれる、竹の花を見かけた。ただしこの様子からみるに、昨年咲いたものの残滓と思われる。
 竹の花は、最後から4枚めと3枚め。最後の2枚は、遊歩道近くで見かけた宿り木。

 なお、このあと、国宝犬山城とその城下町へ行くのだが、それはまた次の機会に。
 もっと詳しくいろいろ述べたいのだが、まだ忙しいのが続いているので、写真を羅列するに留める。いろいろ想像しながらご覧いただきたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7メートルの赤鬼出現! 玉性院の節分の前触れ

2023-01-23 17:23:52 | よしなしごと
 22日、名古屋へ出るため岐阜駅へゆくバスの窓から、巨大な赤鬼を目撃し、写真に収めた。バスの窓越しだからうまくは撮れなかった。

 高さは7メートルという。もちろん初めてではないが、ここ2,3年、見かけなかっただけに懐かしく思った。

           

 この赤鬼は、私が子供の頃育った加納の家から10分ぐらいのところにある玉性院というお寺が、2月3日に行う節分吊り込み祭りをPRするためのもので、毎年、2箇所に建てられる。
 この吊り込み祭り、鬼に扮した厄男を御輿に乗せて担ぎ、寺院へ繰り込む祭りで、毎年、岐阜の節分の風物詩となっている。
 
 それがここんところのコロナ禍で中止されていたせいで、3年ぶりぐらいのご対面となったわけだ。その懐かしさと、子供の頃の想い出とがオーバーラップして一層親しみを感じた次第。

           
 
 なお、鬼と一緒に南税務署の看板が見えるが、これは確定申告が来月に始まるといったこととは関係ない。実際に、この近くに南税務署があるため。
 2枚めの写真の後ろの茶色い建物がそれ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蝋梅の香

2023-01-21 02:03:55 | 写真とおしゃべり

 郵便物を出しにポストまで。
 ここ2,3日、まったく歩いていないことに考慮し、帰途はいくぶん遠回りして散歩の真似事。
 かつてよく来た道端で、びっしり花をつけた蝋梅を発見。ここにこんなのがあるなんて。この季節には通りかかったことがなかったのだろう。
 スマホで撮影。
 近くに寄ると、マスク越しにもかかわらず、その馥郁たる香りが鼻孔を攻めることしきり。
 春の先駆けといったところだが、予報に依ると今週末と来週は大寒波が襲来とのこと。
 今月、あと2回の名古屋詣でともろにぶつかるようだ。
 寒いのは嫌だなぁ。

         

      

         

         

         

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

沈黙のなかでこそ耐えられる哀しみ 小説『アイダホ』を読む

2023-01-20 02:44:54 | 書評

 注意深く読み進めないと、作者が(そして登場人物が)慎重に隠しおおせようとした真相がみえてこない。この小説についての他の人たちの感想を参照してみたが、そこを読み取った上でのものは意外と少ないようだ。
 にもかかわらず、肯定的な評価が多いのは、そうした「真相」にたどり着けないまでも、そこに描かれた状況の美しさ、趣の深さ、表現の鋭さ、などなどがそれ自体で読ませる豊かさをもっているからだろう。

       

 350ページの長編で、登場人物もまあまあの数だが、物語は二人の女性が交互に登場する基本構造でもって進む。
 その一人は、アイダホ北部の山地で、夫との間に二人の娘をもっていたのだが、下の娘を斧の一撃で殺害した「として」逮捕され(その際、長女はその場から逃がれ、行方不明になっている)、裁判にかけられたのだが、いっさいの自己弁護をすることなく、ひたすら有罪を認めて服役を望み、実際に服役中の女性である。だから、彼女の登場するシーンはこの刑務所の中と、そこでの回想シーンが主となる。

 もう一人は、その犯人とされた女性の夫(事件後離婚)が再婚した女性で、その事件が起こった山中で暮らし、その場所を肌で感じながら、夫の記憶の中からその事件の真相を紡ぎ出そうとする。
 
 ようするに、一人はその事件の真相を過去に葬り、ひたすら自分の罪として引き受けようとするのに対し、もうひとりはその事実を突き止めようとしているわけだ。

 となれば夫たる男性がその鍵を握っているのだが、彼は遺伝的な若年性認知症と事件の衝撃とで、すっかり記憶を失い、自分が過去、誰かと結婚をしていた事実も、二人の女の子の父であったことも記憶してはいない。

 しかし、彼の後妻となった女性は、いろいろな事象を組み合わせるなかで、どうやら事件の真相にたどり着いたようなのだ。

 この夫も亡くなり、事件から30年後、二人の女性は出会うことになる。というか、真相を推察した女性が、出所した女性を心からのいたわりを込め、そしてその後の生活をも保証するように万端の準備をして出迎えるのだ。
 それはまさに感動的なのだが、その前に、この事件の真相にたどり着いていなければその感動はかなり薄いものに終わるであろう。

 二人の、さほど饒舌ではないラストのシーンは、二人が「それを」語らないままに、しかも「それを」共有しているという思いが込められていて、そのこと自体が感動的である。

 しかし、何度もいうようだが、その感動の内容は事件の真相を知った、ないしは推測したものにより深く許されたものである。

 はじめに書いたように、事件の真相はよほど注意深く読み進めないとわからないだろう。筆者は決して明示的にそれを書いてはいないのだから。
 ただ、ヒントとしては、思わぬ怪我で片足を失うエリオットという少年、思春期に差し掛かった姉と妹とのちょっと屈折した関係、その辺にあることは書いておこう。

 この小説の魅力は、明示的に書かれないこと、登場人物も饒舌に語らないこと、そうでありながら読者に静かな推理や連想をうながし、そこへ到達したものを深い感動へと導くところにある。

 作者はアイダホ北部で育ったエミリー・ラスコヴィッチで、この小説は彼女の最初の長編小説だという。そして2019年、英語で刊行された小説を対象とした最大級の国際文学賞、国際ダブリン文学賞を受賞している。

 なお、書名の『アイダホ』が示すように、そこに登場する人物なども含めて、なんとなく土地の匂いが満ちているようで、それは作者自身が育った土地の反映でもあるようだ。

 
 『アイダホ』 エミリー・ラスコヴィッチ  訳:小竹由美子  白水社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私に出来ることはなかったのか?今年四っ目の訃報に際し。

2023-01-17 17:54:09 | ひとを弔う

 今年四っ目の訃報、私の二周りほど下の六〇になったばかりの女性・・・・しかもどうやら・・・・。
 ネット上のみの知り合い女性、だが、付き合いは二〇年以上で、その私生活もかなり知っていた仲だ。

 予兆はあった。昨年はとても危険な状況で、メッセや手紙で必死に説き伏せ、一時は回復した模様なので安心していたのだが、やはり、そうした事態にはド素人の私、その力の限界を知らされてとても打ちのめされている。

 なにか、私がすべきこと、出来ることがあったのだろうか?一人息子と連れ合いとの生活、その連れ合いも彼女の危機をよく知っていたはずで、しかも専門医にかかっているということで、私の出る幕ではないと思っていた。住まいも遠方なのでおいそれと逢うわけにもゆかなかった。

 なんか虚しい。
 ネット上のコミュニティでは、「モーツァルト」「鶴見俊輔」「ハンナ・アーレント」などが共通で、よく勉強していた人だった。
 私の方からの同人誌も送っていて、とても適切な感想などもくれた。
 それなのに・・・・。

 ネット上での書き込みなども、彼女自身が自らほとんど消していしまっているが、私と遣り取りをしたメッセが残っているので、差し障りのない範囲でそれを載せておく。
 いずれも昨年のもの。

    

彼女しばらく一か月以上も不明熱が出て、コロナでもなく風邪でもなく、毎日発熱していたので、雑誌をお送りくださったお礼が遅くなりました。ありがとうございました。〈略〉お身体ご自愛ください。

ご様子が良くないとのこと、お見舞い申し上げます。
 原因不明の発熱とか、別の病院のセカンドオピニオンもお聞きになり、適切な治療法が明らかになり、早く全快されることを祈ります。
 〈略〉
 〇〇さん あなたが息子さんをいかにいつくしんでお育てになったかの経過はよく存じています。一時的に離反しても、また何かの機会に復縁します。絶望することなどありません!
 
 (この間、どうも危険だと思って手紙や葉書を送っている)

彼女お葉書いただいて、感動しました。よく理解してくださっているので、気持ちが安定しました。薬50錠飲んでホテルをとって死ぬ予定だったのに、バカなことにまったく眠たく成らない薬で、福島に帰省していた夫が警察に捜索願を出したので、警察がホテルまで来て大騒ぎになりました。息子のことを考えるとまだ死にたくなるので、なるべく子離れしようとおもっていますが、大切に大切に育てた子ことをそんなにすぐに忘れられません。息子のことをなるべく考えないようにしています。衝動的に死のうとしたのは、鬱が重いからです。来週医者に行くので、相談してきます。本当にご親切にお気遣いいただいて、ありがとうございました。

ふーっ、驚きました。でも大禍なくてよかったです。
 いいですか、あなたは息子さんとの関係だけで生きているわけではありませんよ。あなたの周辺の様々な方との関係、お連れ合いやその他の縁者の方、友人、それらの方々はあなたを支えるとともにあなたに支えられてもいるのです。
 私についていえば、あなたは古き良き今池の思い出の共有者、私のお送りする同人誌の長年にわたる良き読者として私のなかに生きていらっしゃいます。
 SNSでも、いまはそれ自体が衰退傾向ですが、私の他のご友人が心配して書き込んでいらっしゃいました。
 あなたと息子さんとのご関係が、いまあまり良くない状態に陥ったという事実を無視するわけではありません。あなたの悲しみもある程度わかります。
 ただし、あなたが生きていらっしゃるのはそこだけではありません。時間的にも、空間的にも、もっとゆったりした視野でお考えになり、それはそれで限定された事態であり、あなたの全人生を決定するものではないことを肝に銘じてください。
 人の一生、見通すことなど不可能ですが、いつかそれらの事共が笑い話に転じることだってありうるのです。
 息子さんの件、強いて忘れる必要もないと思います。それを気遣いながらも、それを気遣っている自分が息子さんとは独立して存在していて、ご自分の固有の生活をお送りになるということでいいのではと思います。
 いずれにしても、来週、専門の医師とお会いになるとのこと、ご自分の状況をうまくお伝えになり、医師のアドヴァイスを引き出すようにしてください。もし、そのアドヴァイスと、私がここに書いたこととが矛盾するようでしたら、躊躇なく、私の方をお忘れください。
 私がして差し上げることができるのは、こうして言葉を交わすぐらいです。それでお慰みになるようでしたら、メールでもなんでもください。

(これについてはメールで返事が来たが、それはまあ、安心できるものだった)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

忙しいので身辺雑記でまたもやスルー。

2023-01-15 17:32:40 | よしなしごと

 今年の一月は例年になく何やかやとすべきことが出てきてまとまったものを書く余裕がない。身辺雑記のようなことばかりでこれではダメだとは思っているのだが・・・・。早く去れ! むやみに多忙な一月よ!

 

 ということで今回は漬物の話。漬物は食の常備予備軍として切らさないようにしている。

 正月前に漬けた白菜漬けと赤カブの漬物、それに聖護院大根の千枚漬けを食べきったので、あとの二つをまた漬けた。
 千枚漬けはすぐ食べられるが赤カブは二,三日あとからだ。やがて全体が真っ赤になる。
 
 後ろにあるのは、聖護院大根の皮を千切りにして塩もみにし、柚子と鷹の爪をあしらった即席漬物。この即席漬物、パリッとした歯ざわりと大根特有のややピリッとした味わいでけっこういける。
 
 これは普通の大根をおでんなどのために皮を剥いた際にも、必ず作るようにしている。こんなにうまくなるものを捨てるのはもったいない。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする