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今日はなにいろ?

しっかりと目に焼き付けて

2011-06-14 09:42:42 | 震災
テレビのコメンテーターが「政治家は(忙しくて被災地に行けないなら)テレビでこれだけ悲惨な現地の様子を報道しているんだからそれを見ればいい、テレビを見なさい」と言っていた。

私もテレビの映像やらネットや雑誌で人に負けないくらい見た、といえるくらい見ていた。
が、今、現地を見ておくべきだと言う人がいて、その人と一緒に津波の被害に遭った相馬へ行って来た。

被災地にはボランティアの人もたくさん来ているが、中には野次馬もいてブログやらツイッターでその報告をしている、と言う記事を目にして心無いなあと思っていた。今自分がしていることは野次馬以外の何者でもないなあと心苦しい。

が、相馬には数多くの思い出がある。海水浴、潮干狩り、釣りに海産物のみやげ物や、食べ物や。子供の頃から何度も通った土地だ。
その土地がどうなったか知っておきたいと震災直後から強く思っていた。

街中はいつもと変わりない。私が住んでいる町より平然としている、と言っていいくらい。「頑張ろう、福島」ののぼりもない。崩れ落ちた建物もそれほどない。

が…。

中心地を少し離れた所に入ったとき、異様な風景に息が詰まった。
まだ海岸線も見えない農地に巨大な船が乗り上げているのだ。津波がここまで押し寄せましたよ、と言う線引きがまるでしてあるかのように、くっきりと津波の跡が残っているのだ。

鳥肌が立った。
胸が詰まった。
あの日、みんなどんな思いで海を見たのだろう。

海はまるで何もなかったように静かだった。
が、かなり潮位が高い(と言うより、地面がしずんだんだろう)水面と陸地が同じ位置。台風が来たり大潮になったらどうなるんだろう。

いつも海産物を買っていた店の骨組みだけが残っていた。
柱時計は津波が押し寄せた時で止まったのか3時半過ぎを示していた。

もしあれば海産物とか地物の土産を買いたいと思っていたのだが、被害に遭った建物の片づけをしている人が数人いるだけ。考えたらそんな余力があるはずもない。「頑張ろう、福島」ののぼりを立てる余裕もないんだろう。

テトラポットや海岸に置いておくコンクリートの塊が信じられない場所にあった。波の力の恐ろしさを知った。

テレビ、新聞、雑誌、ネット。数多くの悲惨な写真を目にして来た。
が、現実にそれを見たときの衝撃はそれの比ではない。
しっかりと目に焼き付けてきた。私たちがしなければいけないこと、改めて思いを強く持った。

野次馬行為ととられるかもしれない。
が、もし余裕がある人は実際目にしておくべき、と私は思う。
ボランティアが出来ないなら、地元のものを購入するとか、地元近辺に宿泊するとか、食事をするとか、何かしらお金を使えば地元の復興にも繋がると思う。




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