ランドセルのCMって、どんな層向けに発信されるものでしょう。
当然、もうすぐピッカピカの一年生、来年お入学、ぐらいの可愛い盛りのお子さんを持つお母さんお父さん、あるいはお孫さんの成長が楽しみで息子(娘)夫婦に隙あらば援助したいお祖母ちゃんお祖父ちゃんが主力。
もしくは、いままさに幼稚園のガキ…じゃなかったお子さま自身に訴求して、「ママ~あのランドセル買ってー」と言わせ、「い、一年生になったらね」「いちねんせい、いつー?」「ら、来年の4月ね」「らいねんのしがつー?やくそくだよー」「や、約束ね(汗)」と持って行く狙いのもあるかもしれない。
「天使のはね、あつまれーっ!」
「♪ラランラン ランドセルは ててんてん天使のはね~」
「せなかーにぴったりラランラン ててんてん天使のはね」
たいそうのひろみちお兄さんが4人の子役ダンサーを従えておゆうぎ風に唄い踊るセイバンのCMも、土日朝のアニメ特撮タイムや平日の昼ドラタイムにオンエアされている分には、たぶん両方狙いなのだろうと思っていました。
しかし、先日『わるいやつら』(金21:00~)の録画を再生したら、開始33分過ぎ、米倉涼子さん扮する仕事一筋の看護師・豊美が、金持ち女をひそかに次々誑しては貢がせている悪徳上川隆也院長の甘言に騙されて温泉へお泊りデート、そこへ女房気取りの愛人・料亭女将余貴美子さんが乗り込んできて男の本性を知らされ呆れてひとり帰京、プレゼントされたドレスも窓から捨て、でも仕事場に戻ると何事もなかったように淡々と手術の助手をこなす豊美、院長との間に流れる険しーい空気…という場面の直後に、いきなり来ました「天使のはね あつまれーっ」「♪ラランラン ランドセルは…」
この前に、上川院長が患者の妻とホテルで不倫ワッセワッセ、事後バスローブ着てスクワット、なんてシーンもあり。
どう考えたって、就学前の子供はもう寝かせてなきゃならない時間、見せちゃいけないジャンルの番組なんですけど。
最初から“お母さんお父さん年齢以上”向け専用だった?それにしては、画面のトーン、「ラランラン~」の曲調、振り付け、ナレーションがことごとく幼児っぽいんですよね。“学齢前の子供を持つ親世代”のセンスや嗜好、知的レベルを、ずいぶん幼いところに想定してないか。「ててんてん」ですよ。
大人なのに自分の感情をコントロールできない、公徳心も恥も知らない幼児的な親が増えてきたからこれくらい幼稚でちょうどいいってことなのか。
さらに、そういうセンスのCMを『わるいやつら』の、まさにわるく、ヤらしくなってきた最中にサクッと挿入するセンスがますますわからない。
このタイミングでこのCM見て「なんだ米倉の白昼露天風呂シーンは無しかツマラン(「♪ラランラン…」)そう言えば、ウチの子来年小学校だなランドセル買ってやらなきゃな」と思うお父さんや、「隆也さんいい胸板してたわダンナとは大違い、あんなオトコとわるいことするチャンスないものかしら(「♪ラランラン…」)そうそう、娘にランドセル買ってあげなきゃ、家計苦しいから実家の親からせびろうかな」などと思いめぐらすお母さんが多いに違いない、と広告代理店は読んでるんでしょうか。
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