イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

苺もバラ科

2007-01-23 17:52:58 | テレビ番組

『わるいやつら』第1話を録画視聴。冒頭から米倉涼子さんの腹上馬乗り心臓マッサージ、上川隆也さんの呼気顔面フゥ~、小島聖さん男の車に乗り込むなり貪るようにズボン前開放…と、客の生理的感覚にズンズン来るポイント満載。

月河は米倉さんの“クチに苺詰め込まれ顔”で、次回からも見ようと決めました。詰められた瞬間、苺の赤色以外全面モノクロに。もろ95年の『沙粧妙子・最後の事件』での薔薇詰め死体を思い出させます。インパクトありすぎなこのカット、先々への伏線でしょうか。

米倉涼子さん、今作は『黒革』『けもの』のヒロインのような“野心剥きムキ”ではなく、仕事はまじめだけれども恋愛には低体温、どこか他人に心を閉ざして生きている女が、色悪の院長に「しょうがないなぁ、この人」ノリで次第に嵌まって行くという、言わば“巻き込まれ型”悪女な点がなかなか新鮮です。他に幾らでも人生の選択肢ありそうな若いきれいな女性が、重労働や汚れ作業を、表に感情を出さず愚痴もこぼさず、てきぱき淡々とこなしている姿には、別にウラはなくても、一抹の殺気が漂うもの。「一生続けられる仕事と思って看護師を選んだ」というナレーションがありましたが、画面上で語られない過去の人生で、豊美には“一生続けられる仕事=報われない仕事”という悟りがあるのかもしれない。こういう“悪ではない暗部”をどう演じるか、向上著しい米倉さんも真価が問われるところです。

冒頭、急患搬入で戸谷院長を呼びに走った豊美が自宅玄関のガラスを掌でバンバン→中から戸谷の掌がバン!とか、戸谷(←情事明け)の車の窓越しのやりとりから「朝飯まだだろ、付き合ってくれないかなぁ」「眠くて倒れそうです」「あっそ、悪かったね、おやすみ」→閉めかかったウインドウを豊美の手がグッ!あるいは悪友・下見沢弁護士と戸谷の断層撮影室での会話など、ガラスを使って人物の心理的綱引きを表現する演出センスも小憎い。

上川さんが外科医姿でやる気無さそうに手術台に向かっているシーンでは、「…お久しぶりですね」と財前教授の亡霊が現われたらどうする!とか、朝市で魚食って「先生(お腹の)調子最近いいんですか?」の後は「ラクトミン」じゃなくて“キャ”の付くアレだろ!など、サービス過剰かと思うくらいわかりやすいツッコミどころもたっぷり。正月早々には一生信長でいいと思えた上川さん、エロエロむんむんではない、ゆるーく自堕落な、母性本能くすぐりタイプの女たらしも実にうまい。他の女たちと違って、豊美は金づるにはなり得ないだけに、彼女への関心が“悪事の幇助と隠蔽に利用するだけ”なのか、それとも…という展開になってくるとしたら、ますます楽しみです。

ただ今作、清張シリーズの過去2作とは違って、「ワルだけど敵がもっと巨悪だから、ヒロイン頑張れ、捕まるな」と視聴者が自然と思えるようなお話ではないのが若干心配。それにもう夜の街の話でも、日本海でもないのに画面が確信犯的に暗いのなんの。『けもの』の鬼頭寝床シーンで味をしめたのか、天井から俯瞰のショットも多用しすぎな気がします。

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アンナさんの接吻

2007-01-22 18:05:58 | パワーストーン

石にも、出す波長自体に波があって、好きな石、店頭で手に取って気に入った石、ピンと来るもののあった石ばかりを集めていても、「いますぐあの石に触れたい」と強烈に思う品種が、その時の自分の体調や気分によって違ったりします。

一応、なるべく品種ごとに、特に角のある石と丸い石、硬い石と柔らかい石を一緒にしないように収納はしていますが、“求める”頻度の高い石とそうでもない石は自然と分かれ、気がつくと、「あぁそうだ、こんな石もあった」と、何ヶ月も、存在自体を忘れている石もあります。

「忘れててごめんね」と久しぶりに持ってみると、明らかに休養十分、充電されてパワーアップしていることもあり…と思うのは錯覚で、要するに、改めて新鮮に見えるというだけでしょう。

そんな中で、この5年ほどの間、ほぼ切れ目なくお世話になっている、有体に言えば“いつ見ても飽きない”石のひとつが、ベゼアンナ

ベ・ゼ・アン・ナ。ベゼって、baiser(仏)か?これ、2007年1月現在、パワーストーンのいろんなサイトを渉猟しても出てこないんです。市内に、購入したお店もまだあるのですが、もう扱ってない様子。

不透明、淡い灰紫色で、紋様はなくほぼ均一な色合い。先日購入したムーカイトが“キャラメル入りチョコ”としたら、こちらは“ミルキーグレープ”、お味は“酸っぱミント”というイメージ(あ、実際舐めてみたわけではありませんよ)。研磨してなめらか、ジャスパー系の石のようにも見えますが、手で持つと小さなタンブルのわりにかなりずっしり感があります。

購入時のお店のポップによれば“意欲を呼び覚まし目標を達成させる”と、大人しげなルックスに似合わない、“アッパー系”のパワーストーンらしい。

パワー云々より、当時は紫色の石に自然と眼が吸い寄せられていた時期で、無色半透明の中に細筆で書いたようなバイオレットの筋紋が入ったフローライトのスフィア(球)、雨に濡れた菖蒲の色のパープル瑪瑙のタンブルと集めて来て、「もっと淡めの、儚いぐらいの紫で、透明じゃない石はないものか」と漠然と思っていたら、「はいっ」と返事をするようにその通りのモノが目の前に現われたのでした。

洋服やインテリア小物を買う時にもこれに似たことはよくあると思いますが、石の出す波長が偶然、こちらの発していた欲求の波長に合致したのか。これ以降、店頭や媒体でぷっつり見かけなくなっただけに、一期一会感も格別です。

眺めても触れても、長く飽きないでつい目につくところに置いておきたくなるのは、“アッパー系”のパワーより、こんな“縁”の強さの然らしめるところかもしれません。

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“並み”じゃない

2007-01-21 18:20:14 | プロ野球

贔屓のマヤノトップガン産駒に大物3歳が現われました。オーシャンエイプス、20日(土)の京都6R芝外千八を8馬身差圧勝。馬体486キロ余裕残し、というかまだタポタポのユルユルで、まとまってきたらどれくらい走るんだ、という未知数の魅力十分です。これからクラシック路線に向けて稽古を詰めていくなら余裕がないよりあるほうがいいに決まっているので、現時点では心配していないのですが、気になる点の一つは全国的に温暖化著しい冬とは言え、馬場の固い時期、大っ跳びの大型馬の芝デビューが先に行って足元にどうかということ。

もう一つ、月河が個人的に気に食わないのが、鞍上が調教から武豊騎手だということです。厩舎関係者の期待の大きさの反映でしょうが、とにかく月河の競馬は武豊を切る所からすべてが始まるのです。それを別としても、父のマヤノトップガン様(←様付け。何が悪い!)は武豊騎手に乗り捨てられてから、乗り捨てられたからこそ開花した馬でした。

95年菊花賞、有馬記念を連勝し年度代表馬に選ばれて、翌春から復帰ナリタブライアンの屋根におさまっていたかつての主戦に「あの馬がここまでになるなんてとても予想できなかった」と言わしめた、奥行きが無いようで有る、粘りも無さそうで結構ある、あるかと思えば無いこともある、意外性と掴みどころのなさがガン様の身上です。子供たちにも、できればこのキャラでGⅠ馬になってほしいんですよね。単賞1倍台、各紙グリグリ◎満載で持ったまま圧勝なんてのは、嬉しいようで、微量つまらない。

まぁ豊騎手には毎年クラシック路線のお手馬が山ほど出てくるので、エイプスくんが本番まで彼に選ばれ続けるとは思えないのですが、あんまり晴れ舞台に縁の薄い地味~な騎手への手替わりも、それはそれでオモシロクない。

個人的には、幸四郎くんどうでしょう。…“どうでしょう”って誰に振ってるのか自分でもわかりませんけど、ガン様のいいところだけ受け継いだ孝行息子が出るとしたら、絶対幸四郎くんと手が合うと思うんです。

“オーシャンエイプス”の名は映画にもなった“海猿”にちなんだのでしょうが、エイプスくん、圧勝デビューの2着にはタマモ“ウェーヴ”、3着にはスーパー“ウェーブ”を連れて来ました。SHINJOじゃありませんが、何かを「オレ、持ってるわ」なヤツかもしれません。

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哀しみ本線

2007-01-20 18:22:48 | テレビ番組

再放送の『けものみち』が昨日終了。“松本清張最終章”と銘打った『わるいやつら』が同日の21:00~本放送されるのに合わせた再放送だった様子。最近、昼ドラに勘弁してほしい作品が続いているので、帰宅後のビデオ再生の楽しみはこの再放送が軸になっていました。

本放送時は賛否分かれる結末だったようですが、余情のある、なかなか良い締め方だったと思います。小滝と民子の戦いは、訣別後のエンドマークの彼方からが本番。浴室の窓越しにほくそ笑みながら焼き殺されかけて、民子がいまだに小滝に想いを残しているとは思えないけれど、車の窓越しに振り向いた小滝のほうは、「あの女今度こそ消してやる」だけではない、愛惜のようなものを秘めていたともとれます。

誰も彼もハラにイチモツばかりの人物たちとは言え、ただ自分ひとりの欲徳のためだけに悪を働くのではなく、たとえば鬼頭→民子、秦野→鬼頭、民子→初音(逆も)、秦野→民子、米子→民子(逆も)など、彼らひとりひとりの“ここだけは崩したくない信条”、“人間としてのリスペクト、信義”のようなものがちょっとしたセリフのはしばしや表情などから感じられました。生きるため、生き残るために“けもの”の道を選んだ者たちも、終生“人間”であることからは逃れられない。

民子に「あんたは金づるだから守ってやる」と言ってのけた久恒が、妻に「オレの一番大切なものはおまえと(息子の)太郎だ」と言い置いて瀕死の体で主無き鬼頭邸に這って行き、血を吐きながら最後の力を振り絞って辞めた署に通報、「あの女が必ず中に居る、早く身柄を確保してやれ、頼むぞ」とかつての部下に告げて息絶えるラストひとつ前のシーン。事実上のラストはここでもよかったぐらい。彼にとって「金づるだから」も、「大切なのは妻と子」であることも、民子を助けたいという思いも、ぜんぶ嘘ではないのです。人間とは、結局そういうものではないでしょうか。仲村トオルさん、先日の『華麗なる一族』での田宮二郎ばりとも相俟って、この一週間で軽く惚れ気味です。まずいまずい。

他方、サブキャラの女たち、光恵・奈々美・美代子はあからさまに醜かった。コイツら信条も信義も惻隠の情もいっさいお呼びでなし。私利私欲あるのみ。

まぁ美代子ちゃんはおバカという救いがあり、間宮代議士の“結婚しよう魔”ぶりにも気づいて哀れさも漂ったし、高学歴そうな光恵は小滝に切り捨てられた後もどこか景気のいいIT企業辺りにもぐり込んで、人の顔色窺ったり寝返ったりしながらしたたかに生きて行きそうだけど、奈々美ばっかりはホントどうしようもないですね。目先の欲望でケチな悪さをしては親のコネでもみ消してもらって、確たる野心も上昇志向もなく、民子のように戦って努力してのし上がってきた人の成功に嫉妬して足引っ張ろうとする泥棒根性だけ一人前。ポストバブルの日本の若者の、悪い所だけ抽出して固めたみたいなキャラでした。民子の放火殺人をおっかぶされて冤罪くらっても、鐚一文同情の余地なし。

ドラマ全体の映像が蒼め寄りに暗くまとめられていたのも、最終話ひとつ前の第8話でやっと納得が行きました。民子の生まれ故郷が富山県伏木(ふしき)という設定。富山湾越しに立山連峰を仰ぎ見る、北陸の日本海岸独特の、鉛色の波がうねるような暗鬱感、そこから脱け出そうと藻掻いて、大都会東京のイルミネーションの只中にたどり着いた民子の視界をヴィジュアライズしようとしていたのではないでしょうか。松本清張さんの作品には日本海側のローカリティを強調したものが多くありますが、こうした味つけで映像化されるなら作家冥利でしょう。

短い場面でしたが田村高廣さんの、地元の開業医としての登場も良かったと思います。民子が小児喘息に苦しんで痩せ細っていたということを言ってくれたおかげで、家族関係や生活水準などを回想シーンで見せられなくても、早くこの土地を離れたい、もっと明るく暖かい所に行きたいという願いの切実さを想像することができました。『黒革の手帖』SPで共演済みですから、米倉涼子さんと相対すると、そこはかとない“昔馴染み感”“見守ってるよ感”も醸し出されるんですよね。これはナイスキャスティング。田村さんはTVドラマでは最後のご出演になったのではないでしょうか。

このシーン、米倉さんの「えっ、私のことなぜ知ってるの?そう言えば…この先生見覚えがある…あの時の?…ウソでしょう、この土地にはもう私を知ってる人なんか誰もいないはず…覚えていてくれたなんて…」と、無言のまま大きな眼に次々にうつろう感情の表出も見事。米倉さんは『黒革』以降演技が瞠目の進歩ですね。ドラマ出始めの頃は恵まれ過ぎた肢体をフレームの中でバッサバッサ持て余している感じで、“この人女優としては無理かも”と思えたものでしたが、良くぞここまで来ました。某歌舞伎役者と別れて正解だったね。

小さな輪郭に大きなパーツ、女優としてはこの上ないくらい顔立ちも恵まれています。まだ要所要所で“やたら眼ギョロつかせてクチ半開き”なまま、驚きとも感動とも恍惚ともつかず立ち往生みたいな、顔を使う演技の引き出しの少なさも目立ちますが、上昇の余地はまだまだあるはず。月河、小説でも映画でも“悪女もの”好きなので、こういう、綺麗かつケレン味身上の女優さんは楽しみです。仲村さんと並んで、実は米倉嬢にも最近はちょっと惚れそうな自分がいます。

『わるいやつら』第1話も実は録画してあります。こっちには仲村トオルさんは出ないようですけど。

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バカでしょう、これ

2007-01-18 17:33:15 | プロ野球

リンク: ニューストップ > 配信社別:サンケイスポーツ > スポーツ > 楽天・田中は赤ハンカチ!背番&名前入り、公式グッズ販売 - Infoseek ニュース.



駒苫→楽天田中将大(まさひろ)投手、地元だし活躍してほしい気持ちはあるけど、センスなさすぎでしょう。考えた人が。



何がスベってるって、対になって初めて意味成すはずの早実・斎藤投手がプロに入らず、ハンカチは封印するってはっきり宣言してるじゃないですか。“ハンカチ”で“商売”にされることにきっぱり「NO」と言ってるのに、まだ“商売”に恋々としているさもしさが、この企画をどこまで行っても情けないものにしています。



トーク番組で“別れた大物元カノネタ”で前に出ようと必死な芸人みたい。この状況になると、“楽天”って社名そのものが、もうすでにドツボ。



最近の日本のプロ野球、大相撲界、演歌界などもそうですが、人気低下や観客動員数減を憂えて手を打てば打つほど、その必死さに白けられて、自分で自分の値段を下げてデフレの蟻地獄。



田中投手は、こんなイベントは世界の片隅のどこかで、ああ、やってるんだっけ?ぐらいの認識で、自力でピッチングの腕を磨いて、1年でも早くメジャーに進出してもらいたいものです。



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