イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

あ、そう

2008-09-03 00:08:06 | ニュース

ついこの間だったような気がする組閣発表のとき、「サプライズはなかったね」「小泉さん流はできないし、嫌いなんだろうね」と評されていた福田康夫首相、最後の最後にドカンとかましてくれましたな。時あたかも91日。“防災の日”とはよく言ったものです。

 さっそく後継候補にマスコミ辞令が飛び交っていますが、不思議なのはいつの間にか麻生太郎さんが「国民的な人気者」ってことになってることですね。どこの国民に、だろう。かつての“タレント好感度ランキング”で常勝だった山田邦子さん、みたいなものかな。周囲で誰も「好きだ」「ファンだ」という人がいないのになぜか1位。

まあモノマネ、顔マネ、振りマネしやすいタイプではありますね。特に福田さんに比べればね。麻生さんでなくても、誰を持ってきても福田さんよりはネタ化への表出力は優る。いまごろ劇団ザ・ニュースペーパーの人たちが仕込みに忙しいことでしょう。メンバーのあの、太平シローさん似の人、安倍晋三さんは結構似ているけど、小池百合子さんはからきし似てないのでどうにか求む改善。

『白と黒』は第46話。登場人物数がこの枠の、3ヶ月クール昼帯ドラにしては目立って少ないので、初っ端から手もなくわかってしまうのですが、取材と称して研究所に入り込んだ女性ライター真紀(眞野裕子さん)が、実はひそかに聖人(佐藤智仁さん)の差し金で動いていると、同じ雑誌ページの、同じ透明パウチに入れた企業ランキング表を持っていることで提示する表現が、時間の置き方などなかなかクールでした。

終盤、聖人がダーツの矢の二本めを放つと見せた瞬間に、夕闇の研究所エントランスから真紀を送り出す標的中村(久ヶ沢徹さん)に切り替わるカットも、ありがちだけどスマート。「私はゴーストライター、日陰の存在」発言で中村に“あぁオレも仲間だ…”と感情移入させておき、「聡明な人格者」「もっと自分を評価すべき」と持ち上げてヘッドハンティングの“人参”で釣る。昨日放送45話の、一葉(大村彩子さん)に見せた和臣の偽筆サイン入り手紙といい、聖人の“言ってほしい言われたいと思っていることを言ってやる砲”は的確です。

ただ、以前再放送中の『その灯は消さない』を引き合いに出しましたが、このドラマ、あまりにもエピソード数・サブストーリー本数が少ないので、“人間の二面性”“愛の表と裏”という深遠かつ変奏し甲斐のあるはずのテーマも、丁寧に扱われているわりに逆に底浅く感じられてしまうのがいかにも残念です。

今日も、礼子(西原亜希さん)が「県の財団に行ってくる」と章吾(小林且弥さん)に偽って青の館を訪ね、ホームバーカウンターで聖人と相対する場面には、もちろんあの(桐生家にオリジナルがある)婦人像のレプリカが掲げられているのですが、和臣の先妻彩乃が気に入って買うようすすめたという、当時は無名・いま大家の画家をめぐる話も、いつものこの枠のドラマならもうひとつの謎仕立てにして掘り下げられ、どこかで聖人が狙う(あるいは、狙うとうそぶいている)研究機密の話と接点を持ったはずです。いまやこの絵、“無駄に飾ってある”に過ぎない。

他にも礼子が彩乃のすすめで一度だけ電話し声だけ聞いた、生き別れの生母をめぐる話、若手研究員・小林(白倉裕二さん)の学資を負担してくれたという兄の話、田舎暮らしに辟易しているらしい中村の妻、そして二部に入ってから一葉の言葉からしか動静が伝えられない、彼女の実両親・秋元夫妻…せめて仲本工事さん扮するクリーニング屋篠塚が町の噂のひとつも持ち込んでかき回してくれないかと思うのですが、こちらも二部に入ってまったく姿を見せなくなりました。燃料高騰で転業か廃業でもしちゃったのか。

聖人の和臣毒殺未遂事件の捜査や裁判に携わったであろう警察か弁護士を後半に出没させてもよかったし、なんなら聖人が桐生家に帰ってくる前の海外放浪中何をしていたかという話を引っ張ってくるのも有りだったでしょう。

話の幅がさっぱり広がらないまま、さして強調されていたとも思えない沖縄のゲットウについて「沖縄に研究所を建てる私たちの夢」なんて礼子に言及させるからまたしても“そうだっけ?”“扱いが不当に重い”と感じてしまう。

逆に、41話でまだ聖人の企みを知らない一葉が、聖人のための夜食にオシャレなサンドイッチを作っている場面では、13話で聖人が礼子のアパートを不意打ちし朝食に作ってやると言い、材料の買い出しにまで行ってくれたのに章吾の来訪で立ち消えた“クロックマダーム”につなげる流れが、いつ出てくるかとわくわくしたのですが、まったくつながらなかったこういう細部から、日数を置いて別の状況の細部にスライドし、懐かしさとともに観客の胸を衝くやり方は、言葉は悪いけど今作の脚本家チームはあまりやる気がない様子。

それよりも、複数脚本家体制の悪い面が出ていると言うべきなのか、どうも根本的に一部~二部を通じての“物語の全体像”が構築できないまま書き継ぎリレースタートしてしまっているようなのです。

エピソード数が多すぎて、話が切り出されたそばから次々放置、ってのも困ったもんですけどね。例としてすぐ作品タイトル浮かんでこないけど。

…「浮かんでこない」って言っておいて無理矢理絞り出したように挙げるのも失礼だけど放送中のNHK『瞳』なんかかなりそれ式の困ったドラマかもしれない。週ゲストキャラが出ては退場、出ては退場、アノ人いまどうしてる?アノ件どうなった?に誰も言及しない。

とにかく長丁場の、特に原作なしオリジナルの連続ドラマはむつかしいです。個々のキャラがある場面限定でキュートに見えることはあるのだけれど、お話としてなかなかスイートスポットに来ないものですね。

コメント
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