日野てる子さん、亡くなられたんですね。ハワイアン歌手。代表曲『夏の日の想い出』は最近ではサザンオールスターズの原由子さんもカヴァーしていましたが、月河実家にも確か、ラテンピアノ調にアレンジしたインストヴァージョンの入ったLP盤があり、特に父が好んで聴いていた記憶があります。
歌手としての日野てる子さんも、まだ実家がNHKしか映らない地域だった頃、白黒TVで結構お顔を拝見しました。何せ子供だったので歌よりも、顔のサイドにでっかい花(ハイビスカス?)の髪飾りをつけて、長い黒髪を片側に垂らしたヘアスタイルがいちばん、というか唯一印象的でしたね。女子なのに男性の床屋さんで髪を切られていた刈り上げちゃんだったので、長い髪を垂らしている大人の女性はこよなき憧れでした。
ハワイアン歌手と聞くと、知らない向きは堂々たる体格の浅黒い人を連想するかもしれませんが、てる子さんは後年のアイドル・石川ひとみさん(『右向け右』『まちぶせ』)にちょっと似の、丸顔可愛い系のお顔立ちで、衣装や髪型をトロピカルにされていただけで普通の日本的な美人だったと思います。
先日の訃報で驚いたのは、まだ63歳という若さ。調べたところ45年7月生まれ。うわー。1945年=昭和20年生まれの有名人というと、なぜか真っ先にタモリさん、吉永小百合さん、水前寺清子さんが思い浮かぶのですが、そうすると月河の白黒TV時代に髪にお花つけてロングドレスで歌っていた頃のてる子さんは、逆算すると21~22歳ぐらいだったことになります。
「オトナだった!!」のひと言ですね。いま思えば、昭和40年代の女性歌手、女優さん、みんなとても大人っぽかった。大人というより、女っぽかったですね。
子供時代のTV越しのうすらぼやけた記憶の印象だけでモノを言ってもはじまらないので、ざっと資料を当たって調べてみたのですが、現在現役で活躍されている組から例にとると、いしだあゆみさん48年3月生まれ、『ブルーライトヨコハマ』がヒットした69年には21歳。奥村チヨさんが47年2月生まれで ♪ あンなた好みのぉ~オンナにぃ~なりたぁ~い『恋の奴隷』は22歳。あのブルージーでダルな『終着駅』すら24歳でヒットさせているんですね。
ちょっとTV的には現役感が薄くなりますが68年にレコード大賞を獲得した『天使の誘惑』の黛ジュンさんは48年5月生まれで当時20歳。『天使~』よりもっとマイナー調でムーディーな『霧のかなたに』は実に19歳でのヒットです。女優出身の小川知子さんも49年1月生まれで、当時オヤジたちの妄想をかきたててやまなかった『ゆうべの秘密』を19歳、『初恋のひと』も20歳でヒットさせています。
個人的に印象深いので引き合いに出させていただきますが、昭和40年代初期にカヴァー曲『夢みるシャンソン人形』を歌って、月河年代でもおマセな女児たちの憧れだったミコちゃんこと弘田三枝子さんは、47年2月生まれで当時は18歳、69年にダイエットして「大人っぽくなった」「美しくなって見違えた」と評されカムバック、大ヒットさせた『人形の家』の時点でやっと22歳だったことになる。
2008年現在誕生日が来て満22歳、単純に86年生まれの女性芸能人を、判明した範囲で列挙して行くと、石原さとみさんあびる優さん上野樹里さん北川景子さん松浦亜弥さん、『瞳』出演中の宇野実彩子さん、次クール朝『だんだん』の三倉茉奈・佳奈さん、同じく朝OG比嘉愛未さん、「別に」でおなじみ沢尻エリカさん、ビーチバレーの天使浅尾美和さん…
昭和アイドルの大人っぽいに対する意味での“子供っぽい”と言うより、“未成熟感”の濃厚さに驚きます。ヤンキーくさいとかお嬢ちゃんっぽいなどのキャラの違いはあっても、こうして無作為に並べた顔触れ全員、セーラー服を着せて女子高校生に扮させてもほとんど違和感が無いでしょう。現に出演中の作品で扮している人もいます。
対するに『ブルーライト~』時点のいしださん、『恋の奴隷』時点での奥村さん、『人形の家』時点での弘田さんらにそれをさせたら、『シャボン玉ホリデー』内などのコントにしかならなかったと思います。
女優さんで言えば、最近の月河に親しい『白と黒』ヒロイン役の西原亜希さんが、8月に21歳になったばかりであの佇まい、あの雰囲気、共演者・監督・スタッフからも視聴者からも「大人っぽい」「落ち着いている」との専らの評判ですが、どちらかというと、親的・上司的視点で見ての「しっかりしている」「読書家そうで、学校の勉強ができそう」「(炊事・洗濯などの)生活能力がありそう」「部屋がきちんと片付いていそう」という類いの“大人っぽさ”であって、むしろ“躾けの行き届き具合”“聞きわけのよさ”≒“青さ”の範疇に近く、“オンナとしての成熟”とは対極ですらある。
今回は女性のみで、男性俳優やタレントに関しては調べませんでしたが、より早熟と言われる女性でこういう地合いなら男性はもっと幼いでしょう。いまの日本、成熟を急いで良いことはひとつもない。“成熟難”の時代に入ったのだなと思います。
まぁ、子供の頃見た大人と、いま大人として見る20代とでは、どの程度の何をもって大人っぽい・成熟していると感じるか、基準が単に“平行移動”しているだけということもある。
今日はたまたま、45年生まれで66~67年に頻繁に見た日野てる子さんの訃報からの連想でいろいろ言及しましたが、いまの小中学生から見れば石原さとみさんや松浦あややもじゅうぶん女っぽいのかもしれないし、昭和40年代当時の高齢世代は「最近の若い女の歌手は幼い、松井須磨子は色っぽかった」「川上貞奴もイカしてた」なんて思ってたのかもしれません。
……なんぼなんでも古すぎか。
大人の女っぽいと言えばいまや代表選手は『炎神戦隊ゴーオンジャー』のケガレシア様・及川奈央さん。AVでご活躍の時代はさすがに月河未チェックなんですが、最初に見かけたのが05年『牙狼 ‐GARO‐』でのホラー・ウトック若返り体。81年4月生まれ、このとき24歳。うーんオトナだ。
でもって現在27歳。早輝(逢沢りなさん17歳)美羽(杉本有美さん19歳)とG3プリンセス組んでもまったく違和感なし。いいなぁ。なかなか成熟しないということは、いつまでも可愛いということと地続きなのでした。誰も成熟したがらないわけだわ。
“キャンディーズのロリ版”みたいなピンクフリフリ衣装で歌うG3Pより、観戦中の男子メンバーの動きがおもしろかったな。ヨゴシュタイン様・キタネイダス様と妙に仲良くなっちゃって「ズバリ!…っす」言葉まで伝染させちゃう連(片岡信和さん)、女装した途端ザ・ピーナッツになったり、ガンバルオーが倒されると心配して駆け寄ってきちゃうヨゴ様キタ様、G3Pの歌でブレイクダンスしちゃう大翔(徳山秀典さん)。
女子チームの、萌えニーズくすぐり姿にくすぐられない層も退屈させないようにとの配慮でしょうね。サウンドワールドからヒューマンワールドの騒音を漏れ聞いて巨大化したコロムビア…じゃなくてロムビアコの、欽ちゃんの仮装大賞みたいなサウンドセンサーとか、ケガ様特製“ウフンのポーズ”“アハンのポーズ”セクシーポーズ養成ギプスとか、無駄に美声な大翔と、一緒にいじけるヨゴキタなど、5秒に1発のネタつるべ打ちの中で、ガイアーク3大臣はヒューマンワールドを“汚して(ガイアークにとって)住みやすくしたい”のであって、“破壊したい”わけではない、という、ゴーオンとの微妙な一致点も見出せました。
こんなに3大臣とインティメートになっちゃったら最終GPでの最終決戦はどういう勢力図になるのかさっぱりわからなくなってきましたが、恐らくガイアークの“上には上”がいるんでしょうな。まだ4ヶ月半あるしな。
ヨゴ様キタ様に「お願いケガちゃん~」されて、「惚れなきゃ後悔!ケガレシア」と名乗りポーズもキュートなら、見事ロムビアコを撃退したあとは「今度会うときは再び敵同士で汚じゃるよ、フン」と早輝美羽に背を向けて去って行く姿も“ダークなハンサムウーマン”って感じでカッコよかった。いつもならドカン爆裂一発で消えるのに、今日は一応ユニット組んでの共闘だったので、わざわざ歩きましたね。
不思議だったのは、“機械生命体”のはずのケガレシア様がジェットコースターが苦手(「目が回ったで汚じゃる…」)ということ。マシンはマシンでも絶叫マシンは、人を楽しませる“ドキドキ愉快”的なモノだから、ケガ様には逆に拷問なのかしら。
そう言えばGP‐14でケガ様変装体・汚石冷奈にあんなに夢中だった範人(碓井将大さん)はG3Pになったケガ様を見ても「あ、あれはあのときの冷奈さん!」と識別できなかった(と言うより、別立てでラブになった)ようだけど、それだけケガ様がコスプレ映えするということなのか、範人のストライクゾーンが広いのか。