太田誠一農水相の辞任は、消費者の神経を逆撫でする度重なる失言プラス、納得できる収拾策、事態打開策がひとつも聞かれない時点で「妥当だよ」ですが、辞表受理して後任どうするか決める立場の福田首相のほうが“先に辞意表明済み”ってのが何ともしまらない話ですな。
「あら、辞めるの?ボクも辞めるの」「そうでしたな」「わはは」「がはは」…
……まさか辞表はさんでこんなノリってことはないと思いますが、この農水大臣ってポスト、何か呪われてるとしか思えませんね。後任任命しようにも、目の前に解散総選挙、政権交代も有りか?ってときにたかだか数週間の寿命の大臣決めたって、世界陸上司会時の織田裕二さん並みに腰が落ち着かないことおびただしい。
んで町村官房長官が当面兼務。何も手打たないでしょうね。本当にこの国は、トップに行けば行くほど、国民生活の根幹に関わる度合いの高い立場ほど仕事をしてない。クチはともかく手や頭を動かしていない。こんなときどこかのならず者国家がずかずか領海領空侵犯してボカスカ火器核兵器撃ち込んできたらどうするんだ。
さて、残すところあと1週になったNHK『瞳』、随伴視聴の月河も最近は音声のみ背中でつまみ聴きでなく、一緒に画面を見る時間も増えてきたのですが、遺影でしか登場しない勝太郎さんの奥さん“セッちゃん”=里子たちの“お母さん”、節子さん役は泉晶子さんだったんですね。いま当地で再放送中の『その灯は消さない』で、智子(坂口良子さん)の実家の強気な長男嫁・陽子を演じている女優さんです。
劇団青年座のベテランでもある泉さん、昨年の『麗わしき鬼』では英矢先生に再婚見合い相手を引き会わせる、眼鏡のセレブ夫人役で出演されていました。気取った役も、母性的な役も、キッツイ意地悪な役もこなせる貴重な存在。
『瞳』ももっと早い段階で継続視聴していたら、回想シーンなどで動く姿も見られたのかも知れませんが、優しい役とかきつい役とかキャラ上の色分けだけではなく、NHK朝の、家族視聴向きの嫌味の無い佇まいと、昼ドラの誇張した記号的な演技、味付けの濃さ上でも匙加減できるところがベテランの味だと思います。
昭和40年代後半に実家母がルーティンにしていたTBS系ポーラテレビ小説枠(月~土12:40~13:00)の、72年頃の作品『アンラコロの歌』でTV主演デビューされているはずですが、前後の同枠作『オランダおいね』の丘みつ子さん、『お登勢』の音無美紀子さん…辺りに比べて“どんな感じのヒロインだったか”印象が薄いんですよね。夏冬休み、土曜日なんかはそれこそ随伴視聴していたはずなんですが。
“ドラマは1に脚本、2に脇役”とここでも書いたような気がしますが、俳優さんも“脇役で重用されるようになってから”が真価の発揮しどころかもしれません。