イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

andターン andリバース

2008-04-19 00:35:20 | アニメ・コミック・ゲーム

『爆笑オンエアバトル』172440~)、新年度3週目の回を録画視聴。

初見ではうわぁ…と思った金ピカ王朝風・多色イルミネ使いのステージセットも少し見慣れてはきました。

計量前の新MC小松宏司アナ「楽しく笑って厳しくジャッジする『爆笑オンエアバトル』」。このマクラは実にNHKらしい。

前年度4勝め以来、一気にチャンピオン大会狙って来るかな?の期待もあったノンスモーキンが、2489kbと高評価だったわりには内容はちょっと薄味だった。「レッツ!」「追試!」のあとたたみかけるように盛り上がるかなと思ったけど、菊池の“受験生徒ひとりなのに後ろにひとクラスいるつもり”を引っ張り過ぎた感も。

菊池の白シャツ見て思ったんですが、やはり上着の下、胸にデカデカと“”と大書したシャツを着てきて、中尾生徒が「あれ?数学の中村先生は?」に「見ろ、私だってコレだ」と上前を開き「書いとかなきゃわかんないってどんだけ存在感薄い教師だよ」ぐらいの出インパクトがほしかったですね。

しかも“教”のツクリの“孝”がさりげなく“考”になってて、中尾生徒「しかもあからさまに誤字って」菊池教師「よし!そこに気がついたら追試、現国は免除だ」生徒「小5の漢字っすよ、それに数学の追試だし」みたいなね。

彼らの可笑しさってしゃべくりメインではなく、アンジャッシュのようなシチュエーション重点でもなく、豊富な持ちギャグで連打連打が売りのタイプでもないので、やはり強烈なキャラを冒頭にドンと出して欲しい。また、どんなキャラ設定にしてもそれなりに塗って来れる“地”の透明感、白地感が魅力でもあると思うので。このネタ、この演りで489kb取れるということ自体、好悪が大分かれせず、オンバトの客に総じて歓迎されている証拠。これは諸刃の剣ですが、七:三で有利です。

いつもの感じで安定していたラバーガール3457kb。「冷蔵庫ん中見て来るわ」「冷蔵庫には誰もいないと思うよ」からどんどんトンデモ振幅が大きくなる作りはもう堂に入ってますな。

毎オンエア感心するのは、大水の非常識ボケがどれだけエスカレートして行っても、飛永のツッコミが一定以上高テンションにならず、絶対“アタフタ”“激怒”“キレ”モードにならないこと。これが大水の“ボケてもボケても一貫して両棲類顔”以上に、彼らのコントの品質を保証している。

一方、ツッコミがアタフタしてキレる芸風の代表・ランチランチ4393kbは、営業マンネタ途中で海野が「先輩と上司」と言い間違えなかったらもう少し玉入ったかな。あまり変わらなかった気もするな。

部長刑事張り込みネタで藤崎の“ヘラってるほうが部下”はもう見ているので、「はいっおはよー、じゃねさっそくね…」と偉そう芝居が始まった段階で速攻読めてしまう。また、「ほらほら来る、例のアレ、来た!」とおなじみお約束感を楽しめるような類いのネタでもない

今回は、2連敗から一気の1493kb LLRと、同じく3回目の挑戦で初オンエア5385kbぼれろ、新顔2組が新鮮でした。15位、108kbというほどの差は実質無かったと思う。LLRはやはりここまで未オンエアの緊張のせいかちょっとつかみから駅伝話に入るつなぎや細かいところがギクシャク固かったし、ぼれろは逆に上っ滑り空回りしかけたところもあったけど、両者よく踏ん張った。3度目の正直、是非オンエアされたいとかなり練習を積んで来たことが窺え好感が持てました。

LLRの冒頭、伊藤の10人兄弟話は、もし使ったとしたらヒカリゴケ6365kbオフエア)の叔父甥話からだいぶパイを切り取ったんじゃないかな。コンビ名が、90年代に『Bye』『Day by Day』などを歌っていた黒沢兄弟らのユニットLRを思い出させますが、ぼれろ共々、最近の若手くんたちはネタ中で積極的に歌うなあ。

新年度第一週は気がつかなかったのですが、冒頭のアナウンス「ボールを入れる基準は…」が「…この笑いを、全国に届けたいか否か」から「ネタがおもしろいか否か」に変わっていました。意味としては一緒なんでしょうけど、微妙にもったいない。何と言うか、番組のスピリット継承に悖るような気がするのです。

少なくとも01年に月河が審査員一度だけやった頃は、お笑い好き素人の集まりと言えども“使命感”“責任感”のような空気は客席にありました。自分がこの玉一個入れるか入れないかで、おもしろい芸人おもしろいネタが全国の視聴者にご披露できずに終わったり、逆につまらないネタが放送に乗ってしまったりするかもしれない。新アナウンス文言通り「自分が笑えれば入れる」「オレは、ワタシはつまらなかったから入れない」というスタンスは、お笑い観客たるもの結局はそれでいいのですが、それじゃ玉入れる/入れないが審査を伴わない一般の公開番組の、拍手や歓声やブーイングと一緒の意味になってしまう。

さりげないけど“ネタ”って言葉をNHKも当たり前のように使うようになった、これも大袈裟に言えば隔世の感あり。

ハマカーンのオチ前スタッフミス暗転で棄権という、いかにも年度替り担当替え直後らしいアタフタ感あふれるアクシデントも今週はありましたが、びっくりしたのは本編後の“オンバトヒーローズ”コーナーに登場したダンディ坂野

04年ぐらいからのピン芸ブームを基準にすると“生まれてくるのが早過ぎた”ひとりかもしれないけど、おかげで波田陽区レイザーラモンHG風に“公開人体実験の如く衆人環視の中で磨耗し去った”イタさは免れた人でもあります。

それにしても白スーツで「ライドオン!ゲッツ!」しながらカメラの前に登場すると、怖ろしいばかりの“現役感希薄さ”。なんか、“かつてコメディアン(←‘ピン芸人’よりこちらのほうが似つかわしい人でもある)やってた洋菓子喫茶オーナーが昔を語る”みたいだった。出の「ゲッツ!」も、その昔を知らない若者たちにこんなんだったんだよとなぞって教えてるようなテンション。

「あなたにとってオンバトとは?」→「“現実”」「誰も落ち(オフエア)ようと思ってやってるわけではない」って、リアル過ぎ真っ当過ぎ。いっさいトークで笑い取る気もない様子。

リプレイされていた朱赤総ラメパンタロンスーツでのオンエア時は、227勝のうちいちばんブイブイ言わせてた頃というチョイスでしょうが、036月。余勢を駆って?『特捜戦隊デカレンジャー』でオズチュウ星人イーアルに扮したのが1年後の046月。そしていま、084月。そんなに昔のことではないんですけどね。まさに駆け抜けましたね。

「では、次回挑戦するのは、この10組です!」ってジャンクションしてくれてるのが、なんとも生木を剥がしたような距離感で少し物悲しかった。こうなると、逆に真っ白に燃え尽きて跡形もなくなるってのも、芸人としてひとつの幸福かもしれません(“逆に”って何だよ)。

コメント
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