イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

早くうまくなれ

2008-04-17 21:27:52 | テレビ番組

“芸人使い捨ての元凶”“お笑いブームマッチポンプ”と悪評高い(?)『爆笑レッドカーペット』を初めて録画して冒頭からちゃんと見ました(162200~)。

うん、ありゃ確かにダメだわ。予想を上回るつまらなさでした。個々のネタが目を覆う低レベルというわけじゃなし、赤絨毯をベルトコンベアーに見立てて“強制終了→搬出”のしつらえを考え出した着想は、皮肉味もあって悪くないと思う。

ただとにかくスタジオMC陣、審査員陣も含めて調子に乗り過ぎ。「水曜10時レギュラーで半年=2クールもらった」「その記念すべき第1回のMC席に使用済みの爪楊枝捨ててったスタッフがいる」って、それが番組全体のツカみにするほどのことかね。今田耕司さん、高橋克実さん、いずれも別の番組のMCとして一定の評価を得ているだけに、「これからネタ披露する芸人よりもオレのほうが絶対おもしろい」とヘンな自信と自己顕示欲持っちゃってるんじゃないのかな。

特にサブ司会の女子アナ、「前回のスペシャルではスウジ194%という高視聴率でした」とヘラヘラこいたときには殺意さえ覚えたね。根拠も正当性もない、ただただ広告代理店が有難がるだけの“視聴率”なるものを、画面で視聴者に向けて放送する者が放送の付加価値上げるためにクチにのぼせては絶対にいけない。世の中には、ハラで思っている分には構わないが、人に向かって言っていいことと悪いことがある。言っていい相手と、悪い相手もあるし。冒頭のこの女子アナのひと言で、番組自体の了見の底が割れた。

ただ、どこから何基準で集めたんだっていう顔ぶれの審査員の中で、「(永井佑一郎の“エロ本親父に見つかってビリビリ”に)懐かしい感じがしました」とのたまった沢村一樹さんだけが輝いていたな。どこでも自分のキャラ相応の仕事は忘れないエロ男爵かっこいい。

『花衣夢衣』は第14話。第3週の終盤ともなってくると、情念ドラマの取っ掛かりグチである悲恋に焦点が当たってこないと3ヶ月の尺的に間に合わないんじゃないかと気がもめてしまうのですが、将士役・眞島秀和さんに比べて真帆役・尾崎亜衣さんが、着物に襟足シニヨンの和装でしっとり装っているとはいえいかにも容姿も演技も幼くて、“お似合い感”、観客として“万難排して結ばれてほしい感”がもうひとつ盛り上がらないのがね。

今日はむしろ、友禅師匠(宮内洋さん)からひとり娘・淳子(民部洋子さん)を「貰うてくれないか、貰うて私の跡を継いでくれ」と持ちかけられて、弟子を辞する覚悟で断る絵入れ一番弟子安藤(『けものみち』の結婚しよう魔・長谷川朝晴さん)と、「安藤さんが初恋の人やったのに、弟子入りして来たときからずっと見てきて、ワタシのこと少しは気にかけてくれると思っとったのに、フラれてしもうた、バカよね」と泣きながら思い切る淳子のやりとりのほうがジンと来ました。

「辞めるなんてお父さんだけじゃなく、ワタシだって許しませんから、ワタシも運命の人に出会って、幸せな家庭を作って見せるんやから」と淳子。「わかりました、これからもここでお世話になります、お嬢さんの幸せを祈っています」と安藤。家つき娘と弟子、身分は違ってもお互いの“譲れない一線”を守りながら気遣い合う、人生まだ手探り途上のふたりの自尊心が摩擦し合い火花を散らし合って、イタいけどとても美しいシーンでした。

昨日13話では、ねちねち意地悪なわがままプー娘と見えた淳子ですが、「運命の人はほかにいるのかも」と元気づけてくれた以外、別に何もしてない真帆にも「ありがとう真帆ちゃん」が言えるのは気だてのいい証拠。

“人は人を恋するものである”ってことを、自分の中で封印するのは勝手だけど、同じ年頃の従姉に思いやってあげられなかった、真帆のほうがよっぽど解からんチンでしたね。

師匠の申し出に考え込む安藤→泣きながら座敷を飛び出して真帆と行き会う淳子→座敷で苦り切った表情の師匠夫婦、と、会話描写を極限まで端折りながらことの成り行きを提示するカットつなぎも良かった

東京チームでは、先約のため仕立て仕事を断った詫びに立ち寄った澪(尾崎由衣さん)に「ご家族で食べて」と菓子折りを差し出しながら家族構成や生い立ちに探りを入れるよね屋女主人=将士母(田岡美也子さん)のやんわり鋭い観察眼もなかなか。04年『愛のソレア』では芸能事務所の敏腕女マネージャーとしてパンツスーツでカッカッ立ち回っていた田岡さん、今作は江戸っ子商家の女将らしい小粋ないでたち。

もう10年ぐらい前になるでしょうか、『火曜サスペンス劇場』の人気シリーズだった『転勤判事』で、渡辺えり子さん扮する亡き夫の遺志を継ぎ全国を転勤して歩く女裁判官となぜか気の合うお洒落な探偵好きお姑さんを演じていた渡辺美佐子さんに、田岡さんはよく雰囲気が似ている。

主役ふたりの情熱曲線の盛り上がり、このご時勢だけに「子供が産めない身体だから結婚できない」を切なさ加油モチーフとしてドラマ上しつこく強調はしにくいのではないかというところも心配と言えば心配ですが、どうなんだろう。やっぱり淳子さんと安藤の行く末のほうが、色恋タームとしては牽引力があるなあ。

願ってもない跡取り話を断ってでもお嬢さんは貰えないと言う安藤は、見習いとしてしごいている真帆が好きなのかな。安藤の初登場がいきなり真帆入門3年後だったので馴れ初め期の描写はまったくなかったけど、こっちのほうが路上でドンよりはまだ説得力がありそうな気がする。

ヒロインたちとの絡み先行きを抜きにして、いち男性人物として鑑賞しても、安藤のほうが将士より“どんな人なのかもっと知りたい”心をそそられるけどなあ。ここまで来ると好みの問題ですけど。

コメント
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