すったもんだ滑った転んだした挙句に誕生した日本銀行新総裁・白川方明(まさあき)さん。「この人に落ち着きそうだ」一報の、副総裁時代の映像を見て、「こりゃダメだわ」感を新たにした人は少なくなかったんじゃないでしょうか。
人事としてまとまるかまとまらないか、まとまったとして実務どれだけ期待できるかできないかはまったく別問題として、顔が、前首相・安倍晋三さんに似過ぎ。
と言うより、安倍さんのパロディーを演っていた劇団ザ・ニュースペーパーの、安倍さん役担当の人に似すぎ。
尻下がりの太眉がどう、顎に向かって細まる長細卵型輪郭がどうという目鼻立ちの問題以前に、顔を人の顔たらしめている造形的“思想”“コンセプト”のようなものが似すぎ。
もっと言えば、安倍さんと総裁候補を争って後退した谷垣禎一政務調査会長にまで似ている。
…“まで”ってこたあないかもしれないけど、とにかく顔見ただけでこれだけ顕著に“イマイチ”“届かず”“期待してもハズレ”臭をあらかじめこってりまとっている人も珍しい。
片や政治、片や金融政策、いずれも日本の舵取りを課せられてトップに据えられる、あるいは据えられた二人が、こんなに近似の“顔づくり思想”で出来上がっているということ自体、いまの日本、呪われているんじゃないのかな。
“見た途端ダメそう”と言えば、アメリカ合衆国大統領候補マケインさん。すでに、こんな日本のいち無名人月河のハシタゴミクズブログでさえ、“マケイン”と入力すれば“負け院”と変換されてくる、という現実があるわけですよ。
まぁこれは舞台となるブログウンヌンじゃなくWord 2003の問題であるかもしれないわけだけれど、〔MΛKε〕と発音され“マケ”と表記されれば、日本語では速攻“負け”を意味するのだということを理解しているのだろうか、いま何より“勝ち”が欲しいだろうにこの候補者氏は。
音と表記のイメージ規定力があまりにストロングすぎて、すでにヴィジュアルも政策も年齢性別(とりあえず男性らしい)学歴職歴も思想信条も、いっさいかき消されて、なにひとつアピールされて来ておらんぞ、という現実。
まあ極東の、かつて占領した末端同盟国のひとつの内部のそのまた極小一部でどんなイメージを喚起されていようが大USA大統領選の帰趨に何の影響もないでしょうがね。
未確認ですがマケインは“Mc‐”で始まる、たとえば日本でも商標でおなじみのマクドナルド、マッキントッシュを始め、マックイーン、マッキャノン、マクレーン、マクファーソン、マコーリー、マクニー、マクレガー、マックロード、マクラーレン…などと同じ、ケルト~スコッティッシュ~アイリッシュ系の姓です。アメリカをざっくり東西南北に分ければ北と東に強い、共和党代表候補にふさわしい名前と言えば言えますが。
日本式にカタカナ逐字的にローマ字で綴って“‐u”ひとつ付ければ“負け犬”にまでなってしまうというこのストロング規定力。対する民主党はオバマさんになるのか、クリントンさんになるのかまだわからないようですが、最終的に“勝ちインさん”になれるのかな。
ところで、『花衣夢衣』で真帆(尾崎亜衣さん)がチャイルドシッターとして働いている米軍将校さんは“オブライエン”。
“O’‐”の付く、オライリー、オコーナー、オドネル、オハローラン、オショーネシー、オドノバン、オトゥール…などの姓もケルト系、特にアイリッシュ由来の名。アイルランドと言えば、家庭料理は何といってもジャガイモのマッシュポテト、パンケーキとベーコンです。こっそり一日入れ替わった澪(尾崎由衣さん)もそこを押さえておけばジミーに「こんなまずいホットドッグは初めてだよ!」なんて言われなくて済んだかもしれないのにね。