山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

地下歩道より歩道橋がまし?!

2006-12-19 23:01:20 | 街づくり
           
 ↑ ↓ 国道286号と国道112号が交差する地点の横断地下道の地下部分と出入口
地下道では自転車乗車は禁止なのだが・・・
    
 かつては幹線道路の各所に歩道橋が造られたものだが、高齢の歩行者などには負担が大きく、また景観上もすこぶる評判が悪く、撤去が進められている。
 しかし地下横断歩道は今でも建設が相次いでいるようだ。
 地下に築かれているだけに景観上はあまり問題にならない。だが使い勝手はすこぶる悪い。自転車なら地上の時はものの10秒足らずで横断できたのに、地下道では乗車したままの利用は禁止され、慣れても1分以上はかかる。不慣れな場合は出口や方向が分からなくなり2分以上もかかってしまう。出口や方向が分かりにくくなるのは歩行者の場合も同じである。歩道橋の場合は方向を見失うことはまずない。
 たしかに歩道橋でも地下横断歩道でも歩行者と自転車が車にはねられることはなくなる。それにしても歩行者と自転車の利便は大幅に減退する。このための工事費用も当然道路特定財源から拠出されてきたのであろう。逆に歩行者と自転車の利便向上のためなら道路特定財源は特に一般財源化しなくてもよさそうなものだが・・・。
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芸術作品としての山形の蔵 (10)

2006-12-18 21:53:48 | 建物

  ★角地の土蔵は絵になり詩になる

 左手前方に千歳山を望む地に建つこの土蔵は小ぶりで決して豪壮なものではないが、位置が位置だけに存在感充分で、道しるべとしても格好である。
 さて、右手と左手のどちらの道を行くべきか考える以前にこの土蔵の姿に見惚れてしまう。まずはカメラを向けたくなるか、スケッチでもしたくなるか、或いは詩か歌の構想が湧き上がり、今度この辺りを歩く時は必ずカメラやスケッチブックを持参せねばとの思いが募る。
 あえて左手の道を進むと、屋敷内に水車が回っているの見い出す。昔この辺りは堰川を利用した水車が多かったが、その時代の名残のようだ。

↓ 昨年連載のクリスマス特集(第1回目)は写真下のURLをクリック 
              
http://blog.goo.ne.jp/rekishi-huukei/d/20051213
       
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芸術作品としての山形の蔵 (9)

2006-12-16 23:12:31 | 建物
 今までこのシリーズではどちらかといえば“無名”の土蔵を紹介してきたが、今回は“有名”な部類に属する。“有名”というよりは“公開型”というべきか。
 以前は文字通りの土蔵であったが、現在はいわば郷土料理レストランとして活用されている。また、2年に一度の国際ドキュメンタリー映画祭では国際交流の社交場として多くの外国人や日本の映画人と映画ファンで賑わう。
土蔵としての本来的な利用はもちろん、まったく別の用途に使用されるにしても多くの山形の土蔵が恒久的に活用されることが望まれる。
 
※昨年の今頃は「クリスマス・シリーズ」としてキリスト教関係の記事を連載したので、右欄の「2005年12月」をクリックしてご覧ください。
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ガラスの城は耐震構造なの?

2006-12-15 21:29:14 | 建物
    
  ↑ 大手門パルス(山形市)   ↓ 盛岡市駅西のビル
           
 最近山形市内で壁面がふんだんにガラス貼りになっているビルが新築オープンした。教育関係団体は同じ場所の以前の建物に引続き入居しており、労働金庫は数分ほど離れた場所から移転入居している。この新ビルの以前は「教育会館」と称していたが、教育とは直接無関係の機関が入居したため近くの山形城跡に因んだ名称のビルになった。
 この地も元々は山形城の三の丸の内部に位置しており、まさに「城」が再建された感がある。ただし、城は城でも「ガラスの城」である。
 ガラスの城はここだけではない。最近ガラスの城は建築ラッシュの感がある。先日訪れた盛岡でも外壁の大半がガラス貼りのビルが目についた。
 見た目にはきわめて現代的で開放的だが、やはり意匠上安直に思えるし、とても古典的建造物の風格あるデザインとは比較できない。
 なによりも耐震構造がやかましく言われる昨今、このようなガラスだらけの建造物が増加する一方の状況について、このブログの読者に建築家の方が居られるなら、はたして安全安心の建物なのか是非コメントをいただきたい。

 
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芸術作品としての山形の蔵 (8)

2006-12-14 21:53:49 | 建物
 蔵はすべてが「土蔵」というわけではない。
 この蔵の場合は石材が用いられており、したがって「石蔵」ということになるのかもしれない。ゆえに外観自体も“和風”というよりは“洋風”、しかも南欧風という感じになる。それでも、あくまでも意匠は土蔵的であり、小樽に多い石蔵とは趣きがだいぶ異なる。

 ※ この蔵は市街地の西南部に所在している。
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芸術作品としての山形の蔵 (7)

2006-12-13 20:36:03 | 建物
 朴訥そのものと言ってもよい土蔵も山形の街のあちこちで見られるが、それはそれなりに味わいがあり、やはり我らに何やら街の歴史を語りかけているようだ。
 この土蔵は“現役”として活用されていることは確かであるが、道往く我らでもすぐ入り込めることができるようで“開放的”なだけに邸宅の“宝物”が収蔵されているとは思われない。
 それでもこの存在自体が宝物であることには変わりがなかろう。

 ※[附記] 実際に、山形の土蔵の奥深くに収蔵(蔵主すら日常は関心外のために事実上“死蔵”状態も含む)されている古美術品等を全て陳列すれば「巨大な古美術館」が出来上がるとも言われている。
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ファスト風土のお話し

2006-12-12 23:06:02 | 街づくり
 地元の芸術系大学(東北芸術工科大学)での特別講座(シリーズ東北の風景再発見)に参加した。 この講座は主対象は学生であるが、今日の講座には数名の市民の参加があり、私もその中の1人であった。
 今日の講師はカルチャースタディ研究所所長の三浦展(あつし)氏で、演題は「ファスト風土化する日本の行方」である。
 三浦氏は今日の演題とほぼ同一の『ファスト風土化する日本』(←クリック)という著書でも有名で、最近の日本の風景は特に郊外型の新興商業ゾーンに見られるような光景をマクドナルド・ハンバーガーを始めとするファストフードをもじって「ファスト風土」と表現されている。いわば即席で出来上がり、はかなく消え失せる光景である。山形などの東北地方も例外でない。
 これが昔からの地方のコミュニティや歴史ある街並みを崩壊させ、人々の生活、家族のあり方、近隣の人間関係をも大きく変質させ、精神をも変容させ、大都会特有であったはずの不可解で残虐な犯罪までも地方で多発させるようにまでなったという話であった。
 一方、郊外型のファスト風土の先進国アメリカでは既に郊外型の大型商業ゾーンのゴーストタウン化が相次ぎ、コンパクトシティへの回帰をめざす見直しの取り組みが進められているというが、現在の日本は今なおファスト風土化の進展は留まるところを知らない状況だということである。

 ※写真は講師に対して質問する学生。講師の顔が小さくて失礼!
  山形のファスト風土的景観は5月26日の記事の写真(←クリック)を参照。
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和と洋の窓は残ったが・・・ある写真館の物語

2006-12-11 23:40:11 | 建物
上の写真は山形にある旧写真館の一階の外側に面した窓と2回の待合室の窓である。(この写真館の外観の写真は11月23日の記事で掲載)
 朝のNHK連続テレビドラマ『芋たこなんきん』は某女性作家の半生がモデルとなっているが、主人公の実家である大阪の瀟洒な写真館は空襲で灰燼に帰してしまっている。
 空襲で焼け落ちるまではスタジオ内は連日のように出征兵士たちの姿が見られたが、そこまでは山形の写真館もまったく同じである。
 しかしこの山形の写真館がこのドラマの写真館と大きく異なるのは、戦災に遭わなかったから建物は現在に至るまで存続しているということと、戦後は日本兵に替わり大勢の陽気なアメリカ軍の将兵で賑わったことである。
 外側の洋風のまどは米兵たちに郷愁を漢字させるものとして親しまれ、待合室の窓は和風の趣きのため異国情緒で喜ばれたようである。
山形の近代史を見つめてきたこの洋館も廃業してから既に10年になるが、街のシンボルとして永く建ち続けてほしいものである。和と洋の窓もそう語っているようだ。
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芸術作品としての山形の蔵 (6)

2006-12-09 22:15:27 | 建物
「盛岡」シリーズを終え、休止も入れて6日ぶりで「山形の土蔵」シリーズを再開することとなった。今後も断続的ながらこのシリーズを続けて行きたい。

 和風であれ洋風であれ現代ビルであれ、古くなった建物は容赦なく解体されることが多い山形の建物の中でも「土蔵」は比較的「生き残る」確率が高いようだ。
 そもそも部厚い土壁の頑丈な造りであり、解体自体が費用がかなり高額になるだけでなく、存在感あふれる個性的な建物であり、我が家と地域の歴史をすべて呑み込んでいるようで、単なる物体とは思えず、所有者にとってもひと思いに解体するには忍びなく思える存在だからではないか。
 だから、屋敷内の母屋や他の建物はすべて現代風に改築されても土蔵だけは残されることが多いのであろう。
 それでもやはり「解体の波」は土蔵にまで押し寄せていることには変わりがなく、保存と活用を考える若者たちの活動(←クリック)が見られるのである。

 ※ 写真は現存する個人所有の蔵なので、具体的な所在地名は割愛してます。
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まだまだ見所多い盛岡

2006-12-08 18:03:03 | 建物

 ↑ 堂々としたこの巨岩はなんと盛岡市街のど真ん中に鎮座している。盛岡城跡の北部分に藩祖らを祭る神社があるが、社殿のすぐわきにどっかりと構えている。

 ↑ ああ美しや、美しや! まばゆい日本刀か、南部美人のよう。
   城跡の石垣の美しさにこれほど感動したことはない。(盛岡城跡岩手公園)

 ↑ 自然文化複合遺産としての洋館(明治19年建造の旧石井県令私邸)
   建物も存在感充分だが蔦の絡まり具合も凄みのある芸術作品のようだ。
すぐ近くの和風庭園は火曜日なのに休館で落胆したが、この洋館を見つけて疲れも吹き飛んだ。だが観光コースから外れ内部は施錠されていたし、無関係のクルマの駐車が雰囲気を毀している。これが馬車や人力車ならサマになるのだが・・・。やがて解体・・・という運命を待っているのだろうか。まことにモッタイナイ!
   

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