山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

ファスト風土のお話し

2006-12-12 23:06:02 | 街づくり
 地元の芸術系大学(東北芸術工科大学)での特別講座(シリーズ東北の風景再発見)に参加した。 この講座は主対象は学生であるが、今日の講座には数名の市民の参加があり、私もその中の1人であった。
 今日の講師はカルチャースタディ研究所所長の三浦展(あつし)氏で、演題は「ファスト風土化する日本の行方」である。
 三浦氏は今日の演題とほぼ同一の『ファスト風土化する日本』(←クリック)という著書でも有名で、最近の日本の風景は特に郊外型の新興商業ゾーンに見られるような光景をマクドナルド・ハンバーガーを始めとするファストフードをもじって「ファスト風土」と表現されている。いわば即席で出来上がり、はかなく消え失せる光景である。山形などの東北地方も例外でない。
 これが昔からの地方のコミュニティや歴史ある街並みを崩壊させ、人々の生活、家族のあり方、近隣の人間関係をも大きく変質させ、精神をも変容させ、大都会特有であったはずの不可解で残虐な犯罪までも地方で多発させるようにまでなったという話であった。
 一方、郊外型のファスト風土の先進国アメリカでは既に郊外型の大型商業ゾーンのゴーストタウン化が相次ぎ、コンパクトシティへの回帰をめざす見直しの取り組みが進められているというが、現在の日本は今なおファスト風土化の進展は留まるところを知らない状況だということである。

 ※写真は講師に対して質問する学生。講師の顔が小さくて失礼!
  山形のファスト風土的景観は5月26日の記事の写真(←クリック)を参照。
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