山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

和と洋の窓は残ったが・・・ある写真館の物語

2006-12-11 23:40:11 | 建物
上の写真は山形にある旧写真館の一階の外側に面した窓と2回の待合室の窓である。(この写真館の外観の写真は11月23日の記事で掲載)
 朝のNHK連続テレビドラマ『芋たこなんきん』は某女性作家の半生がモデルとなっているが、主人公の実家である大阪の瀟洒な写真館は空襲で灰燼に帰してしまっている。
 空襲で焼け落ちるまではスタジオ内は連日のように出征兵士たちの姿が見られたが、そこまでは山形の写真館もまったく同じである。
 しかしこの山形の写真館がこのドラマの写真館と大きく異なるのは、戦災に遭わなかったから建物は現在に至るまで存続しているということと、戦後は日本兵に替わり大勢の陽気なアメリカ軍の将兵で賑わったことである。
 外側の洋風のまどは米兵たちに郷愁を漢字させるものとして親しまれ、待合室の窓は和風の趣きのため異国情緒で喜ばれたようである。
山形の近代史を見つめてきたこの洋館も廃業してから既に10年になるが、街のシンボルとして永く建ち続けてほしいものである。和と洋の窓もそう語っているようだ。
コメント
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