前回に続く 松島の雄島が「奥州高野」なら真言系の霊場ということになるが、山寺の宝珠山は天台宗の霊場である。でも大自然を仏道修行の場としている点ではまったく同様であるし、岩場の多い屏風のように切り立つ里山を霊場としている点ではやはり真言密教系の広島尾道の千光寺と山寺立石寺とは似通っている。
また、雄島が元来「御島」と呼ばれていたのは都の貴人から千本の松を寄進されたことに因り、そこから「松島」の名が湾一帯に広がったようであるが、山寺の宝珠山も岩場が多いゆえに松の木が多く植生している。
松は古来より神聖視されがちな樹木であり、それゆえに松が多い場所は霊場としても適切と考えられたのであろう。
雄島の修行僧たちは常緑の松の間に広がる海面を見つめ、かすかな潮騒と潮の薫りが漂う微風を体に感じながら、大宇宙から霊気を頂いたに違いない。
◆写真 ①岩をくり抜いたトンネルを出ると霊気漂う岩窟群 ②雄島から望まれる松島群 ③島の南端に近い所に建つ「頼賢の碑」を覆う鞘堂 14世紀初めの建造で重要文化財 ④代表的な松島の景観 ⑤またもや岩窟群 ⑥雄島の南半分 手前は松島海岸の砂浜 ↑ 二段式クリックにより写真画面が拡大
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます