山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

世界最古の石鳥居「地震なんぞ怖くない!」

2008-06-25 21:50:59 | 郷土史

 6月25日山形大地震説の当否もあと1時間足らずに迫った。むろんこの説は中高生の間でメール等により流布された一種の“都市伝説”として一般に受けとめられている。
 今日の午後3時頃に山形市内の南部を通りがかったが、比較的近い所に日本最古の石鳥居(つまりは世界最古)と称されている2基の石鳥居(ともに国の重要文化財)は当然びくともしていなかった。
 どちらも平安時代中期から後期にかけての造立のようだが、この長い期間に倒壊しないでいたことは当地方がいかにひどい風水害や大地震に見舞われることが少なかったことを証明するかのようだ。
 しかも蔵王山系から流れ下る幾筋もの中小河川や豊富な地下水とそれらの水流によって運ばれた養分により稔り豊かな大地となり、最上(もがみ、さいじょう)の地と称されるようになったのだとも伝えられている。
 写真「左」の鳥居は以前周辺の地名が「元木」と呼ばれていたので「元木の石鳥居」と呼ばれていたが、この写真の石柱には「御立鳥居」と記されている。少し離れた山麓の集落「小立」の飛地であったからのようだ。現在の地名はこの鳥居にちなんで「鳥居が丘」となっているが、かつてはのどかな田園地帯の中に屹立して竜山山系を御神体のようにしていたこの鳥居の周囲は現在すっかり市街地化してしまい、鳥居を通して山の姿を拝見することは困難になった。
蔵王成沢の鳥居は12世紀初期の造立のようだが、鳥居が丘の鳥居は少し古く、伝説上当盆地を来訪したとされる都の歌人藤原実方やその娘中将姫の時代に近いのかも知れない。もしかして、くぐったのかも・・・。これについては後日にあらためて論じたい。
  写真をクリックすれば説明の文字も拡大します。

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