↑ 歩道と車道の間に雪の塀 ↓ 雪降ろしがなされた老舗の屋根(双方とも大石田)
山形市は幸せな都市だ。何しろ国際スキー場と樹氷で有名な蔵王を有しながら、積雪量は山形県の内陸部では最も少ない所でもあるからだ。
東京発の山形新幹線に乗る旅行者は、福島駅を過ぎ、山形県内に入ると雪の多さににまず驚く。県境前後の山間部なら雪が多いのは当然だが、米沢市街地でも雪が多い。山形市はその米沢よりも北だから米沢以上に雪が多いのかと思うのも無理はない。
だが、意外や意外。上山に入ると雪はかなり少なくなり、山形駅に近づくにつれ、雪は少なくなる。今年は県全体がいつもより多雪だから山形市内の雪も決して少なくはない。それでも駅を出て中心街を歩けば長靴などほとんど不用である。
ところが、更に北上して村山市以北になると再び雪は恐ろしいほど深くなる。一昨日も述べたように、山形市の積雪が36cmに対して大石田は205cmである。
山形市の東方には蔵王を始め奥羽山脈が屏風のように立ちはだかり、山形市も完全に裏日本(日本海側)に属している。それなのに何故雪が少ないのか。
考えられるのは第一に、山形市の西方には峻厳な朝日連峰と月山の連なりと白鷹丘陵の2つの「衝立」が大量の湿気を含んだシベリアからの寒風を遮っており、第二に、最上川の本流が山形市から大きく逸れているので、最上川伝いに吹き込む日本海からの湿風が届きにくいからではないか。
これに対して同じ内陸部でも新庄、大石田は最上川が貫流し、また米沢盆地も最上川の上流に位置し、かつ宇津峠は荒川伝いの日本海からの風を遮ぎきるほどの高さはないので、多雪となりやすいのであろう。