山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

水没のニューオーリンズと33年前の山形市のノーカーデー

2006-02-02 07:43:22 | 街づくり
 いずれ巨大な嵐が河口の巨大都市ニューオーリンズの街を呑み込んでしまうかもしれない 
  『気象大異変』より (船瀬俊介氏著 リヨン社 2005年7月初版)
 
 ジャズの聖地ニューオーリンズが超大型ハリケーン「カトリーナ」による高潮で一帯が浸水し多数の犠牲者を出したのは昨年の8月下旬だから、上記の本の出版からわずか1カ月であり、地球温暖化に伴う大災害発生予測の確率の高さに驚く。  さて、上の微笑ましいイラストと「カトリーナ」との関連であるが、「クルマに休養させる」行政施策を日本や米国など先進諸国が長年月怠ってきたツケがニューオーリンズ災害に象徴的に現れたということである。
 このイラストはマイカーを休ませて家族がピクニックにでかける様子で、これは昭和48年3月の山形市報に掲載された「ノーカーデー」を市民に呼びかける記事の挿絵である。ざっと33年も昔のことで、マイカーの台数はわずかに現在の7分の1であった。だがいつしか取り止めとなり、現在は他に実施している自治体のこともほとんど耳にすることがない。
 クルマの走行に伴う二酸化炭素の排出量は全排出量の20%と少しだが、クルマ社会全体を支えることによる二酸化炭素の排出はその2倍以上にはなろうから、クルマ社会の地球温暖化への“貢献度”はすこぶる大きい。
 もし、他の諸国も含めクルマの台数がこのイラストが描かれた昭和40年代程度のままで、しかもノーカーデーの施策も実効性が高かったら、二酸化炭素の大量排出による地球温暖化をこれほどまでに加速化させることはなかったであろう。 今冬は予想外の長期的豪雪で、ハリウッド映画『デイ・アフター・トゥモロー』で温暖化によるアメリカ北部の氷結が描かれていたことを想い出す。
 氷山の溶解で海水の塩分が希薄化すれば赤道方面からの暖流が異変して暖流が暖流でなくなり、南北両極付近が一層寒冷化する。また、赤道付近では二酸化炭素などの温室効果ガスにより海水温度が上昇し、暖気である高気圧の勢力が増大する。この冷気と暖気がせめぎ合って偏西風を大きく蛇行させ、異常寒波と異常高温のいずれかをもたらす。
 昨日のニュースではブッシュ米大統領までがとうとう「石油依存からの脱却」を口にしたという。クールビズもウォームビズも良いが、「ノーカーデー」も今日こそ実施が必要ではないか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする