昨日、いや一昨日か、10日に颯太が勉強していた。
それも苦手な英語だ。
こちらから一切の指示は出していない。
今は腹筋の時期だ、3時間走り続けさせる。
ゆえにやりたい教科をさせている。
しかし、気になるので何をしているのかは通りがけに眺めている。
これがまた延々と英語・・・それも苦手な英語だ。
机に向かう顔を眺める、・・・当然ではあるが、それほど楽しそうでもない。
しかし、綿綿と英語なのだ。
マラソンに臨む俺の顔に見えたのは錯覚?
センターマークで高校生の先輩たちとシノギを削った颯太だ、国語が安息の地。
そして理科や社会はそれほど苦もなくノルマに達していた。
数学は中2の出張授業の時に三角比まで理解した力量である。
そんな颯太が英語と対峙している。
マラソンを走るように、身体のいたるところが違和感を感じるように、ひいては将来のために己の身体を痛めつけるように、英語と対峙している。
今の俺と共鳴しあうような自分の不甲斐なさに呆れるような横顔。
延々と2時間半だ。
ラストにきて、やっと安息の地の国語の問題週をやり始める。
俺は机の上で演じられるマラソンをこの眼で見ている。
できればこのレース、松阪高校のグラウンドで見てみたい。
昨夜、アキラは「プルートー」と5km40分の速度で読みながら「滝沢は分からない」と呻いた。
そして今、福島先生は滝沢の「モンスター」を5kmを20分のスピードで快調に飛ばす。
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