らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

昆虫「螻蛄(けら)」

2023-11-10 | 家庭菜園

畑を耕していると、土の中からいろいろな虫が出てきます。
ミミズは勿論、コガネムシの幼虫やヨトウムシ、ケラや名前を知らない小さな虫など、いろいろな虫に出会います。
ミミズ以外は農作物に食害を与えるので捕殺しますが、ケラは何となく愛嬌があるので逃がしていました。
しかし、作物の根を食べるなどの害があることが分かってからは、可愛そうですが捕殺することにしています。

「螻蛄(けら)」
「ケラ(螻蛄)」はバッタ目(直翅目)・キリギリス亜目・コオロギ上科・ケラ科(Gryllotalpidae)に分類される昆虫の総称です。
体長は約3センチほど、頭部と前胸は頑丈で、前足はモグラに似て熊手状になっています。
全身が褐色で、金色の短い毛がビロードのように密生しており、尾には触角と同じくらいの長さの尾毛が2本あります。
そして成虫には翅があります。
地中に穴を掘って棲み、昆虫などを捕食するほか植物の根なども食べる害虫です。



「螻蛄の特性」
螻蛄(けら)は後翅(うしろばね)が長く、夜には飛んで灯火に集まる事があります。
更に、 秋に鳴く虫の一種でもあり、泳ぎも上手く、バッタの仲間の鳴く虫としては飛行することが出来る多才な昆虫です。
螻蛄はこの様な特性を持っていることから次のような諺も生まれています。

・「螻蛄(けら)の七つ芸 」・・いろいろと芸を持っているが、上手なものは一つもないことのたとえ。
 螻蛄は「掘る」「走る」「跳ねる」「飛ぶ」「よじ登る」「泳ぐ」「鳴く」の七つの特性を持っています。
 しかし、どれも特に巧みとは言えないことから中途半端とされ、いわゆる「器用貧乏」といった使われ方をする諺です。

・「螻蛄の水渡り 」・・・・・・いくら努力しても成し遂げられないことのたとえ。
 ケラは泳ぐこともできるのですが、すぐに止めます。
 このことから、物事を最後までやり遂げないこと、他人の真似をして失敗すること等を譬える諺です。

・これが拡大した螻蛄です。前足が万歳をしているように見えるでしょうか?


「おけら」
日本では昔からケラ(螻蛄)の事を「おけら」と呼んで親しんでいますが、この昆虫は雑食性で大食いであるため、堀り当たった植物の根は大概食べてしまい、農業に害をなす害虫です。
なお、お金がない状態を「おけら」と言いますが、これは、「おけら」を正面から見た際、前足が万歳(=お手上げ)をしているように見えるので、そこから、所持金を無くし、お手上げ状態になっている人を譬えてこのように呼ぶようになったのだそうです。

多才な持ち主の「おけら」ですが、あまり良い意味で例えられない昆虫ですね。


コスモスの花弁は何枚?

2023-11-08 | 

秋の花と言えばコスモスですが、この花弁は何枚あるのかご存じでしょうか?
下の画像はコスモスです。数えてみると8枚あります。
簡単ですよね。誰でもわかります。
でも正解は8枚ではありません。
実は5枚なのです。

「コスモスの花」
コスモスは小さな花が集まって一つの花を形成する植物で、頭状花と呼ばれる咲き方をします。
これはキク科の多くの植物に見られる特徴で、ひまわりやタンポポも、花弁や中央の小さな花一つ一つが独立した花で、まとまることで一つの大きな花を形成しています。
花びらに見えているのは舌状花と呼ばれ、昆虫を集めるためのただの広告塔で、コスモスの本当の花は、中央にまとまった黄色い部分なんだそうです。

・花弁に見える8枚は舌状花で、本当の花は中央の黄色い部分です。


「頭状花」
「頭状花」とは、小さな花が集まって一つの花を形成する咲き方をする植物です。
コスモスの場合、一つの頭状花の周辺に花びらのように見える「舌状花(ぜつじょうか)」と呼ばれる通常8個(枚)の花からなっています。
舌状花には雌しべ、雄しべはありませんが、花粉媒介の昆虫を呼び寄せるための広告塔の役をしています。



コスモスの頭状花は「舌状花」と「筒状花」の2種類の花から構成されています。
・「筒状花」
一つ一つは花びらの基部が細い筒となり、先端部が五つに割れて星形になったもので、これを筒状花(つつじょうか)あるいは管状花(かんじょうか)と呼んでいます。
星型に開いた花弁の中から黒い雄しべが見えます。

・「舌状花」
花びらの基部がやはり細い筒となっていますが、その先は一つの方向に向けて、幅広い平坦な広がりを作るもので、これを舌状花(ぜつじょうか)と呼んでいます。
コスモスの最外列に位置している舌状花は8つあるので、結果的にコスモスの頭状花としての花弁は8枚にみえますが、この8枚は花になります。

・中心部の筒状花です。花弁5個が星形に開いています。



季節外れのタンポポ開花

2023-11-06 | 

先日、畑へ通じているあぜ道でタンポポが咲いているのを見つけました。
このタンポポは、車を止めている場所から畑までの僅か50㍍ほどのあぜ道の3か所に一輪ずつ咲いていたのです。
タンポポと言えば春の代表的な花であり、春から夏にかけてよく見かけるお馴染の花です。

そのタンポポが11月に入った晩秋に咲くのか?

今年は気温が高く、晩秋になっても25度以上の夏日があることから、タンポポも季節を勘違いして狂い咲きしたのか? と思い、調べてみました。

・あぜ道に咲いているタンポポです。


「タンポポが咲く時期」
前記したように、タンポポと言えば春に咲く花としてよく知られています。
ネットにもニホンタンポポは春にしか発芽・開花しないと書かれていました。

ところが、セイヨウタンポポは一年中どこでも発芽し、開花するのだそうです。
という事は、私が見つけた3か所で咲いていたタンポポはセイヨウタンポポという事になります。
セイヨウタンポポが晩秋のこの時期に咲いていたのです。
私が見つけたタンポポは、狂い咲きでも季節を勘違いしたのでもなかったようです。



「セイヨウたんぽぽ」
日本にあるタンポポの8割はセイヨウタンポポか在来種との雑種なんだそうです。
そして、在来種のタンポポは春にしか発芽・開花せず、セイヨウタンポポは年中、発芽・開花します。

セイヨウタンポポの原産地はヨーロッパで、日本へは明治時代初期、札幌農学校の教師をしていたアメリカ人が、野菜用として持ち込んだものが野生化したのだそうです。



「セイヨウたんぽぽとの違い」
日本にはカントウタンポポなど、在来種が10種類ほどありましたが、明治時代にセイヨウタンポポの種子が持ち込まれたことをきっかけにどんどん繁殖し、今では都市近辺で見られるのはほとんどがセイヨウタンポポだそうです。
日本のタンポポと西洋タンポポの違いは、花のすぐ真下の部分、総苞(そうほう)と呼ばれる花びらをまとめる部分に違いがあります。

下の画像のように花のすぐ真下の総苞(そうほう)と呼ばれる花びらをまとめる部分が、
・西洋たんぽぽは反り返っていますが
・日本タンポポは閉じています。

・赤く囲んだ部分が反り返っているのがセイヨウたんぽぽです。


セイヨウたんぽぽの区別が分かったところで、私が見つけたタンポポ(上の画像)を確認したところ、矢張りセイヨウタンポポでした。


レモングラス

2023-11-04 | 家庭菜園

レモングラスという植物をご存じでしょうか?
ブランデーグラスではありませんよ。
ブランデーグラスは石原裕次郎のヒット曲ですが、レモングラスはススキのようなイネ科の植物です。
私の畑にも一株植えているのでご紹介します。

「レモングラス」
レモングラスとは、イネ科で多年草のハーブです。
細長くとがった葉を根元から真上に伸ばして生い茂り、その姿はまるでススキのようにも見えます。
草丈は80~120cmほどまで生長し、根元の方はしっかりとした茎状になっています。
原産国はインドで、日本には大正時代の初めに渡来しました。

レモングラスは冬の寒さには弱いので、私は12月に草丈20㎝くらいで刈り取ってしまいます。
そうすることで、来春には新葉がたくさん伸びてきて、また、爽やかなレモンの香を届けてくれます。

レモングラスの一番の特徴は、レモンによく似たフレッシュな香りと、さわやかな味です。
この香りの主成分はシトラールという化合物なのだそうです。
レモンフレーバー(レモンの香料)を作る材料にも使われるくらい、レモンそのものよりもレモンの香りがするといわれています。

「レモングラスの活用」
レモングラスはショウガの持つスパイシーな香りと、レモンの持つ爽やかな香りが特徴のハーブです。
東南アジアではとてもポピュラーなハーブで、タイの代表的スープ「トムヤムクン」の風味付けや、カレーのスパイスによく使われているそうです。
料理の香り付けはもちろん、クッキーやケーキなどのお菓子に使われたり、お茶としても楽しめ、更に、アロマテラピーや化粧品にも利用されています。
また、胃腸の働きを刺激して、消化を促す作用もあるので、食べすぎた時の胃もたれにも役立つということです。

「ブランデーグラス」
レモングラスは料理や健康にもよいハーブですが、ブランデーグラスもいい曲です。
昭和52年(1977年)に石原裕次郎がリリースして大ヒットしました。
片ぐるしい記事の後は、石原裕次郎の魅惑の歌声でおくつろぎください。                       

                        ・ブランデーグラス(石原裕次郎)昭和52年



『秋の夕焼け鎌を研げ』

2023-11-02 | 季節

漸く秋らしくなりましたね。
当地では先月の中ごろから最高気温が25度以下で推移しており、先週は22~23度まで下がって快適な秋日和となっています。
家庭菜園ではこの快適な気温の下、夏の間放置していた畝の片づけが進み、草取りが一段落するなど、農作業がはかどりました。

「慣用句」
ところで、秋のこの時期の農作業について言い表した諺があります。
農業関係者以外の方はご存じないかも知れませんのでご紹介します。
それは、
 『秋の夕焼け鎌を研げ、秋の朝照り隣に行くな』
です。
この意味は、
 秋の夕焼けは翌日が晴天の証だから、鎌を研いで用意しておくのが良い。朝焼けは、雨になる証だから、近所に行くのも中止した方がいいということです。

「夕焼け」
夕焼けが見えるということは西の空が晴れているということです。
日本では秋は天気が西から東に移り変わることが多いので、西にあった晴れのエリアが翌日には東に移ってきます。
これが夏や冬だと太平洋高気圧や冬型の強さなどが影響して、単純に西から東へ移動しないことが多くあります。
このような事から、この諺は秋の天気を基に農作業の準備をしておくように、という昔からの言い伝えになっています。
もし、ぐずついた天気が続いて晴れを待ち望んでいるような時は、夕方の西の空に注目するのもいいかもしれません。

・先日の我が家のベランダから撮影した夕焼け空です。


私の畑でも秋の好天に恵まれて畝作りが進みました。
下の画像は夏の間放置していた箇所や落花生が植えられていた畝です。
放置してところは草が一面に生えていましたが、次の野菜の植え付けのため、先日、漸く畝立てが終わりました。
この後、手前や左側の畝も片付けて畝を立て、たまねぎ、エンドウ、ソラマメ、それに2月にはジャガイモなどを植える予定です。

・時候がよくなって畑仕事もはかどるようになりました。