連日の猛暑に加え、お盆には台風7号の暴風雨に見舞われるなど、厳しい天候が続いていることから、畑にはほとんど行かず、もっぱら昔から撮り溜めているビデオを観て、ハードディスクの空き容量を増やしている毎日です。
お蔭で50GBほどに減っていた空き容量は、現在では500GBまで増えてきました。
これだけの容量があれば、しばらくは容量不足の心配はなさそうです。
さて、撮り溜めたビデオの中に、私の好きな「伝説もの」のドラマがあったので今日はその伝説を調べることにしました。
そのドラマは、渡瀬恒彦の十津川警部シリーズ-第51作「京都〜小浜殺人迷路〜八百比丘尼伝説の怪〜」です。
そのあらすじは次の通りです。
「あらすじ」
十津川警部(渡瀬恒彦)の妻・直子(かたせ梨乃)は大学時代の同窓生、花村亜紀(芦川よしみ)、後藤久代(中島はるみ)、山口敏子(服部真湖)と京都で再会します。
彼女たちは同窓生で画家の金井富美(烏丸せつこ)が文化賞受賞したことから、その受賞を祝うパーティーに出席して喜びを分かち合いました。
直子は、敏子と後日東京で再会することを約束して別れました。
十津川の妻・直子が約束の日にホテルの部屋を訪ねると、敏子はその部屋でワインに毒物を盛られ死んおり、部屋には椿の花束が残っていました。
この事件の真相を巡ってドラマは展開していきます。
「八百比丘尼」
ドラマの中で「八百比丘尼(やおびくに)伝説」の話が出ていました。
八百比丘尼とは、日本の伝説上の人物で、特別なもの(人魚の肉など)を食べたことで不老長寿の身となり、800歳に達したという比丘尼(尼僧)で、全国を旅したといわれています。
福井県小浜市の空印寺の洞穴に住み,その容貌は美しく,15,16歳のように見えたと言われています。
若さを保っているのは,禁断の霊肉である人魚の肉あるいは九穴の貝(アワビ)を食べたためと伝えられいます。
八百比丘尼伝説は各地に存在するようです。
福井県小浜市の伝説は、ひとりの娘が特殊なものを食べて不老長寿(1000年の寿命)の身となったお話です。
「八百比丘尼伝説」
昔、若狭国小浜に高橋権太夫という長者が住んでいました。
ある日、舟を出して遊んでいると嵐が起こり、見知らぬ島に流されてしまいますが、そこで思わぬもてなしを受けることになりました。
目の前には見たこともない山海の珍味がずらりとならんでおり、その中に一つだけ奇妙な形をした肉がありました。
男はその肉をひと切れ手にすると、そっと着物の袖に隠し、家路へとつきました。
「あの夢のようなひと時はいったい何だったのだろうか」と暫くは考えていましたが、やがて肉のことはすっかり忘れてしまいました。
月日が経ち、権太夫の娘は脱いであった父の着物をしまおうと袖に手をやると、妙なものがでてきました。
「何だろう?」
と奇妙に思いながらも一口食べてみると、これがとても美味しいので、何の肉かも知らずに全部食べてしまったのです。
やがて娘は年ごろになり結婚したのですが、どういうわけか一向に老いる気配はなく、反対に、亭主のほうは次第に老いていき、ついに亡くなってしまいました。
娘はその後も何人かの男と結婚しますが、依然として老いはやって来ず、亭主だけが老けては死んでいったのです。
「どうして私だけ若いまま、姿が変わらないのだろう?」
気がつけば800年ちかくの時間が流れていました。
人がこれほど長く生きるというのはどう考えてもおかしい。
自分の身が恐ろしくなったのか、世の無常を感じたのか。娘は髪を切って尼になりました。
そうして古い寺の修築や道路や橋の改築などに手を貸しながら、諸国を巡ったといいます。
京都清水の定水庵に居を定めたときには、長寿の娘を一度見たいと連日のように人が押し寄せました。
人びとは800歳まで生きた彼女を、八百比丘尼と呼ぶようになったのです。
八百比丘尼は故郷へ戻ると空印寺(くういんじ)のほとりに小さな庵を結んで暮らすことにしました。
しかしまだまだ死ぬ気配はありません。
生きることに疲れた八百比丘尼は、自ら命を絶つことを決め、境内の洞穴に籠ると食を絶ったのです。
その際、椿が好きだった八百比丘尼はその枝を洞穴にさし「この木の枯れぬうちは死なぬ」と言い残したと伝えられています。
なお、彼女が口にした「奇妙な形をした肉」とは、人魚の肉だったということです。
人魚の肉を食べて不老不死の身を得た八百比丘尼ですが、夫や家族、友人・知人が次々と亡くなっていくことに接した時、
・不老不死の自分自身は果たして幸せだったのでしょうか?
・それとも不幸せだったのでしょうか?