らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

「丸亀うちわ」と「左うちわ」

2023-07-17 | 雑学

嘗て、職場の1年後輩に香川県丸亀市出身のS君がいました。
彼が夏休みで帰省した時などに、職場の全員に丸亀土産として団扇を配ってくれたのですが、
その彼曰く、「丸亀は、うちわ(団扇)の生産が日本一なんやでぇ。」と、自慢していたことを今でもよく覚えています。

「丸亀うちわ」
S君が言っていたように、丸亀市は日本一のうちわの産地です。
丸亀市のHPによれば、丸亀うちわの技術は、江戸初期までにすでに確立していたものと考えられているということです。
その後、金刀比羅宮参拝の土産物として、男竹丸柄(おだけまるえ)で朱赤に丸金印の渋うちわが考案され、天明年間には丸亀京極藩士が女竹丸柄(めだけまるえ)うちわの技術を習得し、藩も藩士の内職に奨励したため、うちわづくりが急速に広がりました。
天保年間には、丸亀港が金毘羅船の発着で賑わい、土産物のうちわが飛ぶような売れ行きを見せていったことから、全国に丸亀うちわの名声が高まっていきました。

丸亀うちわは一本の竹で柄と骨が作られているものが多く、1997年(平成9年)5月には経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定されています。
現在は年間1億本以上生産されており、うちわの国内シェアの9割を占めている日本一の生産地です。

「丸亀うちわと京うちわの違い」
丸亀うちわと京うちわの決定的な違いはその作りにあります。
・丸亀うちわが柄と骨が一体であるのに対し、
・京うちわは「挿し柄」といって あとから柄を差し込んで作る工法です。

また、現在、丸亀うちわの主流となっているのが、竹を割って平らに削った柄の「平柄うちわ」ですが、平らに削る技術が広まるまでは、竹を丸い状態のまま柄にしたうちわが多く、細い竹や笹で作ったものを「女竹丸柄うちわ」、太い竹で作ったものが「男竹丸柄うちわ」と呼ばれています。

・丸亀うちわ(ネットより)


「うちわは打ち羽」
うちわは一説には「打ち羽(うちわ)」からと言われ、元々は羽を使ってハエや蚊などの害を打ち払うことを指す「打ち」という言葉と、その道具である「」を組み合わせてできた言葉が語源とされています。
そして、害を打ち払うという行為にはハエや蚊などの虫だけではなく、病魔などの害を撃ち払う魔除けの意味合いも含まれていたそうです。



「漢字の団扇の由来」
でも「うちわ」を漢字で書くと「打羽」ではなく、「団扇」なのは何故なのでしょうか?
この団扇という漢字は、もともとは中国で使用されていた中国の言葉です。
 中国語で丸いという意味である「」という漢字と、観音開きの開閉の際に風が生じる様子を表した「」という漢字2文字で、中国では「団扇」と呼ばれていました。
日本では当初「打羽」という漢字が使われていましたが、次第に団扇が使用されるようになったことが「団扇」という漢字の由来のようです。

「左うちわ」
ところで、団扇といえば「左うちわ」という言葉があります。
左うちわとは、広辞苑には、左手で団扇を使う事。安楽な暮らしの境遇の例えと説明しています。
この語源は、一般的に右手が利き手であることが前提です。
利き手ではない左手で団扇を扇ぐ様子は、ゆったりとして、あくせく働く必要がないように見えたことから、働かなくても余裕があり裕福な人のことを指して用いられたことから、この言葉が生まれたと言われています。