らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

臥薪嘗胆 4年

2017-09-11 | 時事

         桐生選手やったね!    9秒98 おめでとう!
福井で行われていた陸上の日本学生対抗選手権で、9日の男子100m決勝に臨んだ桐生祥秀選手が9秒98の日本新記録を樹立し、日本人で初めて10秒の壁を破りました。         

桐生選手と言えば、4年前の2013年4月の高校3年の時、当時の日本歴代第2位となる10秒01を記録して一躍脚光を浴びました。
「次は日本人初の9秒台だぁ」と騒がれ、大いに期待されました。しかし、なかなか記録更新が叶いませんでした。
昨年のリオ・オリンピックでは、400mリレーで、山縣亮太選手、飯塚翔太選手、ケンブリッジ飛鳥選手らと組んで銀メダル獲得に貢献したものの、男子100メートルでは予選で7組4着となり、準決勝に進めませんでした。
更に、今年8月に開催された世界陸上ロンドン大会では100mの個人種目代表を逃してしまいました

4年前に日本歴代2位となる10秒01を記録した後は足踏み状態が続き、その間に次々と記録を伸ばしてきた多田修平選手や飯塚翔太選手、ケンブリッジ飛鳥選手、サニブラウン・ハキーム選手、藤光謙司選手らの追い上げにもがき苦しんだのではないかと推察します。
それを物語るのが世界陸上ロンドン大会で100mの個人種目代表を逃したことではないでしょうか。
非常に悔しかったことと思います。

しかし、4年間くすぶっていた彼には、“桐生君に一番に9秒台を出して欲しい”と言う声や色々なメッセージがSNSで届いていたことから、常に日本人初の10秒の壁を破るという目標を持って練習に励んだようです。
ニュースでは、一日に50m走を70本走った事もあると報じていました。

よくご存知の諺に「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」があります。
意味は、目的を遂げるために自らに試練を課し、厳しい苦労や努力をすることです。

この故事は、中国春秋時代と言いますから、今から2500年ほど前のことです。
呉王の夫差(ふさ)は、越王・勾践(こうせん)に敗れた父の仇を討つために、薪(たきぎ)の上に臥(ふ)して復讐心を培い、ついに3年後に勾践を会稽山(かいけいざん)で降伏させたのです。

一方、破れた勾践は後に許されて帰国しましたが、以来、常に苦い胆(きも)を部屋に掛けておき、それを嘗(な)めては会稽山での恥辱を思い起こし、復讐心をあおり、ついに十数年後、今度は夫差(ふさ)を滅ぼしたと伝えられています。(出典:十八史略)

今回の桐生選手の走りは、正に、
この故事がピッタリするような、と言っても復讐ではなく、復活を印象付ける素晴らしい走りでした。
辛酸をなめ、プライドを引き裂かれた桐生選手は、4年間の苦しい思いを、日本人初の9秒台突入と言う快挙で一気に晴らしたのです。
呉王の夫差(ふさ)は3年で父の仇を討ちましたが、桐生選手は臥薪嘗胆4年「桐生ここにあり」と、再び名乗りを上げてきました。
彼には常時9秒台が出るように励んでいただき、世界での活躍を期待したいと思います。