いま食の安全が脅かされています。
新聞テレビでは毎日のように中国からの毒入り冷凍餃子事件が報道されています。
昨年は消費期限の改ざん、偽装牛肉、産地偽装などの事件が多発し、消費者を欺いた不埒な業者が摘発されました。
その前には「雪印」の事件がありました。
何年たっても同様な事件が発生しています。
食の安全に対して国はどのような対策を講じてくれるのでしょうか?
そして私たち消費者はどのようにして安全な食品を選べばよいのでしょうか?
現時点で私たち消費者ができることは、食品表示にもっと関心を持つ事ではないでしょうか。
食品を購入するときには原産国、輸出国などを確認し、そして自分の判断で安全と思える食品を購入することが必要だと思います。
ただし製造業者が正しく表示していることが前提になりますが----。
そこで今日は「食品表示基準」について簡単に見てみましょう。
食品表示にかかわる法律は「JAS法」、「食品衛生法」、「健康増進法」、「不当景品法及び不当表示防止法」、「計量法」などがあります。
表示事項や表示方法については、「加工食品品質表示基準」、「生鮮食品品質表示基準」、「遺伝子組み換えに関する基準」などによって細かく定められています。
それらによりますと、次のような項目について表示することになっています。
1.名称 製品名
2.原材料名
原材料に占める重量の割合の多い物から順に記載する。
5%未満はその他とすることができる。
3内容量 数量、グラム量、など
4.賞味期限または消費期限
賞味期限は定められた方法により保存した場合において、すべての品質の
保持が十分可能と認められる期限
消費期限は定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他
の品質劣化に伴い安全性を欠く恐れのないと認められる期限
5.保存方法 冷蔵、常温など
6.原料原産地名
主な原材料でその割合が50%以上のものについて、国産の場合は「国産」、
輸入の場合は「原産国名」を記載する
7.製造業者などの氏名または名称および住所
東京都品川区○○町1-2-3
×× 株式会社
このような表示はよく見ますよね。
私は原産国だけは確認するようにしています。
しかし原産国は書いてない場合がありますね。
上記の「6」に該当すれば原産国名は書かなくてよい場合があります。
また主要な材料を国産で50%以上使用すれば、他の材料が中国のものでも国産と表示する事になります。
このような場合は消費者はその食材すべてが国産と判断してしまいます。
そこで、これからはすべての原材料名とその原産地国を表示して欲しいと思います。
今回の毒入り冷凍食品は原産地基準に該当せず、材料個々の表示は勿論、その原産国も表示されていなかったのではないでしょうか。
中国からの輸入食品は前々から残留農薬、使用禁止農薬などが問題となっています。
食品に限らず、おもちゃ等も人体に害のある化学物質が使用されて、アメリカやヨーロッパの各地で回収騒ぎが起きています。
中国食品のすべてが不安とは言えませんが、今回の件で不安を覚えた人は私を含め、確実に多くなったのではないでしょうか。
以前「食料安全保障」が国会で論議されたことがあります。
言うまでもなく「食料自給率」のことです。
2006年時点でわが国の食料自給率は39%に落ち込んでいます。
今こそ政府はこの現状を深刻に受け止めていただき、少なくとも欧米諸国並みに自給率を向上させるよう政策転換を願いたいものです。
そして国内産の安全な食品を国民に提供して欲しいと思います。