別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

絵はがきから

2009-04-04 | アートな時間

  美術館へ行くたびに求めてくる絵はがき、  殆どは知人に送ってしまうが、 とっておきもある。 それらをジャンル分けして、 空箱いっぱいになった。 並べてみればミニギャラリー、 古いのは子供のころ手に入れたもので、 非常に物持ちがよろしい。
 「フルーツ」 「人物」 「風景」 「静物」 「動物」 「花」 「シュール」 「工芸」などと仕分け、 学芸員よろしくやってきた。 

 2004年6月末の  宮脇綾子の世界展 から、 先日描いたばかりなので 「ひなげし」 を選ぶ。 よく見てください… 蝶もやすんでいますよ 
  兎に角 よく見ることに尽きる。
 

  美しいものを見て、美しいと思う。その感動を私は布へ持っていった 

  まるで絵を描くように、 身近な野菜、魚、草花などをアプリケした。
  素材の質感や色を活かしきった。 例えば 藍の縞柄を交互につけて、筍の皮になる、 掘り出したばかりの瑞々しさが映る。 冬瓜の切り口にはレースをとめ、 その繊維質や、滲みでている水気など、みごとな表現で、 冬瓜はもとからレース編みを積みかさねて出来ていたかと思えるくらい 的確だった。
 
  捨てるものは何もない… 使い古したコーヒーのフィルターは、 ブラウンも褪せて、 くすんだり滲んだり、 干したスルメそのものの味がする。 ストーブの芯はシシヤモになって横たわる。

 どれも本物いじょうで、 ユーモラス。 
 ふきのとうの花、 唐辛子、干し柿、ねぎぼうず、えんどう、ぜんまい、百合…    
 聖護院大根の葉を切り落としても芽吹いてくるところ、 ちいさな△の緑を無数につけていたり、 観察も愉しげで共感した。
  
  サインの「あ」は、 綾子の「あ」、アップリケの「あ」、 
                    感動したときの驚きの「あ」と語った。 

  この方のページで拡大してたくさんの作品が見られます。 

 

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2 コメント

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驚きの”あ” (ふくら雀)
2009-04-04 06:57:00
一つとして同じ形のものはない。それでいて全て芥子そのものですね。
アップリケだからこそできるといった要素もあるのは、筆を使わずに竹を削ったり、割り箸を使ったりして、敢えて線の滑らかを消すのと通じるものもありました。葉の色にも発見が。
忘れていたいいものを思い出させてせていただきました。

昔、銀座の松屋?か何処かのデパートで展示を見ているのですが、買ってきた絵葉書に唐辛子がありました。ここに出ているのとは違うような記憶があります。もう、どこかに行って手元にはありませんが。

メルヘンの世界の芥子。スカートを大きく広げた小さな坊主頭を覗かせた姿、いいですね。白い蝶も見つけました。
作品に展開できそうです。ありがとうございました。
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新たな発見 ()
2009-04-04 16:14:24
 崩したところが魅力、具象でもなく抽象でもない。味のある線描に向けて努力するのにも似て。

 開ききった花、散って1片だけ残ったものなど、色も形も繊細、素材の取り合わせも面白いです。
 唐辛子の絵葉書は私も持っていました。確かポロシャツのいろあせたのを自分で染めたとか。深い色でしたね。 作品それぞれの芸が細かい。作者がトコトン観察して造ったように観る者も深く味わいたいと思いました。
 ご案内のページで拡大してご覧ください。
 絵を描き、針仕事がお得意なふくら雀さんを意識してUPしました。”あ”は、あらたな発見をしたときのよろこび… 
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