別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

クレパスは…

2010-06-09 | アートな時間

上段左 村井正誠<踊る人> 右 脇田 和<青い頭巾>下段左 小杉小二郎<三色すみれと野の花>         右 須田剋太<作品>

   (画像パンフレットより)
 
    再発見! クレパス画
     身近な画材の可能性    
うらわ美術館

 
 寺内萬治郎<裸婦> 

 

  山本 鼎<西瓜>

 

 

 小磯良平<婦人像> 

 

 

  岡本太郎<虫> 

 

  熊谷守一<裸婦>

 

  

  猪熊弦一郎<娘と猫> 

 

 

 難波田龍起<泉>

 

 

  クレパスは、1925(大正14)年、 日本で生まれたのだそうだ。 
 
  幼い日、初めて出会った画材だ。 そのときの油分の匂いや手に着いた赤や緑の鮮烈な色を覚えている。 美術館で 胸が高鳴ったのは格調高い作品と懐かしい思い出のせいもある。
  小学校のはじめての遠足は上野動物園で、 檻の中からこちらをみている猛獣を描いた、それは12色のクレパスだった。  
  中学では 学校から何人か選ばれて作画の競技会のようなのに出た。 当日、24色か36色のクレパスが渡され、 宝物のようで有頂天になった。 絵の出来なぞ何も覚えていない。 巻紙をなぞり、 匂いを嗅ぐだけでしあわせだ。 それまで丸い白墨のような形のばかりで四角のクレパスは珍しく高級品だと思った。 ちょうど有島武郎の「一房の葡萄」 を読んだ頃で、 あざやかなクレパスの色は心にしみ入った。 

 人物、静物、風景、抽象画… 近現代の画家78人による146点を展示

  ていねいに塗り込んだ色面は油彩のようだし、 線描や軽いタッチのものなど 魅力に満ちている。 花の絵や、風景 どれもこれもいい絵ばかり。 クレパスは子どものためばかりではない、 多様な作品を観ればそのことがはっきりする。
  クレパスはなじみやすく絵心を誘われた。今度はクレパスで描こう、 思いが直に伝わるような気がする。 

  中村善策 田崎廣助  鈴木信太郎 大沢昌助 森田元子 
  中村研一 今井信吾  林 武  朝井閑右衛門   
 
  クレパスは、クレヨンの定着性の良さ、 パステルの混色のしやすさ、これらの特長を生かした描画材料です。 はじめの頃、 クレパスには堅い夏用とやわらかな冬用があったのです。 (サクラクレパスから)

             -☆-
 
 特別展示 武内鶴之助のパステル画22点  
   小さな作品だが 繊細な深い描写  雲など
  
 同時開催
   「コレクションから- 水彩、 ドローイング小品集」 

   なかに 福原霞外 「別所沼」 1901(鉛筆、紙) 
    明治34年の別所沼風景がみられた。 
     沼に鴨がいる。 鉛筆の細緻を極めたような描写に心打たれる。

   クレパスでここまで出来る… 油彩を上回る迫力、 完成度 
   引っかき  盛り上げたりする さまざまな技法と表現に溜息が出た。
    鉛筆だけでも すごいものだ


 

  

 

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2 コメント

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感動的です。 (ふくら雀)
2010-06-11 21:59:49
これらが全部クレパス画ですか。驚きです。
うらわ美術館の学芸員さんは有能な方が揃っていらっしゃいますね。羨ましく企画展を拝見しています。
クレパスは、油より手軽に取り組めますね。今度、出かけたら、24色くらいのを求めてくることにします。

見るものを挑発しますね。4枚に組まれた最初の抽象画に強く惹かれました。

刺激をありがとうございました。

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手軽に愉しんで ()
2010-06-12 16:04:37
クレパス画をぜひお描きになってください。おもしろいです。
 ふくら雀さんを捉えたのは、やはり村井正誠の「踊る人」ですね。自由な発想に惹かれます。 抽象画はこころを豊かにします。クレパスは塗り込めれば油のようで、重厚なマチエールが挑発します。今回は図録も絵葉書も作られなかったそうで残念です。 手元に置きたい作品ばかり。梅原や三岸節子などありました。
 
 ふくら雀さんのドクダミもいいですね。
ありがとうございました。
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