ガイドの日。 10時現在、 北側の温度計は-4℃を指していた。
窓越しにお日様がポカポカと暖める。 連続フルマラソンギネス記録の楠田昭徳さんも見かけた。 若い団体も走っている。
ヒアシンスハウスの会報 第一号を読むと、 六十年の歳月を経て建てられたことなどあった。 真っ先に 奇跡であり、驚愕であり、感謝である と 会の代表 北原立木先生が記していた。 建築・文学双方の著名人を発起人にして用地を得るため市役所を何度も訪ね、粘ったこと。 全国の道造の詩の愛好者や市民の浄財により実現したことなど、 関係者への感謝の言葉が並んでいた。
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ここはいつも、 ガイドしながら自らが楽しむ空間だ。 十字の切り抜きのある椅子にすわる。 木材のすがすがしい芳香に心身が浄化される。 吹き抜ける風にこころ躍らせ詩人と逢う。 新鮮な眼で想いにふれる。
朝やけ 立原道造
昨夜の眠りの よごれた死骸の上に
腰をかけてゐるのは だれ?
その深い くらい瞳から 今また
僕の汲んでゐるものは 何ですか?
こんなにも 牢屋ヒトヤめいた部屋うちを
あんなに 御堂のやうに きらめかせ はためかせ
あの音楽はどこへ行つたか
あの形象カタチはどこへ過ぎたか
(後略)
道造のことばが ささやく…
なんと繊細で 危ういことか
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来訪者 午前中 4名。 午後は北原先生にバトンタッチ
ハウスの時間に感謝したい。
居心地の良い知的空間、 心の基地になりました。