別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

宮廷の美

2009-11-20 | アートな時間

 皇室の名宝 2期 第3章 中世から近世の宮廷美 
    宸翰シンカン(天皇直筆の文書)と京都御所のしつらえ
                                   (第3章 展示品リスト 

・更科日記 藤原定家筆
 1帖 鎌倉時代・13世紀 

 他、手紙の草案など展示。推敲の跡。 
 定家様… 独特の癖字に味が。 小倉山荘、百人一首もそろそろ出番。

伊勢物語絵巻詞書断簡 伏見天皇宸筆 1幅 鎌倉時代・13世紀 
 
  料紙に注目。 薄や土坡。雲母引。 葦手文字は五字、ほのくらい照明のもとで探した。

・伏見院御集(広沢切) 伏見天皇宸筆 鎌倉時代 
このほか日記など。伸びやかな断簡もあれば大胆な筆致のも観られた。

・蔦細道蒔絵文台・硯箱(御在来)   1具 安土桃山~江戸時代・16~17世紀
・宇治川蛍蒔絵料紙硯箱 飯塚桃葉作 1具 江戸時代・安永4年(1775)
 

・菊花散蒔絵十種香箱   1具 江戸時代・18世紀
 組香に使用する諸道具を納める箱。梨子地に金、銀、青金の高蒔絵や金の金貝などの技法。 大小さまざまの菊花紋。 

・扇面散屏風 俵屋宗達筆 8曲1双 江戸時代・17世紀
 「保元物語」「平治物語」「伊勢物語」などと草花図。

          

糸桜図屏風 狩野常信筆 6曲1双 江戸時代・17世紀
 狩野探幽の弟 屏風の中央に簾を嵌め込んである、御簾屏風。

   ※ 儀式の予行練習をする定家    どうぞ ご覧ください

           -☆-          

  第4章 皇室に伝わる名刀       (展示品リスト
 刀のまえで身がひきしまる。 畏怖の念をいだくのは武器として思うからだ。 貴重な歴史史料か美術品として、工芸の観点からすれば見どころも魅力もいっぱいありそうだ。 
   
 <メモ>
  ・ 姿…細身  反り  身幅
  ・ 沸 (ニエ)… 地肌および地肌と刃部との境目にそって銀砂をまいたように、細かくきらきらと輝いているもの。 地肌に生ずるものは、 特に地沸ジニエという。
  ・ 匂い…重要な見所の一。 地肌と刃部との境い目にそって霧のように白くほんのりと見える部分。
  ・地景…   飛焼(トビヤキ)…  ・鍛え…板目肌 小板目 ・足 ・葉 ・鎺ハバキ金
  ・刃文… 小乱れ、小丁字 丁字乱れ 直刃スグハ  蛙子カワズコ風 互の目 
        具の目 小互コグの目
 
  言葉を知るだけでも楽しいが、 背中はゾクゾク、こころの糸はぴんと張っている。 「にえ」や「匂い」 なら少しは判る。 鏡面のような刃の表面にうっすらと景色が浮かんでいる。 そこに目をとめるこころの細緻、 よく分からないが宇宙を見、 詩を感じるのだろうか。 ここにも 感性と想像力がいるようだ。 それこそ美術ね

   

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筆の跡

2009-11-20 | アートな時間

 皇室の美 2期 第2章 古筆と絵巻の競演  
         
                                
(第2章 展示品リスト
・恩命帖オンミョウジョウ  藤原佐理筆 1巻 平安時代・天元5年(982)
 小野道風、藤原行成とともに三蹟のひとり。 こころ急く手紙はていねいに。
 詫状に魅かれた。 墨の強弱 濃淡 流れるような文字 
 「不有如然之御用…  「佐理」勤奉 恩命、恐々…」

 

・粘葉本和漢朗詠集デッチョウボンワカンロウエイシュウ
            伝藤原行成筆 2帖 平安時代・11世紀
 粘葉装デッチョウソウによる冊子本。白、薄茶、黄、赤、藍などの具引きのうえに、亀甲、牡丹、雲鶴、唐草文の雲母摺  

 筆の穂先に全ての神経を込めて。 流麗な仮名文字にためいきがでます。

    世中(に)たえて桜のなかりせはゝるのこゝろはのとけからまし   業平
                    ↓
     

・ 春日権現験記絵 巻第1・5・19 高階隆兼筆 3巻(20巻のうち)
  鎌倉時代・延慶2年(1309)頃  春日神社創建の由来と霊験奇瑞譚約五八話を収録
 絵巻はたのしい。 筋が分かれば尚々たのし。 いきいきとした表情、 衣裳の模様、 室礼を見るだけでも。  会話や物音が聞こえそう
 

    

                ☆

   

 ・本阿弥切本古今和歌集  伝小野道風筆  平安時代

・絵師草紙   1巻 鎌倉~南北朝時代  ・書状 西行筆 平安時代
・小野道風像 伝頼寿筆 平安時代

  自在な絵と文字の文化、 筆あとも瑞々しく麗しい。 
  保存と修復のおかげで 堪能しました。 (写真および解説は図録から)

 

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